『ばくはつ五郎』エッセイ1 「五郎」?



  • 何故「五郎」?

     一般的に考えて、長男に「五郎」という名前を付ける人はいないだろう。
     長男は普通「太郎」とか「一郎」、次男は「次郎」や「二郎」、三男なら「三郎」が定番だ。
     つまり、五郎は五男、または5人目の子供であると予想される。

     作中、五郎は「おじさんの家」に厄介になっている。
     おじさんの家は酒屋で、五郎も手伝いをしているらしく、自転車に酒の箱を積んで配達する場面がよく見られた。

     作中で、五郎の父親は亡くなっており、母親は実家に戻り、兄弟たちはそれぞれ親戚の家に預けられていることが明かされる。
    『五郎』が放送されたのは1970年(昭和45年)。その頃、夫を失った女性が少なくとも5人の子供を育てるのは、確かに大変だっただろう。
     だから親戚の家に子供を預けた…。そういったところだろうか。

     現在ならもちろん、その当時でも5人兄弟というのは、決して少ない方ではなかっただろう。
     上に4人も、兄や姉がいる。その中で自分の意見を通すには、やはり「爆発」する以外に方法が無かったのだろうか。
     五郎のあの直情型の性格が形成されるには、やはり家庭環境が大きく関わっているのだろう。

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