☆第3展示室☆アナログテスタ(回路計)

自己満足の ガラクタ 博物館 (ja1cvf 0408)

【 何とも 珍しくない ガラクタたち! ラジオパーツに 留まらないのが 珍しい 】 

 

 

 
YEW  L-16 ロータリSW型大型テスタ(140X210X90)  [1954]

数少ない横河電機のテスタです。
形状は大型でさすが横河というしっかりした作りです。SW周りの配線も綺麗にまとめられています。しかし内部抵抗は1,000Ω/Vで高級機と云うにはもう一息と云うところですが当時としては致し方ない性能だったと思います。
当時は高抵抗を測定するために高電圧の電池(22.V、45Vなど)を使用するものが多かったのですがそれをせず使いやすさを選択した大メーカの英断とも云えます。
測定範囲は5-10系で当時の高級機の標準的な割付で,拡大機能も有りませんがSWの切れもすばらしく良くできた製品です。

DC/V   2.5,10,25,100,500,1000   (1,000Ω/V)
DC/mA
  1,5,25,100,500
AC/V   2.5,10,25,100,500,1000   
R/Ω    X1,X10,X100,X1000

使用電池 単1X2

このテスタは1000Ω/Vの内部抵抗を持っています。電圧測定には内部抵抗が大きいほど測定誤差が少なくなります。たとえば1kΩの抵抗に1mAの電流が流れている回路があったとします。いま、その回路をこのテスタで測定してみましょう。解りやすいようにこのテスタの誤差は”0%”とします。2.5Vレンジで測ってみると0.7Vと表示されます。アレッ!おかしいですね。1Vのはずですが!それでは10Vのレンジで測ってみましょう。今度は0.9Vと表示されました。テスタの誤差は”0%”なのにどうしてこうなるのでしょう。これは試料と並列に接続されるテスタの内部抵抗が影響して2.5Vレンジでは1kΩの抵抗が見かけ上0.71kΩに見えるからです。(1kΩと2,5Vレンジ・2.5kΩの並列合成抵抗0.71kΩ、10Vレンジ・10kΩの並列合成抵抗0.91kΩ)
仮に最近の標準的テスタ20kΩ/Vで測ってみたらどうなるでしょう。2.5vレンジがあったとすれば0.98Vと表示され事実上気になるものではありませんがテスタの内部抵抗について頭の隅にご記憶下さい。

このテスタが私の所に来た時にはかなり老朽化が進んでおりまして残念ながら完全復元出来ませんでした。折を見て再度ってを入れようと思います。