|
とある国のとあるところに、一組の老夫婦がいました。二人はとても仲が良く、幸せに暮らしていましたが、悩みがひとつだけありました。それは子供がいないことです。二人は相談した末、魔法使いにお願いに行くことにしました。 魔法使いは事情を聞き、快く承諾してくれました。老夫婦にひとつの鉢植えを渡します。 「これは?」 「この鉢を大事に育てて、花を咲かせてごらん」 老夫婦は首をひねりながらも鉢を持ちかえり、大事に育てました。すると、やがて蕾がつき、膨らみはじめます。老夫婦は、どうして膨らんでいるのだろう、と不思議に思いつつ、それからも丁寧に愛情を込めて手入れを続けました。 そして、ついに花が開きます。それは美しい深紅の薔薇でした。驚くことに、その薔薇の中から美しい姫君が生まれ落ちたのです。琥珀色の瞳に亜麻色の髪。そして整った顔立ち。誰をも魅了する魅惑の笑みを浮かべ、姫君は立っていました。 その姫君はカミューと名付けられましたが、親指ほどの大きさしかなかったため、親指姫、と呼ばれるようになります。親指姫はそれはもう、したたかな性格でした。育ての親である老夫婦の前では猫を被りいい子を演じ、その美貌の虜になった鳥や蝶たちには愛想のいい笑みを浮かべ、言葉巧みにたぶらかし、愛情(貢物)を一身に受けながら毎日を楽しく過ごしていました。 そんなある日。親指姫の美貌に目をつけたヒキガエルが、隙をみて老夫婦の家から無理矢理、親指姫を連れ去ってしまいました。自分の息子の嫁にしようと思ったのです。 親指姫は見たこともない池のほとりに連れてこられ、逃げられないように池に浮いている蓮の葉の上に乗せられました。親指姫は辺りを見回し、顔を伏せるとかたかたと震え出してしまいます。ヒキガエルはそのか弱い姿に少し胸が痛みましたが、自慢の息子の嫁になるのですからきっと幸せになるはず、と思い、口を開きました。 「怖がることはないよ。息子が幸せにしてあげるからね」 「幸せ……?」 「そう。何も心配することは……」 ヒキガエルの慰めの言葉を遮るように親指姫は顔を上げました。その顔には、いつもの人当たりのいい笑みはどこへやら、池を一瞬で凍らせてしまうのではないか、というほどの冷たい笑みが浮かんでいます。 「こんな湿っぽいところで、おまえらみたいな醜い生き物と一緒に暮らして幸せだと? はっ、冗談も休み休み言ってほしいものだね」 言葉はまさに氷の刃となり、ヒキガエルの心臓を直撃しました。その瞳に浮かぶのはまぎれもない怒りです。震えていたのは怒りを堪えていたようでした。 「お、親指姫……?」 親指姫の豹変ぶりにヒキガエルは青ざめます。花畑で蝶や鳥と戯れる美しい姿を見初めて連れてきたというのに、自分はとんでもないミスをしたのでは、という思いに駆られました。……が、後悔先に立たずです。 「確かに財産はそこそこあるみたいだけどね。でも、どう考えても私の婿なんかになれるわけないだろう? おまえらみたいなのは泥にまみれた池の底か、じめっとした地面の下で生きていくのがお似合いだよ」 まあ、とりあえず誘拐された補償はしてもらうかな、と、親指姫は不敵な笑みを浮かべました。それを見たヒキガエルは、本能が、関わってはいけない人種だと警鐘を鳴らしているのに気付きました。がたがたと震え出すと慌てて池の中に飛び込み、逃げ出してしまいます。 「あっ、こら、待て!」 親指姫の制止に従うはずもありません。誰だって命は惜しいのです。親指姫はヒキガエルが逃げていったほうを見ていましたが、完全に姿が見えなくなるとひとつ息をつきました。ここは池の蓮の葉の上。このままではどこにも行くことができません。 「しょうがないか……」 親指姫は蓮の葉から身を乗り出して水面を覗き込みました。