「問題児の間桐慎二と涼宮ハルヒが揉め事…?やめなさい!」 
   風紀委員長の二木佳奈多。
トラブルを仲裁しようとするが、素直に聞く面々ではない。
   「丁度いいわ!この件であなた達を退学処分にしてあげる」
   大変な事に。
   「わふ〜!どうかしたのですか?」
   「いい所に来たわ、クドリャフカ。悪者退治よ。手伝っていきなさい?」
   「はっ!?わ…悪者退治ですか!?…わかったのです!
ぶらっどかーにばるにしてやるのですっ!」
   「…物騒よ、クドリャフカ。あと、そんな英訳ないから」
 「あわわ…!かーにばるじゃなくて、ふぇすてぃばるでしたか!?」
   頼りない助っ人である。
   「なになに?あたいも混ぜて〜!」
   佳奈多とクドはルームメイト。
しかし、最近はもう一匹?ルームメイトがいる。
氷の妖精、チルノだ。
   「チルノ。あいつらをカチンカチンにしてやって。たまには役立ちなさい?
貴女のせいで、最近私、ずっと冷え症なんだから…」
   生き倒れていたチルノを佳奈多が保護したのだが、
あまりに頭が悪いので、算数を教えているらしい。
   「さんすうの恩、ここで返すぞー!」
   意外と侮れない戦力になった!
   「リトバスの佳奈多か…。敵に回したくないタイプだなぁ。
チルノもバカだけど妖精の中じゃ強いし」
   「…あんた、なんでも知ってるのね…」
   凜はこなたの知識に素直に関心していたが、事態は悪化している。
よその世界とはいえ、速攻で退学になんてなりたくない。
   「くだらないケンカしてるのはアンタね…」
   そこへ、一人のブリタニア人の女が駆けつけ、慎二をコテンパンにしてしまう。
   「な、なんだよお前…!?なんで僕だけ…!」
   「…アンタには、もう正体明かしてもいいかな、と思って。
私が病弱だって判った途端、デカい態度。ずっとムカついてたのよね」
   どうやら、彼女は普段病弱を装っていたようだ。
もはや、元気そのものだが。
   「お前ら…次はないぞ!僕は本当に怒ったからな…!」
   慎二は捨て台詞を吐き去っていった。
   
   「あ、ありがとう…」
   「いえ…。ごほっごほっ…!滅相もありません…」
   彼女の名はカレン。また病弱なフリをして、帰っていった。
   「…あの容姿であの蹴りで、ムリがあるでしょ…」
   自分のしてた蹴りは棚に上げる凜だったが、とりあえずは丸く収まった。
   「しーゆーあげいん、なのです」
   風紀委員と愉快なルームメイト達も、特に何も聞かずに引きあげていった。
佳奈多はカレンを見るや、関わりたくなさそうに態度を変えたが…。
   
   疲れた凜は、ハルヒの案内でSOS団らしき部室へ。
こなたは、調べたい事があるらしく、一足早く下校した。
   「(私も帰りたいんだけど…。アーチャーの令呪が消えてるのが気になって仕方ないわ…)」
   ハルヒという面倒臭い人に関わりたくないというのもあったが、
凜も早く帰って聖杯戦争がどうなってしまったのか調べたい所だった。
   「(まさかマスター全員の召喚いないって事は、
セイバーも送還された?なら、私がセイバーを引き当てる事もできる…?)」
   凜は、聖杯戦争最強のサーヴァントであるセイバーを召喚しようとしたが、結局引き当てたのはアーチャーだった。
もし、リセットがかかったなら、早い者勝ちで今後こそセイバーを手駒に出来る!
   「それよ…!うんっ!いけるわっ!」
   つい興奮して声に出して喜んでしまった。
   「うそ…」
   目の前のハルヒの話を、適当にうなづいていた。
そのハルヒが、キョトンとした顔から、みるみる笑顔に。嫌な予感。
   「ほんと…!?あなた今‘うん’って言ったわよねっ!?」
   今度はこっちが、という具合にきょとんとしてうなづく凜。
   「うっしゃあっ!じゃあ、凜!今日からあなた、SOS団の団員ね!」
   「は…はぁ!?えぇ!ち、ちょっと待っ…!」
   どうやらSOS団の勧誘だったらしい。
とんでもなく電波な団体だとチラシの裏を思い出し、慌てて否定する、が。
   「もう、あなたがなんと言おうと新生SOS団の団員第一号には変わりないから♪
そうそう!私が団長だから、副団長をやって貰おうかしらね〜☆」
   「(やっちゃった…?やっちゃった、って奴?わ、私がSOSだん…?)
   こうして新生SOS団団員第一号、そして副団長の遠坂凜は誕生したのだった。
   「(と、とりあえずこの子を聖杯戦争に巻き込まないよう注意しないと…。)」
   凜の心配をよそに、‘団長’の腕章も鮮やかな団長ハルヒから、早速指令が。
   「今日は私、貴女のうちに泊まろうかしら?」
   「ハァっ!?」
   理由は‘歓迎パーティー’らしい。
   「(だったらなんで、自分んちじゃなく、人んちなのよ…?)」
   だが、団長命令は覆りそうにない。
困りながらも、遠坂邸では、魔術の存在がバレるかもしれないので、
凜は士郎の家、衛宮邸に案内する事にした。
   「(どうせ士郎、…死んじゃったんならいいわよね。使わせて貰うわ…)」
   
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