Japanese only



Disc One
1. Introduction [1:31] 
2. Perpetual Change [2:33] 
3. The Calling [6:38] 
4. I Am Waiting [7:52] 
5. Rhythm Of Love [6:37] 
6. Real Love [10:10] 
7. Changes [8:37] 
8. Heart Of The Sunrise [11:47] 
9. Owner Of A Lonely Heart [6:20] 
Disc Two
1. Jon Talk [0:40] 
2. Trevor Rabin Piano Introduction / And You And I [13:30] 
3. I've Seen All Good People [7:09] 
4. Walls [6:38] 
5. Enndless Dream [20:51] 
6. Love Will Find Away / Roundabout / Purple Haze [10:26] 
Budokan, Tokyo JAPAN 4 October 1994

Jon Anderson (vocals)
Trevor Rabin (guitars and vocals)
Chris Squire (bass and vocals)
Tony Kaye(Keyboards)
Alan White (drums)
Billy Sherwood (guitars, vocals)

『トーク』発表後、YESは北米、南米と回った後2年ぶり4度目の来日を果たす。この時の来日は高松を皮切りに小倉、東京、仙台、名古屋、広島とかなり広範囲をカバーした。大盛況だったユニオンツアーの二匹目のドジョウを狙ったのだろうが、客の入りはいまいちで武道館ですら空席の目立つさみしいライヴだった。

本作はその武道館初日をオーディエンス録音で収録したもの。冒頭のSEから終了のアナウンスまでまるごと収録されている。低ジェネレーションマスターの音は極めてクリアでベースのピッキングのニュアンスまで聴き取れる。ラビンが在籍したイエスの最後のツアーということでイエススタンダードにおける彼なりのアレンジの完成型を聴くことができる。

以前のツアーと違って[disc.1](7).のほとんどの部分でトレヴァー・ラビンのボーカルがフィーチャーされ、曲の途中までジョン・アンダーソンはステージにすらいない。[disc.1](8).のイントロでは他のツアーではけっして聴けない崩しまくったアレンジを聴ける。[disc1.](9).は「メイク・イット・イージー」なしにいきなりイントロが始まる。[disc2.](2).のイントロはなんとピアノ。それも弾いているのはトレヴァー・ラビンだ。[disc2.](5).のイントロのピアノもトレヴァー・ラビン。おいしいところをみんなもっていかれた本来のキーボーディストであるトニー・ケイはどんな気持ちで見ていたのだろう。もっともキーボードのテクニック的にもトレヴァー・ラビンの方が上だったようだ。アンコールの[disc2.](6).はショートヴァージョン。イントロでは「ラヴ・ウィル・ファインド・アウェイ」のリフが聴かれ、エンディングは「パープル・ヘイズ」につなげている。一部だがちゃんとジョン・アンダーソンが歌っているのがおもしろい。

以前からちょこちょこ行われてきたが、[disc1.](3).でのスタジオ演奏の分厚いコーラス、[disc2.](5).でのSEなどを再現するためにおおっぴらにテープが導入されている。やはりイエスはメンバーだけの演奏やコーラスで勝負してほしい。

演奏は全体的に雑な印象を受ける。特にベースの音がクリアな分クリス・スクワイアの手抜きが目立つ。トニー・ケイのキーボードもタイミングをはずすなど散漫な演奏だ。その後のメンバーの大変動を考えるとバンド内の軋轢が相当あったのかもしれない。ジャパンツアーのなかでもこの日が特に内容の悪い演奏だったらしい。ちなみにこのツアーは後に正式メンバーとして加入するビリー・シャーウッドがサポートメンバーとして参加している。また来日公演恒例のジョン・アンダーソンによる「童謡シリーズ」は今回は「おうまのおやこ」が採用されたが、覚えるのに苦労したと見えて最後の「ぽっくりぽっくりあるく」だけ。それも歌になっていない。