アポロ13号

2000年10月9日UP

 

 月に向かったアポロ13号が事故を起こしたこと、そして、それを克服して地球に無事に帰ってきたことをご存じでしょうか? 人類が初めて月に着陸したアポロ11号の翌年の1970年(昭和45年)のことですから、もう30年も前のことです。かすかながら当時の記憶もあるのですが、6年前に出版された「アポロ13号 奇跡の生還」という本を読み、それに合わせてテレビで放映されたドキュメント番組も見たので、詳しいことを知ることができました。

 数年前に映画にもなっています。先日、テレビで放映された映画を見ましたので、今回はアポロ13号の映画について書きたいと思います。

 

 この事故は、月へ向かう途中の宇宙空間で起きたもので、爆発によって多くの酸素と電力が失われるという極めて深刻な事故でした。地球に帰って来られたのはまさに奇跡としか言いようがありません。3人の宇宙飛行士と、彼らを支えた地上の多くの関係者達の物語は、事実でありながら、ドラマ以上の感動を与えてくれます。

 そして、危機的状態に陥ったときの冷静な判断の必要性と、最後まであきらめないことの大切さを知ることができます。例えば、飛行船にはわずかな電力量しか残されていなかったため、本来は必要な電力も切らざるを得なくなり、ぎりぎりの使い道を決めなければなりませんでした。帰還するときに必要なコンピューターのスイッチを、危険を承知のうえで一端切ってしまったり、暖房をとめて寒さに耐えることを選んだり、まさに限界への挑戦でした。また、月に着陸するためにつくられた着陸船を一時避難場所として使うなど、様々な工夫がなされます。

 ここで詳しく書くことはできませんので、興味がある人は、本を読んでください。(新潮社「アポロ13号 奇跡の生還」ヘンリー・クーパーJr 立花隆=訳) または、映画のビデオを借りてきても、その概要を知ることができます。

 

 さて、この映画のことですが、約2時間という短い時間の中で、うまくまとめられているのですが、アポロが出発するまでの部分が長くて間延びしていたように感じました。それよりも、本題である事故が起こった後のことについて、もっと時間を使ってほしかったと思います。

 

 それから、映画を見ていて、おもしろいことを発見しました。(ここから先は冗談半分で書いてますので、そのつもりで読んで下さい。)

 

 アポロ13号に乗り込む予定だったのに、風疹に感染したかもしれないというのが原因で、直前にクルーから外されたケンという宇宙飛行士が映画に登場します。やむなく地上に残った彼は、事故が起きてからの飛行船の最適な操縦方法を考えるため、飛行船と同じように造られた地上のシミュレーターで、いろんな作業を確認するという役割を担いました。そのことが認められて、彼は、将来、火星に行くことになったということに、私は気づいたのです。

 どういうことかというと、ケン(正しくは「ケン役の俳優さん」)は、今年になって封切られた映画「Mission to the Mars」では、直前に外された宇宙飛行士に代わって火星に行く宇宙飛行士として登場しています。アポロ13号のときとは、全く逆の立場です。きっと、月に行けなかったのはかわいそうだったと、NASAの首脳部(それとも映画監督か?)が考えたので、火星に行かせてもらったんだと思うし、月に行けなくてもふてくされずに頑張ったおかげなんだろうと思います。そして、Mission to the Marsでは、火星からさらに遠くまで行ってしまうのですから、辛抱した甲斐があったというものです。

 このように、アポロ13号と、Mission to the Marsの二つの映画は、そのストーリーにつながりがあったのです。前編に当たるアポロ13号を見ずに、後編のMission to the Marsを先に見た私が馬鹿でした。

 

 ヒューストンの地上部隊を取り仕切っている重要人物で、ジーン・クランツという人がいます。この人の冷静さと、多くの人をまとめていく能力はすごいです。見る者を引きつける迫力があり、感動せずにはいられません。

 当然、映画の中にも出てくるのですが、映画の俳優よりも、当時の実際の映像を使ったドキュメント番組で見た実物の方がずっとかっこいいのです。かわいそうですが、俳優さんは負けてます。これは、私の家内も同じ意見でした。ただし、どんな俳優を使っても実物に負けると思うので、あの俳優さんに責任を押し付けるつもりはありません。

 

 映画の中で、アポロ13号の宇宙飛行士から頼まれて、ヒューストンの担当者が計算の確認をするところがあります。その場面で、なんと計算尺を使っていました。たしかに、30年前のことを思いだしてみると、私の身の回りに電卓なんてありませんでした。そして、さすがのNASAにもなかったのですね。

 電卓すらない時代に月まで行って無事に帰って来たのだと思うと、そのすごさを再認識せざるを得ません。当時とは比べものにならない進んだ技術がある現在の日本でも、人工衛星の打ち上げに失敗することがよくあるのですから。 ただ、あの計算尺がソロバンだったらもっとおもしろかったのに・・・と思ったのは、私だけでしょうか?  

 

 なにはともあれ、この奇跡的な出来事から人類の素晴らしさを感じることができます。そして、さすがはハッピーエンドの国、アメリカであります。

 

 


雑感の目次に戻る。