『ばくはつ五郎』エッセイ16 個人ウェブサイトの資料としての価値



  • 魏志倭人伝
     果たして「邪馬台国」は存在したのか? 「卑弥呼」は実在の人物なのか?

     その当時からずっと生きていて実際に目で見たという人はさすがにいないだろう。となれば、その当時に書かれた資料が参考になる。
     邪馬台国に関して記された中国の書物は複数あるが、そのうち最も詳しく、最も古いものが「魏志倭人伝」である。

    「魏志倭人伝」という書物は、少なくとも名前くらいはご存じのことだろう。小学校の社会の授業でも習うはずだ。
     では、そもそもその魏志倭人伝とは何かというと。
     読んで字の如く「魏志」の中で「倭人」について「伝」えている一部分である。

     ではその「魏志」とは何かというと、魏の国の成り立ちなどについて書き記したものである。(※ただし実際には「魏書」)
     この「魏の国」というのは、どこかで聞いたことがないだろうか。
     そう。有名な「三国志」で、中国全土を三分して覇権を争った「魏・呉・蜀」の魏である。

     激しい争いを経て勝ち残った魏の国が書き残したのだから、当然のことだが、そこでは魏の国が正義で、他の国が悪であると見なされている。
     早い話が、「うちのボスはこうして敵を倒して勝ち残ったんだぞ、うちのボスは偉いんだぞ」という本である。
     そこに何故、日本のことが書かれているのかというと、これは実に簡単。
     東の方にこんな強い国があって、その国でさえうちの属国なんだぞ、うちの国はそれほどすごいんだぞ、と言いたいわけである。

     …そう考えていくと、信憑性には大きな疑問が湧いてくる。
     たとえば、当時の日本(邪馬台国)が実際には魏の国よりもはるかに発展していたとしても、バカ正直に「うちの属国は本国よりすごいです」なんて書けるわけがない。
     そもそも当時の日本は中国の属国などではなく、立派な独立国である。聖徳太子が「日出る処の天子、書を日没する処の天子に致す」という国書を書き、中国皇帝(天子)と同格の皇帝(天皇)が日本にいると主張していた故事もある。
    「邪馬台国」に「邪」、「卑弥呼」に「卑」などという、あまり良くないイメージの文字が使われていることから考えても、日本を…いや日本のみならず魏以外の全ての国をわざと貶めて書いていると考えるのが自然だ。いわゆる中華思想というものだ。

     だからといって、さすがに一から十まですべて虚構とは考えにくい。ある程度の真実は含まれていることだろう。
     重要なのは、どれが真実なのか、真実はどれなのか、見極めることである。
     邪馬台国はあったのかどうかというレベルなら、多分あったのだろうと言える。
     卑弥呼はいたのかどうか。いたと断言はできないが、いてもおかしくはない。

     魏以外の国によって書かれた、同時代の資料が他に多数あれば苦労はしないのだが、無いので、ほぼ唯一の資料である魏志倭人伝を頼って研究するより他に無いのが実情である。
     幸い、最近は考古学の研究も進み、様々な遺跡や遺物が発掘されている。中には邪馬台国のものと考えても矛盾の生じないものもあるそうだ。
     古文書の記述を基に調査を行って実際に遺跡を発見する・または逆に、発見した遺物について、古文書に記述があるのを発見する。こういったところが考古学の現場の醍醐味であろう。

  • なんでも欲しがるクレクレタコラ

     先日、気の迷いで「クレクレタコラ」紹介ページを作って後悔した。もとい、公開した。
     こちらを作るのは非常に気楽であった。ほぼ全話を収録したDVD-BOXがほんの数年前に発売され、現在でも中古市場にそこそこ出回っている。検索してみると様々な情報を載せたウェブサイトがいっぱい出てくるし、Wikipediaの記述も詳しい。
     それが何を意味するかというと、自分はただ好き勝手なことを書き散らすだけで良く、信憑性や正確性に気を遣うことも、あるいは全話を網羅する責任などもまったく無いということである。
     書いても書かなくても問題ない。ただ書きたいから面白おかしく書く。それだけで良い。
     もしまったくのデタラメを書いてしまったとしても、他のウェブサイトを見れば、あるいはDVD-BOXを手に入れれば、それがデタラメであるとすぐに分かる。本物を容易に入手できるが故に、真実を容易に知ることができる。

     では「はくはつ五郎」の場合は、どうだろうか。
     DVDはもちろん、VHSやβのビデオテープも発売されていない。テレビ局関係者でもない限り、いくら金を積んでも、本物の映像を入手することは不可能に近い。
     検索しても、ろくな情報が出てこない。Wikipediaに書いてある情報も、特にストーリーに関してはあらすじにすらなっていない。挙げ句の果てに「外部リンク」項目の唯一のリンク先が、なんと弊サイトである。

     もし、その数少ないウェブ上の情報の中に、まったくのデタラメが書かれていたらどうか。
     それが果たして真実なのかデタラメなのか、確かめる術がまったく無いとなれば。
     しかもこちらは邪馬台国にも劣って、遺跡さえ出てこないのである。

     ほんの些細なことであっても、情報を残すというのは非常に重要であろうと考えている。例えそれが30年前のマイナーなアニメの話題であっても。
     出来る限り正確で豊富な情報を、後世のためというよりは自分のために、書き記しておきたいと思っている。
     逆に言えば、信憑性の薄い情報やデタラメは、自分でも事実だと勘違いしていた場合などを除いては、なるべく書かないようにしている。一部は「未確認情報」のページにも載せているが。
     そうは言っても、このサイトに既に書かれている内容にも、誤りがあるかも知れない。ときどき保存しているキャプチャー動画を再生して楽しんで、同時に情報の確認も進めてはいるが、100%正確とは保証できない。

     確かに世界でも数少ない、あるいは唯一の、「ばくはつ五郎」ファンサイトではある。
     しかし、単なる一般人のアニメファンが、適当な言葉を並べているだけのサイトでもある。
     過度な期待をされて困惑している部分も、少なからずある。
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