そこにはヒキガエルとのやりとりを一部始終を見ていた小さな魚たちが、心なしかびくびくしながら泳いでいます。 「ねえ」 親指姫は水面に向かってにっこりと笑いかけました。それは何も知らない者が見れば花が綻ぶような美しい笑みでしたが、正体を垣間見てしまった魚たちには恐ろしいもの以外の何者でもありません。小魚の群れがびくっと水面を揺らしました。 「私はこのとおり取り残されてしまって、ここから動けないんだ。助けてくれないかい?」 親指姫の言葉に魚たちは顔を見合わせました。助けろ、と言われても自分たちには手があるわけではありませんし、どうすることもできません。親指姫は魚たちのとまどった様子に彼らの考えを悟ると、チッと舌打ちをしました。 「ほら、蓮の茎を噛み千切って陸まで運ぶとかさ。いろいろあるだろう?」 噛み千切る。 魚相手に無茶を言います。ですが、親指姫の琥珀色の瞳に物騒な光が宿り出すと、魚たちは慌てて蓮の茎に食いつきました。魚の歯などあってないようなもの。物を噛み切るようにはできていないため、ほとんど役に立ちませんでしたが、それでも必死に食いついた結果、なんとか茎が折れるように切れました。それを全員で力を合わせて支え、陸に向かって泳ぎ出します。その上で親指姫は満足そうに笑んでました。その姿は姫、というより女王様です。 蓮の葉が陸に辿り着くと、親指姫は身軽に飛び降りました。 「ありがとう。君たちのことは忘れないよ」 見惚れるような笑みを浮かべて礼を言う親指姫を、小魚たちは、頼むから忘れてくれ、という思いを胸に見送りました。 「あの野郎……。今度会ったら燃やしてやる」 親指姫はぶつぶつと低い声で呟きながら歩いていました。先程の出来事を振り返るだけで腹が煮え繰り返る思いです。 ようやく陸に上がった親指姫がぽてぽてと歩いていたところ、突然現れたコガネムシに連れ去られ、見知らぬ土地に置き去りにされたのです。 そのコガネムシは昔、親指姫に求婚したことがありました。可憐な姿に一目惚れし、プレゼントを渡すたびに浮かべてくれる優しい笑みに夢中になったのです。しかし、それが仮の姿などとは知るはずもなく、勇気を振り絞ってプロポーズしたものの、それはもうこっぴどく振られたのでした。 池の周りを飛んでいたところ、偶然、親指姫を発見し、そのときの恨みを思いつくかぎりの悪口として投げつけたのですが、当然、倍返しの罵詈雑言をくらったのでした。コガネムシは泣きながら、悔し紛れに遠くに連れ去って、捨てていくのが精一杯だったのです。 「さて、どうしようかなぁ……」 親指姫は途方に暮れたように辺りを見回しました。老夫婦の家に帰りたくてもここがどこなのかさっぱりわかりません。あてもなく歩くよりほかありませんでした。 しかし、温室(囲われ)育ちの親指姫がひとりで生きていけるはずもなく、冬の寒い日に、とうとう行き倒れになってしまいました。雪に埋もれるようにして倒れていた親指姫を年老いた野ネズミが見つけ、巣に連れ帰ります。気がついた親指姫は感謝すると共に、おばあさんネズミに事情を話し、ここに住まわせてほしい、と願い出ました。すると、おばあさんネズミは春が来るまで家に居るといい、と言ってくれ、住ませてもらうかわりにこの家で働くことにします。 野ネズミの巣は暗くて狭く、生活は決して楽ではありませんでしたが、野ネズミおばあさんはいい人でしたし、春までの辛抱だ、と思えば耐えられました。そして、ようやく冬の終わりが近づいてきたある日、親指姫はおばあさんに話がある、と部屋に呼ばれます。 「何か用ですか?」 「親指姫や。おまえ、ずっとここに住む気はないかい?」 「え?」 「隣に住むモグラさんがおまえを嫁にほしいと言ってきてねぇ」 「は?」 