Japanese only



Disc One
1. Sound Chaser [12:06] 
2. To Be Over [09:40] 
3. Close To The Edge [19:48] 
Disc Two
1. The Gates Of Delirium [22:25] 
2. And You And I [10:14] 
3. Roundabout [08:22] 
The Boston Garden, USA 11 December 1974

Jon Anderson (vocals)
Steve Howe (guitars, vocals)
Chris Squire (bass, vocals)
Patrick Moraz (keyboards)
Alan White (drums)

1974年6月の RICK WAKEMAN 脱退後、YESはニュー・アルバムのリハーサルを7月から開始する。Refugeeから PATRICK MORAZ を強引に引き抜くのは8月のことだ。オハイオ州立大学から始まる北米ツアーが11月8日から始まっていることを考えるとアルバム『Relayer』はかなりの短期間で作成されたことになる。

この音源は12月5日のアルバム発売から6日後の12月11日ボストン公演のものだ。"キングス・ビスケット"というタイトルのラジオ放送用サウンドボード音源でアナログの時代から数多くのブートを生み出してきた。『AFFIRMERY』、『SOUNDCAHSER』、『RE-EVOLUTION』、『SIBERIAN KHATRU』などだ。音質は当然サウンドボードでバランスも上々。JON ANDERSON、CHRIS SQUIRE、STEVE HOWE の3声コーラスがはっきりと聞き取れる。STEVE HOWE の不安定なコーラスももろに聴こえて笑えてしまう。

どのブートも[disc2](2).と(3).の間に演奏されたはずの「Ritual」が収録されていないところを見ると放送時カットされていたのだろう。STEVE HOWE のギターがまるでハードロックのように歪んでいる。現在のナチュラルなギター音色からは想像できない。特に[disc1](3).では伸ばしに伸ばしたイントロで鬼気迫るギターソロを聴かせている。

新任の PATRIC MORAZ はまだバンドになじんでいないと見えて[disc1](2).や(3).でほかのメンバーとの呼吸が合わずにリズムをはずしている。オフィシャルヴィデオ『LIVE AT Q.P.R』でも一人だけ一拍ずれて弾いているシーンがちらほら見えるところを見るともともとリズム感がないのか、それとも YES をなめているのか。その辺の理由でクビになったのかもしれない。[disc2](3).での RICK WAKEMAN とは一味違うソロなどなかなかのもんだと思うのだが…

この日のセットリストはこのCDに収録された6曲に加えてクライマックスをかざる「Ritual」のみ。その後ツアーの目玉となるアコースティック・メドレーはまだ加えられていない。アンコールも[disc2](3).だけでさらっと終わっている。まだいろいろな曲をリハーサルしている余裕がなかったのかもしれない。この時期のツアーはHIGHLANDなどから数多くのブートがリリースされているがどれもオーディエンスなのでサウンドボードで聞けるこの音源は貴重なものだ。ぜひ「Ritual」を加えた完全収録音源を発掘してリリースしてもらいたい。