お役に立てば
ーその1ー
「お茶ってどうやって飲めばいいの?」って時々聞かれるけど、口でゴクッと飲めばいいんだよって言ってる。だって、おいしけりゃ100点だもの。

「そんなのあたりまえ、常識じゃない」って言われるけど、先生はいつも「お茶は常識なのよ」っておっしゃってる

「お茶碗って何回まわせばいいの?」って、これはよ〜く聞かれるな〜。別に回数が決まってるわけじゃないんだ。その茶碗の“見どころ”、“景色のいいところ”をお客さまに見えるように出して下さるので、“そこ”が自分から見て“正面”になるわけだ。そのままお茶を飲むと、ひょっとするとツーッとお茶が垂れちゃったりするかもしれない。

見どころ”を汚さないように、いつまでも伝え、大切に扱うためにも“正面をよけて”お茶をいただくため、その結果回すってことになるわけだ。

自分でお皿やコーヒーカップなんかを買う時、まずその模様(見どころ)をみてるはずだよ。無意識だけどネ。

あんまり回すと、元に戻っちゃうよ!

「足、しびれないの?」って聞かれるけど、シビレルシビレル!もうたいへん!そういう時、一番いけないのはしびれてないふりする事。

そういう時は、「ちょっと失礼します」って言って、ゆっくり足のシビレを直してから立てばいいのであります。決して失礼にあたることはなく、むしろしびれてないふりなんぞして、ころんで怪我でもするほうがよっぽど失礼。おまけに亭主(席主)が大事にしてる道具なんか壊しちゃったりしてね。

ほとんど親指がまっすぐになっちゃってるはずだから、まず親指を手でほぐして、曲るようになったら、かかとを立てて、かかとに体重をのせるとア〜ラフシギ! 立てるようになるのでありま〜す。立つ時は「失礼いたしました」を忘れずに。

学生の時、後輩の男の子が足が曲らず、バレリーナみたいになっちゃったの見た事あります。あぶないあぶない。

足がしびれるってのは、“生きてる証拠”だ!

今の時代、もちろんお茶のサイトはいっぱいあります。全部見たわけじゃないけど、私はここがオススメ。

「赤い糸茶会」(まあ、下世話にいう合コンみたいなもんかな?)をやったり、12月になると「討ち入り茶会」をやる人達がいたり、結構楽しいコトをたくらむ人達がいっぱい。この間の情報では、池波正太郎の鬼平犯科帳にちなんだ茶会の案内もありましたよ。いつか参加した谷中の茶会には、「運庵」と名付けられた、2トントラックを改造した「動く茶室」もありました。(その時参加された和尚様が命名者なんですけど、“運”は、身体を運んで、行動しなけりゃつかめないって。そりゃそうだ、宝くじも、買いに行かなきゃ当たらないモンね)

稽古している人も、していない人も、お茶に興味のある方ならどなたでも楽しめます! 花や着物、歴史にお菓子、観光案内、そのほかもう話題満載! 流派も関係ありません。一度いってみて! ソンはさせません!

http://chajin.net/

「ただ座ってみる」って、この時代なかなか出来ないよね。 お休みの日だって携帯が鳴ったり訪問販売が来たり、冬になると焼き芋屋が外を通ったり。

たまにはTVやCDを消して、何もしないで15分、「ただ座ってる」っての、だまされたと思ってやってみて! もちろん仕事のことなんか考えちゃダメだよ。 何も考えないの。な〜んにも。TVを見てる時の15分はスグだけど、けっこう長く感じるよ〜。

床に座って(もちろんアグラでもOK)背中を伸ばして、そう、禅宗のお坊さんみたいに。 夜のオカズなんか、後で考えればいいんだから。 きっと座る前と座った後じゃ何か違うはずだよ。 脳味噌をちょっとお休みさせるだけで、とってもリフレッシュ出来るんだ。

お茶では、釜のお湯が煮えてくると、音がするんだ。 その音の事を「松風」っていうんだけど、目をつぶってだまって座ってると、ホントに松林の中を風が渡っていくように聞こえるんだよ。 “松林の中にただ1人”でいるようにネ。

“ただ1人”ってお茶のキーワードのひとつだね。

ちょっと部屋の電気を暗くしてみると、いつもと違う雰囲気になるよ。ってあたりまえか〜。茶事では、薄茶が始まるまでは茶室の窓に簾をかけておくんだ。ただでさえ薄暗い茶室なんだけど、夢の中のような、現実のようなとっても不思議なカンジ。

