〈白湯(さゆ)をいただく〉

コーヒーはあたりまえ、ウーロン茶やいろんなハーブティーがある時代だけど、たまにはそれらの基本、“白湯”を飲んでみて。“名水”(なんとかの水)じゃなくても、チョット時間をかけてお湯を沸かすとカルキ等の成分が飛んじゃうから。

特に食事の後なんか、どんなモノより口の中がサッパリするから不思議。本来の、水のもっている力なんだろか?

できれば、鉄瓶で沸かすともっとおいしいよ。あま〜く感じるのはなぜなんだろう?

茶釜でお湯を沸かすと、湯気といっしょに音がするんだ。この音のことを「松風」って言うんだよ。目をつぶってると、ほんとに松林の間を風が渡ってくるように聞こえるんだ。

                   
〈鯛釣り草〉

切ってしまうのがもったいなくて、先生にいただいたまま、入れてあるんだけど、ホントに“よくぞ付けた!”っていう名前でしょ? “ケマン草”ともいうらしいんだけど、私はタイ釣り草のほうがいいな。なんともいえないピンクと緑色。

初めて見た時は、どうしてこんな花がこの世にあるんだ!と思っちゃいました。白色のもあるけど、やっぱ“タイ”はピンクでしょ〜。

お茶で活ける時は、こんなにテンコモリにはしません。いくら、“野にあるように”といったって、ほんとに野にあるようにいけたらすごーくなっちゃうからね。

“春爛漫”を感じさせる茶花の一つです。

〈夜桜なつめ〉

この季節になるといろんな桜の意匠が使われるんだけど、桜って、結構使える時期が短いんだよね。ま、それだからこそ人気があるのかもしれないけど。

そのなかで、1番好きなのが“夜桜なつめ”。“なつめ”ってお茶を入れる器なんだけど、なつめの実の形ににてるからそういうらしい。

ちょっと見はだだ真っ黒い漆塗りなんだけど、光線のかげんで桜の花がコンモリ浮き上がるって趣向。漆を花のところだけ少し厚めに重ねてるんだ。障子を通してやわらかく入って来る光線で、アラッ?っていうカンジで桜が見えるんだ。

塗師によって、いろんなところにほどこされてるけど、黒の無地かな〜なんておもって拝見したら、蓋の裏なんかにあると、ク〜ッ、にくいねぇ、こんなとこにいたの〜?っていうかんじ。

〈位置〉

稽古の時に、位置が1番大切だっていわれるんだけどほんとにそうなんだ。座る位置が悪いと、道具まで手が届かなかったりする。そのたんびにモソモソ動くのは美しくない。歩く位置が悪いと、人とぶつかってしまう。炭を置く位置が悪いと火が消えちゃう。活ける位置が悪いと、花がたおれちゃう。

“流しだて”っていうお手前があるんだけど、標準の位置よりもっとお客さまに近寄って、顔を見あわせながらお茶をたてるっていうやりかたなんだ。だから、道具の位置も標準とちがうんだけど、その最後の方で、片付ける時、亭主が立ち上がって水屋に下がると、畳のちょうどまん中にひとつだけ茶碗が残るように片付けるんだ。かっこいいよ〜。

畳ってとってもいい飾り床になるんだよ。でも、その位置が片寄ってると美しくない。きちんとまん中に茶碗を置く。これが大事なんだね。動かなくてもいいように、1度でピタッと座る、これってむずかしいよ〜。

世の中位置って大事だよね。ジャマにならない所に居る、その場を見て、出過ぎず、引っ込み過ぎずのところにいるっての、けっこうむずかしいね。そういうのがお茶なんですって先生のコトバ。

〈相伴ーしょうばんー〉

貴人点のお伴がお茶をいただく時や、亭主が自服する時に「お相伴いたします」って言うんだけど、ちょっと昔の人なんか、誰かが買って来たお寿司とかいただいちゃう時によく「じゃ〜、お相伴にあずかろうかな」なんて使ってた。

広辞苑によると「饗宴の座に正客の相手となって同じく饗応をうけること。さしたる働きのないのに、他人と平等にその利益を分かち与えられること」って書いてある。

この言葉ひとつでそれぞれの立場がわかるし、「ごちそうさま、わるいわね」っていう気持ちが伝わっちゃういい言葉だよね。

〈学生茶道〉

茶道部では、毎年文化祭にテーマを決めてお茶会をやってた。私が1年生の時のテーマが「生活の中の茶道」っていうのだったんだ。日常生活の中にあるものを使ってやろうっていうんだけど、1番シビレタのは、蓋置。なんと!エッグスタンドだったんだよ! これがまた、ちょ〜どいいんだ! 水指はアイスペール(氷入れるヤツ)、茶碗はいつも御飯を食べる時に使うようなものだった。さすがに茶筅と茶杓は竹だったけどネ。

もともと利休さんは、舶来モノじゃなく、日本の雑器の中からその美しさを見い出して茶道の道具にしたんだよね。一時の柳宗悦みたいだね。時代は反対だけど。

それよりその時の略盆立てで、いちばん初めの総礼の時に茶筅を正客の前までフッ飛ばして取りにいったのが今となってはいい思い出だね。なんたって、そのおかげであがってたのが度胸ついちゃったんだから。

〈花月ー雪月花〉

 花月って、ゲームなんだよ。厚紙で作った折り畳みできる箱に人数分の札が入ってて、伏せてある札をそれぞれ引いて、その札によって役目が違うんだ。人数によっていろんな種類があるんだけど、ほんとによく考えてあるっていつも感心しちゃうんだ。

この「雪月花」っていうのは、“雪”の札を引いた人はお菓子をいただく、“月”の人はお茶を飲む、“花”の人はお茶をたてるっていう役なんだ。その他はハズレ。

そして、1人の人が“雪月花”ゼ〜ンブ役にあたったらアガリ。ゲームセットっていうやつ。だから、引いた札によっては、お菓子だけずっと食べてる人とか、人にお茶をたててばっかりいて、自分は全然飲めない人とかいて、楽しいよ〜!

引いた札を自分が座ってる畳の内側に置くんだけど、アガったら外に置いて知らせるんだ。誰が何に当たったのかやってるうちにわかんなくなっちゃって、ア〜ラ、私じゃなかったの〜?みたいで楽しめるよ。