スーパーヒロイン大戦
ここでしか言えない、作者からの裏話
この度スーパーヒロイン大戦をプレイして頂き、誠にありがとうございます!
架空ゲームの攻略本企画からスタートしたヒロイン大戦も、
おかげ様で13作、30話近くまで製作することができました。
これもひとえに、皆様のおかげです。
本当にありがとうございます(^^)/
しかし、続き物は売上が下がっていくなど、様々な理由から、
今後ヒロイン大戦を続けていけるかは、不透明な状況となっております。
そのため、お客様(同人なので、一般参加者とも言いますが)にも、
現状を包み隠さずお話しておこうと思い、この度筆をとりました。
項目別に分けましたので、ご覧戴ければ幸いです。
お品書き
1 相次ぐプログラマー交代に関するお詫び
2 同人ゲームでは売上が出ない?
3 ヒロイン大戦は、スーファミ時代のスパロボがモデル?
4 1クールのレギュラーより、一回の伝説!?
1 相次ぐプログラマー交代に関するお詫び
まず、お客様にお詫びしなくてはならないのは、
品質保持やバグへの対処などについて、
有名同人ゲームサークルなどとは比較にならないほど、
(言葉が悪ければ)いい加減になってしまった事についてです。
根本の原因の一つは、私どもが同人ゲーム開発について、
全くの素人だった点です。
私どもは元々、成年漫画を描いている同人誌のサークルであったため、
ゲーム製作の知識やノウハウはなく、人の管理もした事がありませんでした。
vol1〜3を手がけた初代プログラマーも、プログラマーではなく
1ヒロイン大戦のファンの方が、SRC用のヒロイン大戦を作って下さり、
以後一緒に活動しておりましたが、現在は本職の営業系の職業に戻っております。
イラスト担当のお湯の香りの絵は、おかげ様でご好評を頂いておりますが、
結果(言葉は悪いですが)パッケージ詐欺のような印象を持たれた方もいらっしゃるかと思います。
謹んでお詫び申し上げます。
現在、一緒に活動をしているプログラマーは3代目で、
元々はシナリオ担当のみだった私(作者)も、やっと管理運営が正常に行えるだけの勉強を終え、
この度vol9〜第二章を発売した次第です。
とはいえ、デバックモードが一部残るなど、通常有り得ないような事態も起きています(><;)
詳しくは次の項目で書きますが、同じ同人ゲームサークルといっても、
質は天と地ほどの差があるということを、ご容赦願いたいと思います。
2 同人ゲームでは売上が出ない?
現在、同人ゲームという市場は、非常に質が高くなり、
商業ゲームと比べても遜色ない作品も、東方を中心に数多く発売されています。
この背景には、コンシューマーゲームの業界が
相次ぐ合併やスマートフォン、モバゲーなどの普及により、
優れたクリエイターが同人業界に多く流出している点があります。
彼らクリエイターは、商業級のゲームの製作ができますが、
今まではオリジナル作品だと売上が出ませんし、
パロディ(二次創作)だと版権元から訴えられ、発売禁止となるケースがあったため、
そこまで盛んではなかったのですが、
潤沢な顧客数と、版権的に問題が少ない東方projectのブームにより、
多くのゲームクリエイターが東方でゲームを製作し、
商業級のクオリティの作品を次々と作り上げています。
当然、お客様の目はそれを基準に肥えてしまうので、
素人集団の作ったヒロイン大戦で、満足頂けるはずもありません。
とはいえ彼らクリエイターは、何1000万という単位で
プログラムの開発や人件費などを使い、
10000本近い売上を出して、やっと元を取っているのが現状で、
これは同人ゲームの市場が、あまり高い値段をつけられないという、相場の問題があります。
(同人ゲームは高くても2000円程度しかつけられません)
一方で、ヒロイン大戦は一本の製作でプログラマーさんに20万弱お支払いし、
残りの売上を絵師とライターの私(作者)が分配している状況で、
売上も1000部に満たないケースがあります。
よって、「クオリティが低い(ボリュームが少ない)のに、値段が高め」
という印象を、お客様はお持ちかもしれません。
SRCは大昔のツールですし、なにより同封も不可という状況なので、
昨今の大手さんが出す東方のゲームに比べて、見劣りするのは当たり前ですし、
よく比較されて、苦笑いすることも多くなりました。
しかしながら、戦闘アニメなどを導入した新たなツールを作る場合、
最低でも500〜600万はかかる状況で、
これは一弱小同人作家が用意できる金額では到底ありません。
現に、新たなツールの製作は試みたのですが、
100万もの損失を出し、結果失敗に終わってしまいました。
素人集団には、優れた人脈もツテもありませんから、
残念な結果に終わってしまう可能性のほうが、極めて高いわけです。
3 ヒロイン大戦は、スーファミ時代のスパロボがモデル?
