脱サラ



 ある製薬会社で営業をしていた原は、その経験と人脈を活かして独立し、健康食品販売の小さな店を開いた。
 まず最初に売り始めたのは、昨今の健康ブームとダイエットブームで人気を集めているダイエット食品だ。
 米国から輸入した商品で、食事の前に飲むことで満腹感を誘発して食欲を抑え減量につながり、不足しがちな食物繊維やビタミン・ミネラルも豊富に含まれ、しかも美味しいという謳い文句。
 FDA(米国食品医薬品局)の厳しい審査をパスしており、品質についても問題ない。
 彼の店、その名も「原ヘルス」は、この商品を引っ提げて、繁華街についにオープンした。

 ……しかし、開店当初こそは目標を超える売り上げを記録したものの、その勢いはすぐに失われた。
 どうやら目玉商品のはずの、例のダイエット食品が、不評のようだった。飲んでもなかなか満腹感を得られず、食事の量は以前とそう変わらないのだという。
 実際に買った人に聞いてみると、皆が口を揃えてこう言うのだ。
「原ヘルスのやつは、腹減るっす」

 ちゃんちゃん。

あとがき:
えぇと、この物語はフィクションであり実在の人物等とは以下略。
なんか最近、ネタが駄洒落ばかりだな。(汗)

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