『松木渓谷から皇海山』

皇海山(松木沢、モミジ尾根)

2000年9月27日

参 加 者
荒川明英  人見冬吉  星野輝男


記録 人見冬吉

宇都宮を 4:50 出発、夜がしらしら明けてきたばかりである。はっきりしない雲行きで、途中フロントガラスに雨がぱらぱらかかり、心配な天気です。本日のメンバーはこのHPの主(星野さん)とトライアスリートの(荒川さん)それと今回一番体力に心配の残る私(人見)の三人で松木渓谷より皇海山を目指します。
この計画のお誘いを星野さんよりメールで受け、渓谷美の素晴らしい松木川を詰めるとあって早速OKしました。 情報によると車で足尾ダムより先のゲートまで入れるので十分日帰り可能との事、そこで1/25000地形図を引っ張り出し ルート検討したところ、足尾ダムより取り付きの枝沢まで、おおよそ8〜9kmあり、地図上で林道は、ダムより約3km位で切れている様子です。ゴーロ歩きが長いように見えます。水量によっては、徒渉が大変だろうと思い、またその先支流より枝尾根に取り付くのかなと勝手にルートを推測し取りつき点約、標高1250m、稜線は約1600m、さらに皇海山2143.6m、ダムサイトの標高は750m、実に、標高差約1490mである、自分にとっては、かなりハードなルートである、前日、星野さんがダム周辺まで下見に来て車が行けるのは、ダムの先松木渓谷分岐までとのこと、これはロングコースになるなと思いました!そこで、星野さんに出発時間を30分ほど早めてもらい 当日を迎えました。
 足尾ダムサイトに 5:30頃到着し、朝食を取りながら再生中の荒涼たる山肌を眺め、ここに設置してある登山カード投函ポストに持参した登山届を入れ車は松木渓谷分岐より渓谷方面に向かい『車はここまでか?いや先に進めそうだ!』ヘリポートまで入れました。 この先ゲートがあるので車はここに止め、後は林道歩きです。ダムの先まで車で稼げたので助かりました。
 身支度をし、ヘリポートを 6:05 に出発、いよいよ松木渓谷の美しくも険しい岩肌に見入りながら進みます。途中豪雨の際に大滝となって流れ落ちた土砂が道幅いっぱいに堆積していたり所々右壁は土砂の崩れが目に付きました。また途中の枝沢の滝が綺麗です。そうこうしているうちに4番堰堤が目にはいり、渓が、『くの字』にカーブし左壁よりのウメコバ沢出会いに到着、ヘリポートより約1時間。その先で林道歩きは終わりで、いよいよ沢歩きです。 林道の崩れをそのまま下り川原歩きになる 7:15。
 浅瀬を見つけて徒渉しながら少し進むと6番堰堤にたどりつく 堰堤の右側に梯子が付いているので容易に超えられる。 まだ 7:30 ここで一息入れ地図を確認、各枝沢出合いをチェックし、今回のルートとなっているニゴリ沢出合いを目指す。
 所々にペンキで道標あり 少し行くと右壁に三沢がありさらに進むと同じく右壁に小足沢、共に連瀑の続くゴルジュ帯(枝沢)は、とても美しい渓谷です。
 さらにゴーロ歩きと徒渉を繰り返し1時間10分で、左岸からの(上流から下流を見た呼び方)大ナラキ沢1100m地点に 8:30 に到着。さらに30分本流の目印を辿りながら右岸からの枝沢出合いを越え、目的のニゴリ沢出会い(左岸)に到着。 沢は名前のとうり白っぽく濁っているのですぐに分かります。9:00
 ニゴリ沢に入り10分ぐらい進むと左岸からの支流出合いがあり本流は左へカーブ、まもなく尾根への取りつき点(左岸)、目印を見逃さないように、この辺の目印は、オリエンテーリングのポストマーク、正方形が対角線に二分され赤と黄色に塗り分けられたマークが立ち木につけてあるので見落とさないように辿る、私たちは左岸の山岸を歩き見落としましたが、先に行過ぎると3〜4mの滝にあたります。そしたら直に戻りましょう5分と掛からずに目印があります。 9:15 ここで一息入れて靴を履き替えいよいよ小尾根への取りつきであす。