よくお客様から頂くお叱りの内容として、
・展開が熱血でない
・戦闘アニメがない
・原作を再現したエピソードが少ない
というものを頂きます。
参戦作品の傾向から、若いユーザーの方も多いと思うので、
これらについてご説明させて頂きます。
実は上記3点は、スーファミ時代のスパロボに多く当てはまる傾向で、
最近のスーパーロボット大戦で変わった要素なのです。
スパロボをやった事がある方はご存知かもしれませんが、
寺田さんという方がプロデューサーを始めた以前と以降で、
スパロボの内容は大きく変わりました。
寺田さんが初めて指揮を執ったのは、PSの新からで、
リュウセイ・ダテという主人公が登場したあたりです。
以後、αシリーズやZなどに続きます。
以後、寺田さんはスパロボ=熱血をキーワードにし、
技術と共に進化した戦闘アニメ重視の売り込みと、
豊富なロボット参戦で、キャラゲーの要素を濃くし、
原作を重視したエピソードにも力を入れている印象があります。
特にJAM PROJECTの起用が、スパロボ=熱血の印象を不動のものにしました。
私は、寺田さんについて、好きというわけでも嫌いというわけでもありません。
確かに、「古いアニメへのひいきがヒドイ」「オリジナル展開がクドい」など、
アンチ寺田と言われるの方の意見はとても納得できます。
しかし、ゲーム戦国時代の中で、寺田さんのやり方でなければ、
スパロボは続編が出ず、既に過去のゲームになっていたかもしれません。
弱いユニットでも活躍できる小隊システムやゲームバランスなど、
評価できる部分もたくさんあります。
しかし、私が初めてスパロボをプレイしたのは、スーファミの
第4次スーパーロボット大戦で、その後EX、第三次、第二次と遡り、
セガサターンのF完結編あたりで、一度追うのを止めており、
再開したのは第二次αからでした。
スーファミ時代のスパロボは、ザビ家のクローンが出てきたり、
ティターンズとドレイク軍が一緒に襲ってきて最終決戦したりとか、
マ・クベが偽のデューク・フリードを出してくるなど、
現在のスパロボと比べれば、原作重視ではなく、
「スーパーロボット大戦というオリジナルストーリー」をやっている感じでした。
スーパーロボット系も、マジンガー、ゲッター、コンバトラーVなどがいましたが、
今ほど熱血な展開はありませんでした。
戦闘アニメも、1ロボットの絵は通常一つで、
そこにライフルをつけたりサーベルをつけたり…といったレベルです。
あの当時と今で、私自身やスパロボ好きな友人も感じた事なのですが、
あの当時は、参戦ロボットがどれでも関係なく
「スーパーロボット大戦というゲームが好きだから」買っていたのですが、
今は完全に、参戦作品のメンツで選ぶようになっていました。
第二次Zも、私の場合はギアスとマクロスFが出るから買いましたし(笑)、
友人は、好きな参戦作品が原作終了時点からの参戦だったので、やる気が失せたとおっしゃっていました(^^;)
スーファミ時代からやっていた私達でもそう思うのですから、
αやZからスパロボを買った方が、戦闘アニメ、熱血展開、原作再現を求めるのは当然な流れだと思います。
しかし、ヒロイン大戦で寺田さんの方向性を追うのには、限界があるように私は感じています。
まず戦闘アニメの充実は、莫大な予算と人件費がかかるので、現実的な話ではありません。
戦闘セリフやカットインなどの点で、楽しんで頂けたらと思っております。
原作再現は、その原作が好きな人にとっては嬉しい展開なのですが、
その原作に興味がない人にとっては、ノルマ感が出てしまうと思っています。
第二次Zのように分岐式にして消化すれば、好きな作品のルートだけ…というのも可能ですが、
現状3話作るのにも予算的にいっぱいいっぱいな事から、それも難しいと思っています。
最後に熱血展開についてですが、これもやはり熱い演出には戦闘アニメが不可欠なのと、
やはり原作の再現が不可欠になってきます。
スパロボに求められているのは熱血ですが、各参戦作品に求められているのが熱血とは限らないため、
この点も難しいのが現状です。
なので、スーファミ時代のスパロボのように、自由に好き勝手コラボさせて、
「スーパーヒロイン大戦というオリジナルストーリー」
を楽しんで頂けたらと思います。
これは、次の項目でも書きます。
若い方には、古い作品をお薦めして、やり甲斐を感じないかもしれませんが、
スーファミ時代のスパロボをやってみると、ヒロイン大戦の現在のノリを理解しやすくなるかと思います。
4 1クールのレギュラーより、一回の伝説!?
