水平について 2004年2月1日UP
♪ポパイ ザ セイラーマーン・・・・・・いやいや そりゃ水兵だ。もちろんカモメの水兵さんでもなくて、今回は写真における水平の話です。
風景写真を撮る場合は、カメラが傾くと不自然な写真になるので、特別な意図を持って撮る場合を除き、普通はカメラを水平に保たなくてはなりません。
しかし、クローズアップ写真の場合は、カメラを水平に保つことは気にする必要はありません。それどころか、水平を気にせずに思う存分傾けて撮ることをお勧めしたいくらいです。カメラのファインダーを覗きながら最も良い構図を探すときに、邪魔なものをよけたり、ちょうどバランスよく被写体をおさめたりするために、自由にカメラを傾けるべきなのです。
例を示すとわかりやすいので、昨年UPしたこの紅葉の写真を見てください。
同じ被写体をカメラを傾けずに撮った写真がこちらです。
下の写真では、左上の黒い枝が目障りなので、これを画面から外すそうとしました。そのために三脚の位置とカメラの高さを少し変え、そしてカメラを右上がりの状態に傾けました。上の写真は、下の写真に写っている枝と同じくらいの角度にカメラを傾けて撮っています。そうすることによって黒い枝が写らずに、すっきりとした構図になりました。
それくらい傾けても、上の写真は決して不自然に見えるわけではなく、むしろ右上から左下への流れを感じて良いのではないかと思います。クローズアップ写真の場合には、このような工夫が可能です。
私は今まで風景よりもクローズアップ写真を撮ることが多かったので、水平についてはあまり気にすることがありませんでした。たまに風景を撮るときも、三脚を使って十分に注意すれば水平に撮ることくらい簡単だと思っていました。しかし、最近、多摩川で風景を撮ることが多くなり、水平に撮るのは意外と難しいということに今さらながら気づいたのです。ファインダーの中では水平に見えるように注意したのに、現像されたスライドを見ると傾いていることがときどきあります。
なぜ難しいのか、それは、実際には水平なものが、写真の画面の中でも水平になるとは限らないからです。例えばこの写真です。
このあたりはほとんど流れていなくて、水面は水平です。しかし、画面の左側と右側とで対岸までの距離が違うので、画面の中では右奥の水面の位置が左側よりも高くなります。それは分かっていても、いやむしろそれを意識し過ぎたせいか、ほんの少しですが右側が上がり過ぎている(カメラは右下がり)ような気がしないでもありません。このような写真でファインダーを覗きながらカメラを完全に水平にするのはなかなか難しいのです。
そういうわけで、カメラ上部のアクセサリーシューにとりつける水準器をヨドバシで買いました。ところが、家に帰ってカメラ(α7)に取り付けようとしても、できませんでした。買うべき水準器の種類を間違えたのかと思いました。
数日後、ヨドバシの水準器を売っているところに行って店員さんに聞いてみたところ、店員さんは
「ミノルタのα7なら取り付けられるはずです。でも念のため確認しましょう。」
と、ミノルタの売り場に聞いてくれました。そうしたところ、やはり水準器をそのまま取り付けることはできず、アダプタが必要ということでした。それは、ミノルタのこのページにあるフラッシュアダプターFS1100という製品で、本来は外付けのフラッシュを取り付けるためのものです。
これでようやく水準器を使えるようになったのですが、アダプタのせいで格好悪いことこの上ありません。その恥ずかしい後ろ姿をお見せしましょう。こんな姿では、滅多に使うことはできず、本当に必要なときだけ人に隠れてこっそりと取り付けることになりそうです(笑)。 三脚のクイックシューに水準器がついているのがありますので、そちらを買うべきだったと後悔しております。
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