クレクレタコラ第220話「気違い真似して気が触れたの巻」

 つかの間の平穏を楽しむデブラ。
 しかしその静寂を破り、チョンボが慌てた様子で走り込んできて、「タコラが(    )大暴れ!」と放送禁止用語で訴える。
 その直後、異様な目つきをしたタコラが現れ、奇声を上げつつ手に持った棒で辺りを所構わず叩いたり蹴ったりする。
 さすがのデブラもこれには驚き、守るべき対象であるはずの一般市民のチョンボを差し置いて逃げてしまう。

 為すすべもなくタコラを見やるばかりのデブラだったが、チョンボが「(    )タコラを静めるには、何かやれば良い」と放送禁止用語でアドバイス。
 それに従い、魚を与えてみたところ、タコラは急におとなしくなり、チョンボと共に立ち去る。
 一安心したが、どこかに釈然としないものが残るデブラ。

 タコラ達は同様の手段で、ビラゴンからマンガ本を、トリオ怪獣から風船を手に入れる。
 皆それぞれに、タコラが立ち去って安心してはいたのだが、どこか不自然さを感じていた。

 被害者が集まって相談したところ、「タコラの(    )お芝居らしい」という、放送禁止用語混じりの結論に。
 こっそりと様子を見に行ってみたところ、そこには森のみんなからせしめた物を前に喜ぶタコラとチョンボの姿があった。
 やはり嘘だったと判明し、二人に襲い掛かるデブラ達。
 慌てて、もう一度狂ったふりをしてみたが、既に手口を見抜いているデブラ達には通用しなかった。

 そして、殴られすぎたため、本当に頭がおかしくなってしまうタコラとチョンボだった。


 一昔前は、こういう「気違いネタ」は、マンガやアニメや特撮に必ず一話は入っている、ある意味“お約束”であった。
 現代では、この回そのものが放送禁止レベルであろう。
 21世紀を目前にした西暦2000年という時代に、セリフがほとんど消されているとはいえ実際に放送されたのは、まさに奇跡である。
 Wikipediaや他のファンサイトでは何故か、CSでの放送時は欠番だったと書いてあるが、間違いなく平成12年にファミリー劇場で放送され、証拠のキャプチャー動画およびそれから抜き出した3枚の画像がここにこうして存在している。

 DVDでは音声も無修正のまま収録され、それを元にした他の解説サイトではセリフがそのまま書かれているが、個人的には消されている方がネタとしては面白い。
 欲を言えば無音ではなく「ピー」になっていて欲しかったところ。

 また、このエピソードによって、タコラが理想としているクレクレの状況についても窺い知ることができる。
 タコラにとっては、自分が何かを欲しがったとき、その持ち主がそのまま自分にすんなり渡してくれるというパターンが最も理想的なのであろう。
 それを実現するためには、例え自分が気違い扱いされても構わないという、見上げるべきクレクレ根性である。
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