☆第3展示室☆アナログテスタ(回路計)

自己満足の ガラクタ 博物館 (ja1cvf 0508)

【 何とも 珍しくない ガラクタたち! ラジオパーツに 留まらないのが 珍しい 】 

 
AVOMETER 8-MK2 ロータリSW型大型テスタ(170X200X100)  [UK]

AVOMETERはテスタを最初に創ったメーカと云われて居るオートマチック コイル ワインダー社の製品です。その最初の製品は1923年と云われています。
この展示品はモデル8-MK2ですがロータリSW式初期のモデルの風格を残しています。
細かいところはいろいろ改良を加えられていますが基本的構造はほとんど変更されてないのが特徴といえるかも知れません。
メータの右下のところに No70417-C-158 と書かれています。この”C”と云うのがこのモデルでは最終ロットで"158"と云うのはJan.1958を意味する記述だと云うことが判りました。
メータ感度は37.5μAで必要かつ充分な内部抵抗(推定20kΩ/V)を持っています。低電圧レンジを持たないのがその時代を感じさせます。
なお新しいタイプ(MK7など)では3-6系ステップになり100mVのレンジが有ります。
レンジの切り替えはDCとACが分かれてDCを測定する時はACレンジ・ノブをDCに合わせDCレンジを設定します。ACの時はDCレンジをACに合わせACレンジを設定するという独特の方法を使っています。言葉で説明すると難しいのですが実物を見れば混乱はありません。

DC/V   2.5,10,25,100,250,500,1000,2500
DC/mA   50μ,250μ,1,10,100,1A,10A
AC/V   2.5,10,25,100,250,1000,2500
AC/mA    100,1A2.5A,10A
R/Ω    2.5,2000,200k,20M,200M (最大メモリ・一部外部ユニット使用)
拡大機能 dBメモリ
使用電池 単1X1 B121/15V

 

1958年1月の製品ですから、およそ50年の歳月を経ています。

テストリード接続用の端子にはプラスティックのカバーが付いているはずですが一個だけで他は欠落しています。左下は赤で、その他は黒が付いて居たと思われます。

メータの窓の形は日本の古い製品にも見られる形ですがこれをまねしたモノと考えても間違いないでしょう。
(AVOメータは初期モデルからこの形を採用しています)
このメータを見て気が付くことはACとDCのメモリが共通になっています。一般的に低電圧のACレンジではメモリが詰まるのが普通です。回路図を見て判るとおり入力回路にトランスを使い整流器に一定の電圧が掛かるようにする等の工夫が見られます。

 

電池が収容されているケースは裏蓋と共通で接続は接触片を使用して簡単に外すことが出来ます。倍率器や分流器は大型のモノを採用していますので大きなケースにもかかわらず中は窮屈です。メータムーブメントは露出型で埃などの進入が気になるところです。日本の製品も過去に於いてはこのようなモノが多かったのでやむを得ないことかも知れません。
マグネットアジャスタも付いています。赤く塗装されているところが磁気回路です。

電池はケースの上から専用ボックスに入れます。単1型を入れてありますがその横に入る15Vの電池は入手困難です。これがないと200MΩレンジが使えません。コイン型電池をケースに入れるなどして組み電池を作っている方もおられます。

ケースの裏側には取り扱い説明書が貼り付けられています。
その最後に
The word "AVOMETER"is our registered Trade Mark
と明記されているのが印象的です。