西表島南部海岸踏破トレッキング 番外編
ぼくにとって、西表島の魅力は自給自足的なキャンプ生活が楽しめるところにあるのですが、そんな手作りキャンプのヒントとして、簡単なジャム作りを紹介したいと思います。
ジャム作りって、実はとっても簡単。みなさんも西表島に行くときは砂糖をちょこっと持って行ってみてください。他に特別なものはなにも要りませんから。
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さて、ジャム作りの材料となるのは上の写真のような植物です。正式な名前はなんというのかわかりません。ツワブキなのかなとも思うのですが不詳です。とあるキャンパーの言を取って勝手にルバーブ(rhubarb)と呼ばせてもらってます。
ルバーブはヨーロッパの方で食用とされるこんな感じの植物で、よくジャムなどにされているようです。実際のルバーブはもっと大振りなんですが、ツワブキ・ジャムというよりは、ルバーブ・ジャムという方がなんかいい気がするので、ここでは勝手にそう呼ばせてください。
こんなフキみたいな植物をジャムにするの? となかなかイメージが付きにくいかも知れませんが、これがちゃーんとできてしまうのですよ。
完成品を食べたら、もともとの植物はとても想像できないでしょうね。鮮やかな赤紫でツーンとした酸味はまるでブルーベリー系のジャムのよう。かなり驚きの味になっちゃいます。
このルバーブ、決して珍しい植物ではなく、西表島の沢筋の岩場でよく見かけます。身近なところだと、南風見田の浜の水場の沢を遡っていっても群生しています。とにかく沢筋をやや遡って探せばどこでも簡単に見つかるはずです。
この手の植物には、まったく同じ形をしていて茎が緑のものと赤紫のもの、2種類あります。別種なのか、成長過程の違いなのかはわかりませんが、このうち赤紫のものだけを選んで採ってきます。なるべく色が濃そうなものを選んで採ってきましょう。
山で素材を仕入れてきたら、あとはジャム作り。使うのは茎の部分です。葉っぱはいらないので採ってくるときに最初からもいでおいた方がいいかも知れません。
茎を本当は水洗いしたいところですが、ジャムに余計な水分が入ってしまうので、布などで拭くだけに留めます。きれいに拭いた茎をナイフで細かく刻みます。5mm幅くらいでしょうか。適当でかまいません。
次に刻んだルバーブの茎を鍋に入れて弱火にかけます。弱火というのがポイント。ストーブの火が消えるか消えないかくらいの極弱火にします。あとはゆっくり中身をかき回し続けます。そのうちルバーブから水分が出てきますので、様子を見ながら少しずつ砂糖を加えていきます。
最終的には、砂糖はルバーブと同量くらいかな。一気に入れると砂糖が焦げ付くので注意。徐々に水分が出てきますから、それに合わせて溶ける量を少しずつ。とにかくとろ火でゆっくりいきましょう。水分が出きったら、あとは蒸発していってだんだんドロドロとしてきます。味見をしながら砂糖の量を調整して、頃合いをみて火から下ろしたら出来上がり。
冷めるとかなりジャムっぽい粘りに仕上がります。
作る際の注意点ですが、ルバーブはかなり酸が強いです。刻んだ後のナイフをそのまま放置しておくと腐食して曇ってしまったりします。またアルミ鍋(コッヘル)の場合は腐食が激しいので、あまり大量には作らない方が無難です。下手すると穴が開いちゃうかも。その点いちばん安心なのはチタン鍋+木製箸orヘラでしょう。上の写真では、一口分だけをチタンのシェラカップとチタンのスプーンで作りました。
さて、この出来上がったルバーブ・ジャム。疲れたトレッキングの体には、直接なめてもなかなか美味ですし、紅茶に入れてもいいし、はたまた小麦粉とかホットケーキのもとを持っていれば、パンケーキに付けて、という食べ方も楽しめます。
なにより、この作る過程が楽しいんですよね。まあ、試してみてください。
By あきば・けん e-mail address |