『ばくはつ五郎』エッセイ3 一体『ばくはつ五郎』は、どのように作られたのか
『ばくはつ五郎』に関する疑問
各話解説にも何度か書いたが、脚本家によって、キャラクターの造形に違いがある。
例えば、田代淳二氏の脚本では、五郎がやけに理知的だったり。高久進氏の脚本だと、逆に攻撃的なキャラクターが多い気がする。
そういった性格や行動パターンのみならず、本来は固定されているはずの、各キャラクターの一人称や相手の呼び方にも、脚本家によって違いがある。
まぁ、そのくらいは各シナリオライターの持ち味といったところだろう。
しかし、順番に見ていくと、どうも繋がらない部分がある。
例えば、第2話の直接の続きが、第5話になっていたり。
第5話の脚本は、辻真先氏。本来はこれが3話になるのだったろうかと推測すると、一つ大きな疑問点が出てくる。
第5話よりも前、第4話の脚本も、辻氏になっている。一体これはどうしたことか。
普通に考えれば、第4話の脚本は第5話の脚本よりも先に書かれ、第4話の動画は第5話の動画よりも早く作り始められるのではなかろうか。
これが逆ならば(つまり第4話が第2話の直接の続きで、第5話が関係ない話ならば)、第3話として放送されるべき話が、何らかの理由で1話ぶん遅れたのだろうかとも思えるが、2週間分も、しかも後から脚本ができた(と思われる)ものよりも遅く放送されるとは、一体?
そして更に進むと、第21話で、新聞部室が引っ越したことになっている。今までの校舎屋上の掘っ建て小屋から、校舎内の一室へと、部室が移ったらしい。
…しかし、よく見ると、引っ越し以前の話でも、部室が校舎内になっていたりする。
これは一体どういうことだ。
現在のように、アニメーション制作のノウハウが確立し、またデジタル処理が利用されたりして、コンスタントに作品を完成させられる時代とは違い、1週間や2週間程度では完成させられない場合もあったのだろうか?
しかし、同じ年に放送された作品を見ると、一話完結型ではなく連続した物語のもの――つまり、順番が狂うとストーリーが意味不明になってしまうものが、いくつもある。
ということは、その当時であっても、本来の順番通りに30分アニメを完成させ、放送できていたということだ。
何故この『ばくはつ五郎』には、順番がおかしいと思える部分があるのだろう。謎だ。謎としか言いようがない。
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