植物とあなたの猫 Pert1   Part2へ Part3英語版へ 

(ロバート ウイーン ファンデーション・レポートより抜粋に基ずく)
Miki Ishimoto

植物の美しさは、どんなインテリアによりも家の中を飾ってくれますが、 あなたの猫にとっては、その植物の美しさも有害であるとしたらどうしますか?
ここでは、家族の一員である猫をそのような植物から守るためにリストアップしました。

あなたの家は、だいじょうぶですか?是非チェックしてみてください。
とくにユリ科の植物は猫にとっては有害です。植物のそれぞれの部分(樹皮、葉、および種、漿果、根本、塊茎、花粉、新芽)で毒性が高いものもあります。まず、動物は毒性の高い植物を食べようとはしませんが、もしあなたの家にリストにある植物があるのであれば猫の手の届かないところへ移動させ猫の安全を守りましょう。

もしあなたのネコがちょっとしたいたずらで有害な植物を食べてしまったら急いでかかりつけの獣医師に相談また診察に行くことをお勧めします。一大事になる前に猫にとって危険な植物は家の中に置かないようにしたいものです。


猫ひげの感想「毒をもって毒を制す」との言葉もあるように、花や草木が漢方薬や健康食品の元になることは知っていましたが、一般的に、毒を薬にするためには乾燥させたり、必要な成分だけを煮出したりするのですが、猫は単純に口にしますから、毒のあるものは毒として中毒症状を起こすのです。

いずれにしても、毒を持った美しい花や草木がこんなにも身近にあるとは驚きました。
毒のある植物の中でも、何と言っても「ユリ科」の植物がいけないようで、多くのユリの花類は勿論、チューリップ、タマネギ、すずらん、ヒヤシンス、アスパラガス、アロエ、などもユリ科なのにはビックリしました。(ユリ科は300種もあります)
それと、ツタ類(アイビー、ポトス)とか、イモなどのつる類もいけないですし、・・・
欧米でマッシュルームと一般的に言われるのは「食用のキノコ類」全体をさすようですから、キノコ類もダメッですね。
ナス科もダメッ・・・ナス、ジャガイモ、トマト、タバコなどですね。
アヤメ科は、アイリス系やクロッカス、とても種類が多いようです。
その他に気が付いたことは、花自身よりも、葉や茎、種や球根類がいけないようです。


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さて、多くの植物をリストアップしましたが、ここでいくつか中毒症状をあげてみました。
植物名 有害な部分 症状
アサガオ 嘔吐、吐き気、下痢
アマリリス 球根 嘔吐、下痢、よだれ、肝障害
アヤメ 根茎 嘔吐、吐き気、下痢、消化器障害
イチイ  種、葉、樹 筋力低下、嘔吐、虚脱、呼吸困難、突然死
人では、糖尿病の薬として、またエンピツの材料として、人の役に立っている植物ですが、猫には危険な存在のようです。
イヌサフラン 球根、根茎 嘔吐、吐き気、下痢、呼吸困難、まれに死亡
カラー 草液 口腔内炎症、よだれ、嘔吐
切花、鉢植えでも人気がある植物ですね。人からプレゼントされたときは「猫に有害だから」と断らずに猫のいるところに置かないようにしましょう。
キキョウ 嘔吐、吐き気、下痢、消化器障害、溶血

タマネギ中毒に似た症状が出ます、タマネギ同様十分に気をつけましょう。

キンポウゲ 全草 嘔吐、吐き気、下痢、血便、皮膚炎、幻覚
道端に咲く黄色のかわいい花ですが、こわいですね。猫が家の外へ自由に出入りする方、外には危険がいっぱいです!!室内飼育に心がけましょう。
クリスマスローズ 全草、根 嘔吐、吐き気、下痢、心臓麻痺、死亡
特に冬にお花屋さんで見かけます。バラ科のようですが、キンホウゲ科に属し非常に毒性も高い植物です。
ケシ 全草、草液 消化器障害、幻覚、興奮、神経麻痺、昏睡、

日本では自家栽培が禁止されている植物です。まさか、自宅で栽培している方はいないでしょう。

ゴクラクチョウカ 全草 嘔吐、吐き気、下痢、
カンムリヅルを思わせるような植物です。
スズラン 全草 嘔吐、吐き気、下痢、不整脈、心不全
ツタ 結膜炎、皮膚炎、嘔吐、吐き気、下痢、
トマト 葉、茎 結膜炎、皮膚炎、
ミニトマトなどの自家栽培にはご注意を….
ヒガンバナ 茎、根 皮膚炎、嘔吐、痙攣、死亡
赤い不思議な花、毒性が強いので注意!!
ヒヤシンス 鱗茎 皮膚炎
ホインセチア 茎、葉、樹液 皮膚炎、嘔吐、下痢、口腔内の灼熱感

参考文献:The Cat Fanciers Association (CFA)
            
CFA Health Committee
           General Inerest Cat Care Toxic Plant
 動物が出会う中毒  〜意外にたくさんある有毒植物〜(財)鳥取県動物臨床学研究所