「お金持ちだし、いい人だし、悪い話じゃないだろう?」 普段から世話になっているしねぇ、と、おばあさんは少しすまなそうに親指姫を見つめます。それは、世話になっているかわりに親指姫を差し出せ、と、言われているのだ、ということが親指姫にはわかりました。 中年モグラの嫁など冗談じゃない、とは思いつつ、恩あるおばあさんネズミを無下にすることもできず、親指姫は唇を噛んでうつむきます。 「おまえがモグラさんのところに行ってくれると、いろいろと助かるんだけど……」 独り言のように呟くおばあさんネズミに、親指姫はわかりました、と答えることしかできませんでした……。 春になったらモグラとの婚儀が行なわれます。親指姫は、こうなったら脂っこいものをたくさん食べさせて早死させて財産を1人占めしてやる、とか物騒なことを考えながら、陰々鬱々と毎日を過ごしていました。そんなある日、花嫁衣裳を合わせるから、とモグラの家に呼ばれます。その帰り道に、通路に何やら大きな黒い物体が落ちていました。道を塞いでいるそれを蹴っ飛ばしてやろうと近づいた親指姫はそれがツバメであることに気付きます。そのツバメはぴくりとも動かず、死んでいるようでした。 「死んでいるのか……」 ツバメは暖かいところに住む鳥です。冬が近づくと暖かい国へと飛び立っていくのに、このツバメは途中で力尽きてしまったのだろうか、と思いながら、親指姫はぐるりと回って顔のほうに近づきました。そして、ツバメの顔を見ると息を飲みます。 「か、可愛い……」 それは強烈な一目惚れでした。しかし、死んでいるのではどうすることもできません。親指姫は悲しくなって、目のあたりにキスをしました。すると、わずかに、ぴく、と動いたような気がします。 「生きてる?!」 親指姫は、慌ててツバメの胸に耳を押し当てました。すると、弱くはありますが、胸が鼓動を打っています。急いで家に帰ると、ありったけの枯れ草を持ってツバメの元に戻りました。そして、その枯れ草で毛布を作りツバメにかけてやります。親指姫は少しでも暖めようとツバメの身体のあちこちを撫ではじめました。 「……ん……っ……」 とある箇所を撫でたとき、ツバメから反応が返りました。 「あ、気がついた?」 親指姫の囁きにツバメがうっすらと瞳を開けます。黒曜石のような美しい瞳にカミューの胸が高鳴りました。 「そ、こ……ヘン……だ……」 おぼつかない口調で言うツバメに親指姫は目を細めると優しげな声で問いかけます。 「ん? ここ?」 さわさわ。 「ぁ……、んっ……」 くて。 ツバメは息を詰めると、力尽きたようにまた気を失ってしまいました。親指姫は「1箇所発見♪」と呟いてマッサージを再開します。……顔には獣が獲物を手に入れたような、舌なめずりせんばかりの笑みを浮かべて。 「自分で飲む……」 「だーめ」 「だ、だが……」 「ほら。お水ほしいんでしょ?」 んー、と近づいてきた顔にツバメは慌てて目を閉じました。嘴に柔らかい感触を感じたとたん、冷たい液体が咽喉に流れてきます。ツバメは恥ずかしそうにそれを嚥下しました。その様子を親指姫は嬉しそうに見つめています。 「おいしい?」 「あ、ああ……」 一度息を吹き返したツバメは親指姫の手厚い看護を受け、日に日に元気になっていきました。……少々、手厚すぎるのが悩みの種ですが。 水はいつもこの調子で口移しですし、身体を暖めてあげる、と全身をまさぐられると、確かに暖まるのですが、気持ちいい、というか、なにか身体の奥がムズムズするような、危うい感覚に陥ってしまいます。日に1回はやってくれるのですが、親切心でやっていることに、やめてくれ、とも言えず、ツバメはその湧き上がってくる感覚を押さえるのに必死でした。 