Japanese only



1. I Would Have Waited Forever [6:32] 
2. Shock to the System [5:09] 
3. Masquerade [2:18] 
4. Lift Me Up [6:30] 
5. Without Hope You Cannot Start the Day [5:18] 
6. Saving My Heart [4:42] 
7. Miracle of Life [7:30] 
8. Silent Talking [4:01] 
9. The More We Live - Let Go [4:34] 
10.Angkor Wat [5:24] 
11.Dangerous (Look in the Light of What You're Searching For) [3:39] 
12.Holding On [5:24] 
13.Evensong [0:52] 
14.Take the Water to the Mountain [3:10] 
Produced by Jonathan Elias
Associate Producer: Jon Anderson

 except:  "Masquerade" produced by Steve Howe
 "Lift Me Up" and "Saving My Heart" produced by Trevor Rabin
 "Miracle Of Life" produced by Trevor Rabin with Mark Mancina and Eddie Offord
 "The More We Live- Let Go" produced by Eddie Offord; co-produced by Billy Sherwood

Release date: 30 April 1991

Jon Anderson (vocals on 1,2,4,5,8,10,11,12,14,and 15)
Trevor Rabin (vocals on 4,6,7, and 9)
Rick Wakeman (keyboards on 1,2,5,8,10,11,12,14, and 15)
Tony Kaye (keyboards on 4,6,7, and 9)
Bill Bruford (drums on 1,2,5,8,10,11,12,13,14, and 15)
Alan White (drums on 4,6,7, and 9)
Steve Howe (guitars on 1,2,3,5,8,11,12,14, and 15)
Trevor Rabin (guitars and vocals on 4,6,7, and 9)
Chris Squire (bass on 4,6,7, and 9, vocals on 1,4,6,7, and 9)
Tony Levin (bass on 1,2,5,8,10,11,12,14, and 15)

まさに迷走する YES もしくは JON ANDERSON のノーテンキさ加減を象徴する作品。8人のメンバーが関わっているけど、8人そろった演奏は1曲も無いという珍妙なアルバムであります。ABWH,ABWH+CHRIS SQUIRE(Vo),90125YES,STEVE HOWE SOLOという4種類のメンバー構成の曲がいっしょくたに入っていれば散漫にならないわけがありません。


ことは ABWH がセカンドアルバム"DIALOG"を作成すべくスタジオに入ったところから始まります。

このメンバーでの曲作りに行き詰まった JON ANDERSON がこともあろうに TREVOR RABIN に曲の提供を依頼。「シングル曲が欲しいんだな」と解釈した TREVOR が自分の手持ちの曲で発表予定のない曲のテープを JON に送ります。

それが気に入った JON はそれならいっそのことあっちのメンバーでそれを録音して一緒くたに YES のアルバムとして発表して全員でツアーするのはどうかと提案。

この荒唐無稽とも言える提案にメンバー全員がこれもアリかな?と乗ってしまうところが YES ウィルスに冒されてると言えなくもないですな。

この仕掛け人の JON ANDERSON はかねてから歴代在籍メンバーを一同にあつめた"YES BIG BAND"構想を持っており、絶好のチャンスとばかりにこの8人どころか PATRICK MORAZ や PETER BANKS まで引っ張りだそうとしてメンバーの拒絶にあっています。

ところで、1983年の 90125 から1994年の TALK まで TREVOR RABIN が関わったアルバムのうち、このアルバムだけ1970年代から使われていた ROGER DEAN デザインの YES ロゴがジャケットに使われています。

これはなぜかというと、当時このロゴの使用権は STEVE HOWE が持っており、彼が関わったアルバムのみこのロゴを使うことが出来たというのがその理由です。

ANDERSON BRUFORD WAKEMAN HOWEの時はロゴの権利は持っていても、バンド名の権利を CHRIS SQUIRE が持っていたために YES というバンド名そのものを名乗れなかったというのも皮肉な話ですよね。

とにもかくにもファンにお馴染みのロゴとともに晴れて YES を名乗ることができた8人のイエスマンは、「80日間世界一周」という大仰なタイトルを付けられたツアーに出かけます。

旧メンバーと新メンバーが軋み続けるバンド内をよそに、この豪華なツアーは熱狂的なファンに迎えられ、2万人規模のアリーナをソールドアウトし続けました。

この時期日本でも4枚組ベストアルバムや8人のメンバーが YES の歴史を語るビデオが発売されるなど、一時的なプログレブームが起きます。すぐ下火になりましたが(^^;

昔の仲間と気楽に音楽を作れると期待して ABWH に参加した BILL BRUFORD はあれよあれよという間に変わっていくバンドの状況に「やばい!YES になっちまう」と危機感を抱いたとインタビューで語っています。それでも彼は前出のビデオでは YES に参加していた時代や曲が出来る過程を饒舌に語るなど大人の対応をしています。

彼はそんな複雑な心境をこんな名言で語っています。
シェークスピア俳優でも、たまにはハリウッド映画に出てみたいものさ。

彼は実際ビデオ収録された北米ツアー最終日のマウンテンビュー公演終了後、バンドからの離脱をメンバーに告げますが、まだ3月に日本公演を控えており、JON に「あと2週間くらい付き合えよ」と説得され渋々来日しました。
一時期日本で BILL 抜きの7人で来日するという報道があったのはこのゴタゴタのせいです。

来日時のインタビューもバンドの内情を如実に表す内容になっており、TREVOR RABIN はステージに自分以外のギタリストがいることにあからさまな嫌悪感を表しましたが、YES BIG BAND 構想が半ば実現した JON ANDERSON は上機嫌で今の状況を楽しくて仕方ない語っています。

こんなバンドの内情ながらも TREVOR と RICK はお互いリスペクトできる関係を築けたと見えて、ステージ上でも RICK のソロコーナーにギターで参加するなど仲いい所を見せています。

ツアーは当初の計画では演奏曲に関わったメンバーだけが演奏するということになっていたそうですが、いざステージに上がってみるとソロコーナー以外はほぼ全曲で全員が演奏に関わるということになってしまいました。

ただし、セットリストの中でも下記の曲だけは限定メンバーで演奏されました。

Long Distance Runaround JON STEVE RICK CHRIS BILL
The Fish TREVOR TONY CHRIS ALAN
Owner Of A Lonely Heart JON TREVOR RICK TONY CHRIS ALAN BILL
Close To The Edge JON STEVE RICK CHRIS ALAN BILL

全員が参加している曲でも Heart Of The Sunrise ではドラムをほとんど BILL に任せ、ALAN はパーカッション的な演奏に徹しています。
また、二人のギタリストがソロを順番に披露する Yours Is No Disgrace ではソロを行なっているギタリストの陣営のドラマーがリズムキープを行うなど、個性の異なる ALAN と BILL がぶつからないように調整している場面も見られました。

発売前に JON が考えていた曲順です。これをアリスタが勝手に変えて発売してしまったことに彼はすごく憤慨していたそうです。

5. Without Hope You Cannot Start the Day [5:18] 
6. Saving My Heart [4:42] 
2. Shock to the System [5:09] 
4. Lift Me Up [6:30] 
10.Angkor Wat [5:24] 
9. The More We Live - Let Go [4:34] 
8. Silent Talking [4:01] 
11.Dangerous (Look in the Light of What You're Searching For) [3:39] 
14.Take the Water to the Mountain [3:10] 
1. I Would Have Waited Forever [6:32] 
3. Masquerade [2:18] 
7. Miracle of Life [7:30] 
12.Holding On [5:24] 
13.Evensong [0:52]