おまけに濃茶は薄茶にくらべてフォーマルだから、シ〜ンとした中で、ただ茶筅のサラサラという音だとか、外の風の音だとかして、日常とちがう雰囲気なんだ。薄茶になると簾を上げて座布団やたばこ盆を出して、なごやかにお茶をいただくんだ。

夜の長い冬に「夜噺の茶事」ってのがあるんだけど、“あかり”がキーワードになってるね。いつか、ずらーっと並べた火鉢に真っ赤におこった炭があかりになってるってのがあったけど、印象的だったな〜。真っ暗に真っ赤、ほのかに見える連客。冬の雰囲気がひとしおだったよ。

部屋の照明って、ほとんどの日本人って天井の真ん中に大きいのを1つだけだけど、スタンドを1つだけにして、薄暗くしてみるとお手軽に非日常になれるよ。

お茶会に行くハメになったらどうすりゃいいの? って、まず緊張は不要。楽しまなくっちゃね。それには、まず席中では真ん中あたりに座るといいよ。

メインゲストは1番初めの席、サブゲストは1番最後って決まってるのさ。サブゲストは、メインゲストのサポート役ってとこだからね。間違っても遠慮して“1番最後でいい”とか言っちゃ〜いけないよ。

そして、作法がわからなかったら人のマネすればいいんだ。でも、マネがいやなら誰か(お茶を運んで来てくれた人とか)に聞けばいいんだ。そうすりゃみんながよってたかって教えてくれるよ。

あとは履き替えの靴下を持ってく事かな〜。靴を履いたままの汚れた靴下のままじゃなく、洗いたての清潔な靴下に履き替えるってのは、席主(亭主)に対する心遣いだものね。

1番はいろいろな道具やその組み合わせ、亭主と正客(メインゲスト)との会話なんかからいろ〜んなモノを感じ取って、あぁ楽しい、おいしいひとときを過ごせたな〜と思ったらもう免許皆伝だ〜。

着物って大変でしょ〜?ってよく言われるんだけど、ちょ、ちょっとまったー!

私の流派は、畳1帖を4歩で歩くんだけど、洋服だと歩幅がなんとでもなっちゃうから、畳のへりを右足で越したり、左足で越したりするたびに、考えながら歩いてたんだ。でも、着物だと歩幅がほぼ限定されるんで、考えなくても着物の幅であるけばいいんだ。これにはビックリ〜!

初めの頃は着るのに2時間くらいかかってたんだ。もっとも、途中、休憩なんかしてたからね〜。習うより慣れろとはよく言ったモンで、今じゃ〜15分もかからなくなったよ。もちろん休憩なしでね。自分で着てから、より着方に興味が出て、いろんな本読んだり、人に教えてもらったりしてるんだけど、慣れるとこれがけっこうラクチン。帯で腰や背中が曲がらないからね。姿勢がクニャってしても、そう見えないんだ。

着物にガンジガラメになってる〜ってカンジのおじょうさんを見かけた時は“大きなオセッカイオバサン”の本領発揮!「大きく足を広げて、着物のスソを割っておくと動きが楽になるよ」って。すると不思議に動けるようになるんだよ。男の人も同じ。一度着て、袴もつけてから、最後に足を開いて裾を割るんだ。楽だよ〜。それでいて、立った時にはぜ〜んぜんわからないんだからね。

たしかに着物は動いてる間に着崩れて来るね。そこで!“襟を正し”たり、“人の振り(着物の振りの部分)見てわが振りなおし”たりするんだね。その「しぐさ」がまたいいんだ〜。洋服にはなかなかしぐさが似合わないけど、着物で髪のおくれげを直したり、襟をかきあわせたり、袴を直したりしてるしぐさがこれまた着物の魅力だと思うな〜。

あ、それから、これは踊の人に教えてもらったんだけど、袷の時期はベンベルグとかでできたステテコをはくととってもすべりがいいし、夏はチヂミ(楊柳)のステテコにすると、汗を吸い取ってくれて涼しくなるよ。これは洋服でも正解!ステテコは日本の気候にあった下着だね。寒くて乾燥してる西洋じゃ〜いらないもんね。夏は汗でズボンがくっつくってことがないよ。