今から5千年以上も前のナイル川の流域の古代エジプトでは、遊牧の狩猟民の小さな集まりから農耕への大きな集団になり、集落に変わって大小の都市が構築されました。農業を基盤とする巨大王国が出現して、ピラミッドが建造されたり、文明が発達したのです。
●そして、動物たちの中から選ばれて、牛、馬、犬、山羊、豚、羊などを飼い慣らすことが始められました。(家畜化)
●イエ猫は、人によって最後に飼い慣らされた動物であり、BC2000年(4000年前)には、完全に飼い慣らされていたようです。
狩りに役立った山猫
北アフリカの小型の野生猫(リビア山猫)は、8000年もの以前に狩猟する原住民に近づいて、今から約4500年前頃までには、リビア山猫から「イエ猫」に分化したと云われます。
草の中のリビア山猫
多くの学者は、この小さな野生の山猫 が 「イエ猫(原種)」の祖先だと伝えます。
最初に「リビア山猫」を飼い馴らしたのは、ナイル川上流に住む原住民で、 鳥や小動物を狩りするときに役立てたようです。(リビア山猫は、乳飲み子のときから育てると人に慣れると言われ、また、サバク猫も慣れやすいと云われます)
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体重は10〜18ボンドの軽量、「タウニー・ブラウンの毛色」がある。 |
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この猫たちは、夜行性で、数が少なく、乾いた草原に生息して、薄い縞模様がそこに隠れるのに適した毛色をして、遺伝的にはほとんど純粋種です。 |
なるほど、よく見ると野生のリビア山猫は、古いタイプのアビシニアンと見間違えるように、よく似ていますね。
狩猟の場(エジプト・メンナの墓のフレスコ画)
* 最古の猫の再現で、猫が狩猟することを描いています。
ネズミ、猫、鳥の図 |
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農耕を営み、作物を貯蔵するために「穀物倉」が作られると、ネズミの増加を増長することになりました。 |
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そして、ネズミ退治に現れた、野生猫、その後の半野生猫の出現は、農夫たちに歓迎されることになりました。 |
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上の絵の拡大図 |

古代エジプト貴族の家庭の風
農耕で栄えた古代エジプトでは、猫は紐でつながれたり、自由に放されたりしていましたが、猫は家族の一員として可愛がられていました。仔猫がファラオの奴隷と遊んでいる様子です。
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バテスト女神
フアラオの延長として象徴される。猫は、このような実用の面でも役に立ち、感謝の対象でもあった。猫の美しさを敬い、崇拝するエジプト人は、たくさんのブロンズの彫刻を残した。
女神バテスト(バスト)と子猫たち |
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セクシュアリティと豊作の結合とされる。 |
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猫に対しての崇拝は、このバテスト女神を奉る祭り(BC950年頃)で頂点に達した。 |
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この祭りは季節ごとに行なわれ、バテスト女神のある「エジプトのブパスティス」には、各地から70万人もが集まり、ワインを飲んで、音楽と狂乱の大騒ぎになりました。 |

「キャット・ブック・ポエム」
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左上/
黒猫
上中央/
バーミーズ猫
(当時はコツバーと呼ばれている)
右上/
コラット猫
左下/
シールポイントのシャム猫
下中央/
ブラック&ホワイトのパイカラー
右下/
シエーデットの猫 |
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タイの都市・アユダーで1350年に発見され、1767年に多くの部分を焼失した手書きの絵の残り。(バンコク博物館に所蔵されている)
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この古い時代のタイで、詩と猫の絵が描かれています。 |

コムコ・デ・バフォンによる「自然に閑した物語」
(ヒストリア・ナチュラル)の6番目の作品。
(1756年に描かれている) |
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18世紀、またはそれ以前の人々が猫に対して興味を持ち始めたことが描かれています。
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上に描かれた猫は、当時は野生の猫に思われていました。中央の猫はイエ猫のバイカラー。下の猫は、長毛のアンゴラで、19世紀に英国に伝わりました。
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19世紀のドイツの出版物
18世紀にアントイン・プレヴエストによって書かれた「ヒストリー・ジェネラル・デ・ヴォヤージ」(旅行記)
* この時代に知られていた珍しい猫たちを表わしています。
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一番上は、「シャム」として説明されるが、紛れもない「アピシニアン」で、このティツクド・ジーンを持つ猫がインドや東南アジアから来たことを証明する間違いであろうと思われます。
その下はペルシャ猫(蔚が短くなって、尾がやや長くなっている)
中央右・耳折れの猫は「スムクス」と呼ばれ、中国北京の猫として紹介される。(すなわち、スコティッシュが特別な変異としてスコットランドに現われたのでは無く、200年以上も昔に存在していたことが分かります)
中央左・自の長毛、ターキッシュ・アンゴラ、その下のテーブルには、シヤルトリユー、ブルーの毛色でフラシ天(ウール布)の毛質と説されています。
一番下は、サイプライス猫で、マッカレル・タピーのヨーロビアン・ショートヘア |
参考資料:BCBセミナー&ジョンミュラー |