= 焚き火のまえで =
実はこれ、4年ほど前に書いた覚え書きのリライトです。どうも古い話で申し訳ありません(^^ゞ |
人もまばらな西伊豆に、穴場的な無料の露天温泉があるときいて行ってきた。
堂ヶ島を過ぎてなお海岸線沿いに下田方面へ走り、松崎を過ぎて少し行ったところの小さな集落「石部」にでる。集落に入ってすぐに漁港へ降りる左の脇道がある。露天風呂ありの看板があるのですぐ分かる。
そこをおりるとすぐ小さな港になり、私が着いた夜にはゲートがしまっていた。普段なら港の奥まで車では入れて、温泉のすぐ前まで乗りつけることが出来る。
ゲートは閉まっているが人は自由に入ることが出来る。露天風呂は漁港の奥まったところの斜面のすぐしたにあり、かなり本格的な岩風呂である。小さながけの上から湯が小さな滝のように流れ出していて、20人くらいはゆったりと浸かれそうな湯船に溜まっている。
湯温はぬるくはなく適温。この時は夜でしかもかなりの雨だったので、ふだんはちょっと熱めなのかもしれない。
もちろん混浴で、一応屋根のついた簡単な脱衣所はある。あと水のシャワー、トイレもある。海辺にあるのだが、奥まった場所で、竹を編んだような囲いがあるために、直接海を望めないのが残念。全体としては、お金を取らないのが不思議なくらいに完成度の高い露天風呂だった。
港内にテントを張れそうなところはいくらでもある。でも基本的にはキャンプ禁止になっている。炊事行為を禁止するという看板もあった。ただし、「キャンプをする人は受付に申し出るように」という看板もあったので、幕営できないこともなさそうだ。でもその受付というのがどこにあるのかわからなかった。港へおりるまえの道路沿いに駐在所があったので、そこに問い合わせれば教えてくれるだろう。
また漁港である関係上、朝早くから漁師たちが出入りする。無断でテントを張ってもたぶんこっちが目を覚ますまえに発見されてしまう。
ゲートは夕方5時過ぎには閉鎖され、翌日の早朝開かれる。しかしゲートの手前にも車数台は止められるスペースがあり、温泉まで歩いてもたいした距離ではない。
石部温泉から、さらに下田方面へ走ること5分ほど。海岸沿のかげっぷちを走る道の左手に雲見温泉と書かれた寂れた宿のようなものがある。その100メートルほど先の右手に雲見温泉につながる小道(斜面を下る)の入り口の看板がある。
駐車場はないので、路肩に車を停めて未舗装の急な小道を下って海辺へ出ると、雲見温泉につく。汲み上げ温泉らしくポンプ小屋があり、カタカタと音を立てている。トーチカのようなコンクリートの骨格だけの建物があり、そこをぬけると海際に露天風呂が作られている。
10人も入ればいっぱいだろう。ロケーションは最高にいい。すぐしたが海で、沖には伊豆の島々が見渡せる。実に気分がいいのだが、大きな欠点がある。温度が低いのだ。
たぶん体温と同じくらい。夏場の水浴びというつもりで行けばいいかもしれないが、冬にはきつい。私がついたのは朝の7時くらい、しかも雨で寒くて入る勇気はなかった。
まわりに民家などはなく、キャンプにて適した空き地などもない。トーチカのような建物の中(ほとんど吹きさらしだが)で夜明かしできないこともないが、脱衣所になっているため、夜中とはいえ人がくる可能性もある。
人でにぎわう東伊豆に対して、西側はしずかで落ち着く場所が多い。このふたつの温泉以外にもまだいくつか無料の露天風呂があるという。またいつかのんびりと温泉巡りをしてきたいと思う。
By あきば・けん e-mail address |