ようやく春めいた日差しが降り注ぐようになったある日のことです。 「そろそろ飛べそうだな」 ツバメはバサッと翼を広げてみました。すっかり元気になり、体力も戻りつつあります。ツバメの呟きに親指姫はパッと顔を明るくしました。 「本当かい? それは良かった」 「ああ、カミューのおかげだ」 ツバメはようやくこの暗い巣穴から出られるのが嬉しいのか、どこかうきうきとした様子で礼を述べました。親指姫はシナリオが終幕に近づいてきていることを確信しつつ、用意してあったセリフを、しゅん、とした表情を作って口にします。 「じゃあ……もうすぐお別れだね……」 親指姫の言葉にツバメはハッとしたように目を見開くと寂しそうに頷きました。 「あ、ああ……そうだな……」 ツバメの反応に内心ガッツポーズをしながら親指姫はうつむいて、しばし躊躇したのち、思い切ったように顔を上げました。 「私を……連れていってくれないかい?」 「だめだ」 「へ?」 「ネズミおばあさんが悲しむだろう」 「ちょ、ちょっと待ってよ! モグラと結婚させられたら、一生暗い巣穴で暮らさなきゃいけないんだよ?」 「大恩あるネズミおばあさんを置いていくと言うのか?」 「え? い、いや、それは……その……」 弱いところを突かれて親指姫は思わず口篭もってしまいます。ここで「うん」と言ってもらうために同情を引こうと、自分のこれまでのいきさつを何度も話していたのが却って仇になったようです。義理堅いツバメはおばあさんネズミに同情してしまったのでした。 ツバメは「では、明日出発することにしよう」と言うと、寝床に向かいました。親指姫はしばし茫然とその後ろ姿を見送ってましたが、キッと顔を引き締めるとどこかに走って行きました。 「これ……餞別。食べ物を詰めておいたから、絶対持っていってね」 「ああ、すまない。ありがとう」 ツバメは親指姫に差し出された袋を受け取りました。その目は眠たそうです。寝ていたところを親指姫に起こされたのですから無理もありませんでした。 「俺……明日はちょっと用事があって、見送れないから……」 「そうか……」 親指姫のセリフにツバメは、しゅん、とうなだれてしまいます。連れていけない、とは言ったものの、献身的に世話をしてくれた親指姫のことが好きだったのです。明日会えないのなら、今が最後になってしまいます。 「いろいろとありがとう。本当に世話になった」 「うん……。寂しいけど元気でね……」 「ああ。親指姫も」 寂しい思いで親指姫を見つめると、親指姫もじっとツバメを見つめます。そっと親指姫が顔を寄せるとツバメは静かに目を閉じました。そうするのが自然のことのように思えたのです。 ふわり、と嘴にぬくもりが触れました。それは、看病してくれてる間、水を飲むために何度も行なった行為です。行為の意味はわかりませんでしたが、今日のは特別なことのように感じました。 目を開けると間近に琥珀色の瞳が自分を見つめています。 「名前、おしえて。 私はカミューだよ」 と、親指姫が言うと、ツバメは小声で名前を呼んでみました。不思議と胸に暖かいものが広がります。琥珀色の瞳に魅入られるようにツバメは自分の名を応えました。 「……マイクロトフだ」 「マイクロトフ……」 親指姫はツバメの名前を口にすると、背伸びをして耳元に想いのたけを込めて囁きました。 『好きだよ……』 ツバメは昨夜の親指姫の言葉を思い出して胸が締め付けられるような思いがしました。暗い巣穴から飛び立って、ようやく日差しが降り注ぐ外に出られたというのに、嬉しい気持ちより寂しい気持ちのほうが強かったのです。ネズミおばあさんに義理立てしてないで、一緒に連れてくればよかっただろうか、とまで思いました。 ツバメは大きな木の枝に止まると、はあ、とため息をつきました。