クレクレタコラ第252話「恋の本命誰でしょうの巻」
トリオ怪獣が、予防注射の準備をしている。
その様子をチョンボと共に物陰から見ているタコラ。
いつもは何でも欲しがるタコラだが、「注射ばかりはノーサンキュー」と何故か突然英語で、欲しがらない様子を見せる。
しかし、いつの間にかタコラ達の背後に回り込んでいたイカリーとヘララがハンマーで2人を殴打、気を失ったところを無理矢理引っ張っていって特大の注射を刺す。
怒ったタコラとチョンボは、復讐を画策。
タコラが変身の術でモンロに変身して近付き、殴ってやろうというのだ。
チョンボが物陰から見守る中、モンロ(に変身したタコラ)が花とケーキを持ってやって来た。
そこへ何も知らずに、医者の格好をしたシクシクが近付いてくる。
油断させておいて一気に攻撃…と思いきや、何やらもじもじした様子のモンロ。
しびれを切らしたチョンボが飛び出し、「作戦通りやっつけろ!」とけしかけるが、逆にチョンボを突き飛ばし、「お医者さんってステキ」とプレゼントを渡すモンロ。
シクシクが去った後、元の姿に戻って「どうなってんの?」と自分でも自分の行動を不思議がるタコラ。
もう一度モンロの姿に変身し、今度こそ殴ってやろうとトリオ怪獣の所へ向かう二人。
すると今度は、シクシクが赤ちゃんタコラに特大の注射を刺すところだった。
いつもなら激怒するはずのタコラだが、逆にシクシクから注射器を借りて、自ら赤ちゃんタコラに刺しまくる。
そのうえ、「お医者さんってステキ、好き好き」とシクシクに抱きついてキスまでする。
二度までも心ならぬ行動で失敗し、不思議がるタコラだったが、チョンボがその原因を探り当てた。
チョンボが指し示す方を見ると、本物のモンロが医者のシクシクと仲良く並んで歩いていた。
実は本物のモンロは医者が好きで、タコラが変身したときに姿ばかりでなくその心もモンロに似てしまったのだった。
復讐に失敗したうえにモンロまで奪われ、手を繋いで歩み去るシクシクとモンロを見て、涙を流すばかりのタコラだった。
タコラ達が復讐を試みるシーンで、誰もが思うことであろう。
「このモンロはタコラが変身した姿ではなく、実は本物のモンロだった! そしてこれが原因で新たな騒動が!」
…と。
それを良い意味で裏切ってくれる秀逸なシナリオと言える。
また姿を真似ると中身まで似てくるというモチーフは他の作品にも多く見られ、ひいては哲学や宗教学にも通じる深い意味が…
…本来はあるのだが、タコラにそこまで求めるのは酷というものか。
現在ではそれほどでもなくなったが、以前は医師といえば高学歴高収入で花形職業であった。
相手が医者であれば、たとえそれがシクシクであっても媚を売るモンロは、まさにビッチの面目躍如といったところか。
『クレクレタコラ』各話リストに戻る