クレクレタコラ第193話「腰ミノ付けてフラダンスの巻」

 トリオ怪獣のシクシクが、腰ミノを付けて踊りながら歩いていた。当然欲しがるタコラ達。
 力ずくで奪ってやろうと、バットや棍棒で武装し背後からこっそり近付いていったが、突如シクシクの前にビラゴンが現れた。
 そしてシクシクを殴り倒し、腰ミノを奪って歩み去る。

 何が何でも腰ミノが欲しいタコラ達は、ビラゴンを追跡。
 広場で腰をくねらせて踊っているビラゴンを見て、油断している今なら倒せると踏んだタコラ達は、棍棒で襲い掛かろうとするが、今度はビラゴンの前にトロロが登場。
 トロロも腰ミノを欲しがり、ビラゴンとケンカを始める。

 チョンボの発案で、ビラゴンとトロロに棍棒とバットを渡し、思う存分殴り合いをさせる。
 タコラ達はそばにあった切り株に座って、のんきに観戦。結果は相打ちとなり、両者とも気絶して倒れてしまう。
 その隙に腰ミノを手に入れたタコラ。

 ねんがんの 腰ミノをてにいれたぞ! と喜んだのも束の間。
 今度はタコラとチョンボが、腰ミノを奪い合って仲間割れを始める。
 そこへトリオ怪獣が揃って登場。腰ミノを一時預かって、タコラとチョンボの勝った方に与えるという。
 調子に乗せられ張り切って殴り合いを始めるタコラ達だったが、全ては腰ミノを取り戻すためのトリオの策略だった。
 タコラ達が夢中で殴り合っている間に、腰ミノを持って立ち去るトリオ。

 しかし離れる途中で、今度はトリオの間で腰ミノの奪い合いが始まる。
 タコラ達もトリオの様子に気付き、仲間割れを中断してトリオ達に乱入。
 かくして、主要キャラほぼ全員が入り乱れての腰ミノ争奪大乱闘が始まった。

 さいごまで たっていたものの かちだ。辛うじて最後の難敵イカリーを退け、腰ミノを手に入れたタコラ。。
 早速身に着けて踊ってみたが、つい先ほどまでの大暴れのおかげで体力はもう限界に近い。
 フラダンスというよりもフラフラになって、木に頭をぶつけてしまうタコラだった。


 タコラのみならず他の多くのキャラが、他人のものを欲しがり暴力に訴えるという珍しい展開。
 しかもタコラの策略によらないトリオの仲間割れは、非常に珍しい。
 また、肉弾戦が苦手なはずのトロロが、腕力に自信のあるビラゴンに勝負を挑み、相打ちになるというのも。

 馬鹿馬鹿しいシナリオと、腰ミノを着けて腰をくねらせる妙な姿の怪獣の面々、見応えのあるクライマックスの大乱闘など、映像作品として総合的には決して悪くない。
 しかし「クレクレタコラ」の一エピソードとしてどうなのか、これまでのキャラクター設定との兼ね合いはどうなのか、という点では大きな疑問が残る。
 出来が良いだけに、非常に惜しい作品である。
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