そして、忘れ物をしたことに気付きます。 「しまった!」 それは、親指姫が心を込めて詰めてくれた食料が入った袋でした。外に出れば餌には困りませんが親指姫の心遣いを無駄にしたくありません。逡巡したのち、引き返すことにします。昨夜言ったとおり見送りに来なかった親指姫とひょっとしたら会えるかもしれない、という淡い期待を抱いてツバメは飛び立ちました。 巣穴に戻ると張り紙がしてありました。 『忘れ物はこちらで預かっています』 どうやらもう寄せられてしまったようです。ツバメはちょっと恥ずかしい、と思いつつその紙に書かれた矢印の方向に向かいました。すると、同じことを書いた張り紙があちこちに貼ってあり、その矢印に導かれるままツバメは奥へ奥へと進みます。そして、大きなドアの前に着きました。そこには『忘れ物はこの中にあります』と書かれています。ツバメはやっと辿り着いたかとほっとしつつ、そのドアを開けました。 ギイ…… 「マイクロトフ!!」 「え?」 大声で名前を呼ばれたと同時に何かが足にぶつかってきました。見ると、 「カ、カミュー?!」 それは花嫁衣裳を纏った親指姫でした。顔を上げればあっけにとられた顔をしたモグラたちと野ネズミがいます。モグラのうちの1匹は白いタキシードを着ていました。 「こ、これって……?」 「俺を攫いにきたんだね!」 「は?」 「しょうがないなぁ」 親指姫はいそいそとツバメの身体をよじ登りはじめます。そして、背中に乗っかると、 「結婚式の最中に攫いにくるなんてやるね」 と、にやり、と笑って首筋をさわさわ、と撫でました。ツバメはぞわり、と逆毛立つような感覚に震えます。 「は、花嫁が逃げるぞ……!」 1匹のモグラの叫びに唖然としていたモグラたちがハッと我に返りました。状況がわからず茫然としていたツバメに親指姫が囁きます。 「ほら、早く逃げないと捕まっちゃうよ?」 「え?」 見れば、モグラたちが慌ててこちらに走り寄ってきます。ツバメは反射的に逃げ出してしまいました。 「逃げたぞ!」 「捕まえろ!!」 場は一気に騒然となります。ツバメは親指姫を乗せたまま必死に逃げ惑い、どうにか外への脱出に成功しました。木の枝に止まり、ぜえぜえと息を荒げます。 「い、一体なにが……」 混乱するツバメに余所に、親指姫は久々の明るい世界に、うーん、と伸びをしました。 「ああ、やっぱり外はいいなぁ」 「カ、カミュー、これは……?」 ツバメが背中の親指姫のほうを振り返り、説明を求めるように問いかけます。すると、親指姫は悪戯っぽく笑って、ちょん、と嘴を突つきました。 「マイクロトフは花嫁泥棒をしたんだよ」 「はっ、花嫁泥棒?!」 目を白黒させるツバメにカミューは、ふふ、と笑って首に抱きつきます。 「まあ、攫われちゃったものはしょうがないよね。責任取って幸せにしてね♪」 「し、幸せ?!」 「マイクロトフと一緒ならどんなところでも幸せだよー!」 「ちょっ、ちょっとまっ……んーっっ」 ツバメは何かを言いかけましたが、それより早く親指姫の唇が嘴を塞いでしまいました。 こうして。親指姫とツバメは愛の逃避行に旅立ったのです。 一方、かわいそうなのは新郎となるはずだったモグラです。親指姫が、突然、式を早めたい、と言ってきて、喜び勇んで準備をしたのに、目の前でツバメに攫われてしまったのですから……。 「ねえ、マイク、これ飲んでみて?」 「え? あ、ああ……」 ごくごく。 ぼわわ〜〜ん。 「なっ、なんだ?! どうして人間の姿に?!!」 「成功、成功。さあ、これで対等に愛し合えるね!」 「た、対等? って、カミュー! どっ、どこを触って……うわあああああ!」 ……二人はいつまでも仲良く暮らしたそうです。 おしまい |