「危ないっ!」
   響き渡る金属音。
   「…これが、涼宮ハルヒのサーヴァント…」
   ハルヒが気がついた時には、
長門のナイフをセイバーが剣が防いでいる状況だった。
   「マスター!下がって!」
   「さ、さっきからマスターって…私の事!?
な、なにしてんのよ…?」
   セイバーは、長門を剣で押し返し、ハルヒを連れて外へ出た。
   「彼女は敵です。油断しないで下さい」
   「ハァ!?…なに言ってんのよ!
有希は友達よ!…SOS団の団員なのよ!?」
   ハルヒは、目の前の出来事が信じられない様子だったが、
セイバーはあくまで冷静に、現状を伝える。
   「貴女をそのナイフで殺そうとしました。理解して下さい、マスター」
   「理解するわけないでしょ!
有希…あんたも違うって言ってやりなさいよ!」
   しかし、宇宙人の少女は表情を変えないまま、冷たく言い放つ。
   「…世界は不自然な形で変革を迎えてしまった。
その変革の中で、我々は‘必要とされなかった’。
だから、涼宮ハルヒを殺害対象として認識している」
   「必要としてないって…?私は有希を必要としてるわよ!」
   長門は、無言で首を振る。
そして、ハルヒに容赦なくナイフを投げた。
セイバーが全て弾いたが、
長門の後ろには朝倉涼子や黄緑絵美里、
そして北高の制服を着た、見慣れぬ生徒達が。
   「マスター!お願いだから、下がって下さい!
敵の人数が多い!迂闊に動くとやられます!」
   「う…嘘…。冗談よね…?文化祭の出し物かなんか…?」
   「いい加減にして下さいっマスター!死にたいのですか!?」
   長門を必死に説得しようとするハルヒを庇いながらも、
セイバーは長門らと交戦。
しかし、数の前に圧倒されてしまう。
   「一体、彼女らは何者なのですか…?マスター、心当たりは…」
   しかし、ハルヒは目の前の出来事がまだ受け入れられない状態だった。
   「宇宙人よ」
   その時、どこからか聞きなれぬ声が。
   「私達も、あいにくそれ以上の事は知らないの。
ここで詳しく、知るつもりなの。その宇宙人達を締め上げてね?」
   突如として現れ、セイバーに加勢する、
看護婦に近い衣装を身に着けた少女と、
ブレザーを着た、兎の耳を生やした少女。
   「あらあら?負け犬の月の民が、今更何の用かしら?」
   朝倉が、軽々しく二人を挑発する。
   「片方は、幻想郷に逃げ伸びた、八意永琳(やごころえいりん)の
データと酷似します。戦闘力からしても、本人かと…」
   「…勝手に調べてくれちゃって」
   「かぐや姫を月へ帰さなかった張本人ね?
ちゃんと帰さないと、子供達が童話を信じなくなっちゃうわよ?うふふっ…」
   ハルヒやセイバーにとって、聞き慣れない会話。
どうやら、朝倉達が一方的に永琳という少女の事を知っているようだが。
   「二人とも、不要なデータの漏洩は避けるべき。
もし、八意永琳が本人ならば、不死の力を手に入れているはず…」
   「あら?知っているなら、潔くやられてくれないかしら?」
   「…どうでもいいけど、私のデータは無いわけね…」
   「…あなたは月から脱走した兎。幻想郷に逃げ延びた後は、
レイセン・ウドンゲイン・イナバ」
   「!…私の情報は漏洩してもいいわけ!?」
   軽口を叩きながらも、月あるいは幻想郷?と呼ばれる場所から来た
永琳と鈴仙は、長門達と互角の戦いを繰り広げる。
   「有希…!」
   「貴女の望んだ世界だから…。でも、殺せる可能性はゼロじゃない…」
   長門は時折、セイバーの隙すら突き、ハルヒに近づいてくる。
あくまで、ハルヒの抹殺を最優先しているようだ。
   「私達の任務は偵察。これ以上の被害は…」
   「そうね。いかにヒューマノイドでも、
不死身の化け物には一歩及ばないのかしら?」
   「…あんた達、人をバカにし過ぎよ?後悔したってもう遅いから」
   だが、そこへ…
   
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