思い出深い写真 2011年3月5日UP
過去に撮った写真にはどれも思い出がありますが、その中でも特に思い出深い写真があります。
1.向ヶ丘遊園の桜
2000年12月に引っ越したところの近くに向ヶ丘遊園という遊園地がありました。翌2001年の春に向ヶ丘遊園で撮った写真がこれです。
桜は満開・・・絶好
地面には水仙がたくさん咲いている・・・絶好
空は快晴・・・絶好
背景に人が写らないように気をつけた・・・OK
空の青さを強調するためにPLフィルターを使った・・・完璧
きれいな発色のベルビアというフィルムを使った・・・完璧!
三脚を使ったので手ぶれの心配なし・・・完璧!!
これで傑作が撮れたはずでした。現像されてきたフィルムを見てもきれいに写っていたので、HPにアップしました。しかし、何度も見ているうちに疑問も湧いてきました。空がこんなに青くて良いのでしょうか? 空が青すぎて、ちょっと不自然ではないでしょうか? 空を青くするための常套手段であるPLフィルターが、この場合は余計だったのかもしれません。実際の空がとても青かったのですから、PLフィルターは加減して使うか、そもそも使う必要はなかったのではないか・・・という疑問です。後日、HPから削除してしまいました。
もう一度撮り直すため翌2002年の桜が満開の頃に同じ場所に行ったのですが、残念ながら空があまり青くありませんでした。リベンジはならなかったのです。そのうえ向ヶ丘遊園は来園者が減少したために2002年で閉園してしまい、再挑戦することは永久に不可能となりました。あぁ・・・とっても残念です。写真というものは、その絶好の瞬間を逃してはならないのだということを、改めて痛感しました。
あのときまではベルビアというフィルムをよく使っていました。この写真もベルビアです。鮮やかでコントラストが高い描写が特徴で、ネイチャーフォトの分野では最もよく使われていたフィルムです。しかし、実際よりも鮮やかに写るので、これで本当によいのだろうかという疑問も感じていました。人間ならば、無理して自分を立派に見せても、いつかは化けの皮がはがれるものです。
私は使うフィルムを考え直し、その後はプロビアやトレビを常用とするようになりました。ベルビアに比べて実際の色に近い発色をするフィルムです。この写真は使うフィルムを変えるきっかけとなったのでした。
2.イチョウ並木
1998年12月、神宮外苑前のイチョウ並木に黄葉を撮りに行ってきました。人がいると撮れないので、早起きして朝6時過ぎに現場に着きました。当日は小雨が降っていたこともあり、ほとんど人がいなくてラッキーでした。傘がいるかいらないかぐらいの小雨で、無風状態だったので、撮影に支障がなかったこともラッキーでした。
現場に着いたとき、既に一人だけ先に三脚を立てて写真を撮っている人がいました。その人の後ろで撮れば私にとってその人がじゃまになり、前で撮れば私がその人のじゃまになります。そんなわけで、その人の横に並んで撮ることにしました。その写真がこれです。
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私自身はとても気に入っています。もう少し黄色く色づいていればもっとよかったかもしれませんが、贅沢は言えません。
前から後ろまで全体にピントが合うように、しっかりと絞り込んで撮影しました。早朝の薄暗い時間帯ですから、シャッタースピードが数秒と遅くなり、当然ながら三脚を使っています。構図的には、左下に並木の出口を配置し、望遠ズームを使って圧縮効果を狙ってみました。右下のベンチの位置にも気を使っています。
露出を変えて何枚か撮っていると、向こうから人が歩いてきます。どんなに朝早くであろうと、小雨が降ろうと、そこを歩く人はいるのです。歩くのは自由であり、私の個人的な都合で通行禁止にはできませんから、向こうからゆっくりと歩いてきて通り過ぎるのを待つしかありません。その人が通り過ぎようというときに別の人が歩いてきたりします。何枚か撮るだけでもずいぶんと時間がかかりました。
この場所の黄葉は、その後、さらに有名になりました。昼間の普通の時間帯に行くと、ものすごい人出に圧倒されます。早朝の時間帯でも、近年は当時より人が多いのではないかと推測します。
3.シロツメクサ
2000年6月、その頃よく撮影に行っていた砧公園でシロツメクサの写真を撮ろうとしていました。カメラを低い位置で構えるために芝生に腹這いになってファインダーを覗きながら、構図を工夫していました。ちなみに、地べたに腹這いになって撮影する人のことを「ジベタリアン」と呼びます(そう呼んでいるのは私だけかもしれませんが・・・)。
そのとき、数人の運動部員と思しき学生たちがカメラのファインダーの中を走って通り過ぎました。私は人の写真はあまり撮らないので、シャッターを押さずになんとなくやり過ごしました。
その直後、走る彼らを背景にぼかして入れたらおもしろいかもしれないとひらめきました。シロツメクサだけでは面白みがないので、ひとひねり必要だったのです。彼らがもう一度同じルートで走って来るのを待ったのですが、いつまでたっても来なかったので、あきらめました。結局、シロツメクサの写真は一枚も撮れませんでした。
一度はあきらめたものの、どうしても撮りたくなって、考えました。一週間後の同じ時刻に彼らはまた走ってくるのではないだろうかと考えたのです。
そんなわけで、ちょうど一週間後の同じ時刻の同じ場所には、ジベタリアンの私が再び腹這いになって待ちかまえていたのでした。手前のシロツメクサにピントを合わせ、露出をマニュアルで設定して準備を整えていたら、彼らは走ってきました。やってみるものですね。期待を裏切らない彼らに感謝です。
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こうして、一週間越しで狙いの写真が撮れたのです。当時はようやく撮れたことを喜んでいたのですが、今になってこの写真を見てみると、彼らのユニフォームが白っぽいので背景の白との組み合わせが問題ですね。その問題に気づいていたなら、さらに一週間後、3回目の挑戦をしていたことでしょう。もしも違う色のユニフォームを着てきたならOKですが、同じ白なら緑の樹木を背景にすべきと思います。
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