これは、私の好きな江頭2:50さんの名言ですが(笑)、
私はスーパーヒロイン大戦を、目先の利益のためではなく、
伝説にしたいと思って作っております(笑)
まず、SRCという古いツールを使っている点に対し、
確かにフリーツールですから、よく強制終了も起きますし(泣)、SRC自体のバグも結構あります。
ですがこれは、現在のPS2とかではなく、スーファミかファミコンをやるような感覚でプレイして頂ければ、
さほどストレスを感じずにプレイできるかと思います。
また、戦闘アニメがないことを逆手にとり、明らかに戦闘向きでない作品(ハルヒ、らきすた、俺妹など)を入れられますし、
アニメを作るコストがかからないので、どんな脇のマニアックなキャラでも、戦闘要員としてユニットにできるのが気に入っています。
スパロボでも、非戦闘員にはなかなか愛着が湧きませんし、”声優 なし”と書かれていてガッカリした事もあります(笑)
現状、お金をかけて物が作れないので、その分工夫してSRCを活かしていこうというのが最近の考えです。
現在、参戦作品が30を超え、
「何話くらいで完結しそう?」
「これ以上増えたらヤバくないですか?」
というお客様からの声を聞きます。
本家スパロボは60話強で終わりますし、参戦作品も20強ほどです。
私も、こうした続き物にするよりは、2〜3作品くらいのコラボに抑え、
1作品で7話くらいで入って完結する、単発物を出した方が喜んで頂けるし、売れ行きも出るだろうな…とは思っています。
しかし、それでは同人ゲームが、商業ゲームを超えることはできません。
「同人だからこそ、好き放題やれる」
という利点は、どんな赤字になっても大事な点だと思うので、
目指すは参戦作品100!ストーリーは100話超え(笑)
とか目指してみたいです(笑)
やはり、好きな単発作品を選べるほうが、今のお客様のニーズにはあっていると思うのですが…
伝説を作りたいので、ごめんなさいm(_ _)m
「俺はついていくぜ!地の果てまでもな!!」
という熱血な想いで、ついてきて下されば感動モノです(滝汗)
最後にもう一つ、
私がスーパーヒロイン大戦で目指しているのは
「映画」のような感じです。
映画といっても、ハリウッド映画とかではなく、
「ドラえもん」の映画のような感じです。
普段のドラえもんは、ご存知の通りドラえもんと秘密道具の存在以外は日常を描いていますが、
映画となると、戦ったり、異世界にいったり、ジャイアンがいい奴だったりと、
普段とのギャップに興奮させられたのを覚えています。
クレヨンしんちゃんやケロロ軍曹などでも同様です。
スーパーヒロイン大戦とは、私の中で「ドラえもんの映画」のようなものだと思って製作しております。
様々なキャラクターが集まった夢の世界で、「もしも…」の連続が起こるコラボストーリー。
だから、原作ファンでも展開が読めないよう、オリジナルストーリーの色を濃くしています。
当然、設定的に矛盾点も出てきていますが、その辺はコラボの面白さを優先していますので、ある程度まではご容赦頂けたらと思います。
最後に。
「新しい作品ばかりではなく、懐かしい作品も入れてほしい」
というご要望をたくさん頂き、
今までは「同人の流行のジャンルじゃないと売れないのでは?」という懸念から
実現できずにおりましたが、
今後は赤字事業になるのが決定したので(苦笑)、
古い作品もバンバン参戦させていきたいと思っています!
(具体的には、次回作でスレイヤーズ、魔法騎士レイアース、少女革命ウテナを予定)
若い方には抵抗があるかもしれませんが、
温かい目で見守って下されば幸いです。
以上になります。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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