偏頭痛 2004年6月12日UP
「典型的な偏頭痛ですね。教科書に書いてあるとおりです。」
これは、今から十数年前、私が29歳のとき、病院で医者から言われたことである。心なしか医者がうれしそうだったのを覚えている。よほど診断に自信があったからに違いない。
その前日、私は激しい頭痛に襲われた。気になる症状もあったので、病院に行って診察を受けたのだった。「気になる症状」は3回目の経験で、その数ヶ月前に初めて経験したときのことをよく覚えている。
仕事を終えての帰宅途中、電車の中で本を読んでいたとき、私の視野の右上のあたりに光る物が現れた。それは実際に存在する物体ではなくて幻覚であり、きらきらと輝き、同じ場所に止まっていた。そして数分で視野から消え、さらに20〜30分たってから、強い頭痛に襲われたのだった。
医者は、
「間違いなく偏頭痛ですが、まれに別の原因もある場合があるので、念のために検査してみましょう。」
と言った。後日、私はCTスキャンで頭を輪切りにされた。いや、実際に頭を輪切りされたら死んでしまうので、輪切りに見えるエックス線写真を撮られたということである。医者は言った。
「とてもきれいな脳ですね。特に問題はありません。」
だから私の脳はきれいなのである・・・いや、そんなことを自慢してもしょうがない。こうして私の頭痛は正真正銘の偏頭痛であることが証明されたということを書きたかっただけのことだ。
それでは偏頭痛とはどういうものなのか、簡単に説明したい。
痛みの原因は、頭の中の血管が膨張し、近くの神経に障るためらしい。だから、心臓の鼓動に合わせて、ズキン・ズキン・と痛む。血管が膨張する原因は、いろいろあるようだ。体調が悪かったり疲労していたりすると症状が現れやすい。食べ物や飲み物の影響もある。例えばアルコール飲料やチーズが危ない。強い精神的な緊張やストレスも原因となることがある。このようないろいろな原因が重なって起きるようなのだ。おそらくは人によっても偏頭痛が起きる要因が違っているのだろう。
私自身の経験では、人混みの中に長時間いると頭痛が起きやすい。お酒を飲むと頭が痛くなることがよくあるけれど、これは飲み過ぎによる二日酔いとの区別が難しい。(^^; それから、トイレでいきんだときに頭痛が急に強まったことがある。それ以来、頭が痛いときのトイレでは力を入れすぎないように気をつけている。(笑)
患者はどちらかというと女性に多く、20〜30代の人に多い。歳をとると血管が硬くなるせいか、症状が軽くなったり治ったりするらしい。
私と同じように、頭痛が起きる前に視野の中にきらきらした物が見えるという前兆がある人も少なくないようだ。あの医者が読んだ教科書にもそう書いてあったに違いない。私の場合、前兆があったときの頭痛は激しくて、しかも薬があまり効かないので、とても困った。それでも薬を飲まないよりは飲んだ方が良いだろうと思い、薬を飲んで布団に入り、目と額を濡れタオルで冷やして寝ているしかなかった。激しい痛みのためになかなか眠れなかったし、気分が悪くなって吐いてしまったこともあった。
このような前兆のある激しい頭痛は、29歳から30歳にかけて何度かあっただけで、31歳以降は一度も経験していない。これからも経験することがないことを願っている。今でも普通の頭痛はときどきあるが、以前のような強い痛みではないし、バファリンを飲めば治まるので、以前のように苦しむことはない。だから私の偏頭痛は、今やカビの生えたレンズのようなもので、切れ味もないし、中古で売ろうにも売れそうにない。(^^;
ではなぜ今頃こんなことを書くのかというと、先日、私の子供(高校生)が病院で偏頭痛と診断されたからである。ああ・・、なんと遺伝してしまったのだ。偏頭痛は遺伝しやすいと言われているし、私も高校生の頃からよく頭痛に悩まされていた。なぜ良いところが遺伝せずに悪いところが遺伝するのか、残念でならない。子供の偏頭痛がひどくならないことを祈るのみである。
(注1) 頭痛にもいろいろ種類があって、それぞれ症状や原因、治療方法が異なる。頭痛がひどい人は、ちゃんと病院で診てもらった方が良い。
(注2) 「偏頭痛」と「片頭痛」の二つの表記方法があり、どちらも同じ意味で使われているようだが、ここではATOKに従って「偏頭痛」に統一した。なお、「変頭痛」という表記方法はないので、私の頭痛は「変頭痛」に違いないとあなたが思ったとしても、そのことには全く妥当性がないことを記しておきたい。(笑)
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