 9:25 出発、目印に沿って行くと踏み後があり急登の始まりです。登り始まって150mぐらいは斜度がきつくお二人について登るのは、息も絶え絶えでした。今日は風が冷たく曇天なのに大汗をかいていました。暑かったらきっとバテバテですね。
 この先傾斜がだんだん緩くなり、きれいな樹林帯(短い笹原の緑と、たわわに実をつけたナナカマドや閑散とした木々が明るい林を創っている)を行くと山葡萄の畑に出くわす。ふさを沢山つけていたので。ちょっと収穫には早いけれど少しいただきました。強烈に酸っぱくバテ気味の体には最高です。葡萄で疲れを癒しながら進むと開けた小尾根のピーク 1500m地点に着きます。遠望のきく気持ちの良いところです。 ここで左手にこれから目指す皇海山が大きくそびえたって見えます。『ため息が出ます!』 10:00 さらに15分ぐらい登ると国境平、 皇海山への稜線 1600m地点(表土が剥き肌で草木が無く風の通り道)に着き、気持ち良い冷たい風で一息つく。 10:15
 10:20 ここからが、この山行の核心部のような気がします。残り540mを一気に登ります。先ほどの小尾根と同じくお二人の後を喘ぎながらついていく始末。 時計の高度計を見ながら、まだ 1800mかもう見ないようにしよう!『辛いから』!心有る登山者は、現在地を知る意味で時々見て確認してください。深い樹林帯から抜け傾斜も少し緩くなり開けた稜線は風が冷たく少し強かったが、自分には心地よく息づいたようで、よし『頑張るぞ!』と思うと先ほどまで、熊よけの鈴の音が聞こえていたのが急に聞こえなくなり視界から二人の姿は消え、『そんな馬鹿なこれから頑張るというのに』と思いながら足を進めると、樹林帯最後の急登に掛かる所で待っていてくれました。
 最後の詰めであるここからの急登を少し登ると、見覚えのある雨量観測用の機材が上に見えた。『頂上直下だ!』と思い、最後の踏ん張りで皇海山頂上に 11:45 到着。
 頂上の周りに木々は、あるけど立ち枯れが多く開けていて見晴らしが良い今日は、風が強く冷たかったがここは、思いのほか風が当たらなく薄日も差し気持ちの良い陽だまりです。昼飯を美味しくいただきました。
 昼寝でもしたい気分だが帰路を考えるとのんびりとはしていられず下山にかかる。
 12:25 下山ルートも登りと同じコースを戻ります。頂上直下は、踏み後が見つけにくいので気をつけて! 急な下り坂を慎重に下ると少し下った頃から左膝の調子がおかしい!! 痛み出してきたのである。『これは大変だ次の休憩ポイントで手当てをしよう』と考えているうちに  1670m地点で休憩、『ほっと一息』です。 テーピングで膝間接を補強し、歩き出したら思ったより具合が良かった。
 1600m地点小尾根の分岐につき一息入れ 13:25に発ち、小尾根 1500ピークを過ぎると葡萄畑に着き、また疲れ取りに葡萄を摘み、食べながら下山、いよいよ急坂の下りである。小石が浮いていて落石を出さないように気を使う下りである。下りきると、ニゴリ沢にでる。
 14:15 ここでデポって置いた沢靴に履き替え 14:30 出発、途中の滝でシャワークライムの真似事など遊びながらの下りである。ゴーロ歩きというよりは、快適な川原あるきと浅瀬を見つけての徒渉の繰り返し 特に難しくはないが、天気の急変には注意、集中豪雨による増水と土石流等の流出、また天気が良くても、落石等の危険は十分考えられるので、慎重が上にも慎重に行動しよう。
 16:00 に第6堰堤に戻り、堰堤を超えればいよいよ林道に上がります。 靴を履き替え最後の休憩を取り林道を戻ります。 今朝車をとめたヘリポートには、 17:45ごろ到着しまた。 大変お疲れ様でした。
 星野さん荒川さんのお二人には、大変おせ話になりました。 また御一緒でき楽しい山遊びが出来ましたことに感謝申し上げます。

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