8月23日
裸でどうも落ち着かないまま、眠りにつく私。
けど…
「……」
「?…ん…」
誰かが私を跨いで、外へと出ていった。
こんな時間に何だろう…?
「気にしないで寝よ…」
……
……
だが、なんだか寝付けなくなってしまい…
「静香…起きてる?ニートのやつ…なんだろうね?」
「お腹減ったから、コンビニとかじゃない?」
「ううん。きっと、彩花のとこだよ?心配だなぁ…」
「心配?なんで?」
「あいつ…ただのニートじゃないんだよ?…気になる。
私、彩花の部屋見に行く!」
「ええっ!?…ま、待ってよ!私も行く!ただのニートじゃないって何っ?」
優衣菜と2人で、2階へ行く事にした。
裸のまま、外の廊下へ出るのは恥ずかしいけど…
2階の鍵だけ忘れずに持って。
すると…
「!」
「…やっぱり、そういう事しにきたのね、のぞみ?」
「口の聞き方に気をつけて…?貴女の母淫は既にマディソンの傀儡に過ぎない…。
私は、マディソンのアバターツー…冬木のぞみなのよ?」
「(ふ…冬木さんが…!じ、銃を彩花につきつけてる…!?
なんで!?あ、あの銃オモチャじゃないの…!?)」
「(やっぱり、のぞみはそういう目的でレズ萌え荘に来てたんだ…!
彩花のバカ。無防備過ぎだよ…?)」
「私はマディソン本人をレズ萌え荘に誘ったのに、まさか貴女が来るとはね…?」
「マディソンは忙しいの…。下俗な貴女の相手なんて、私程度で充分…」
「私は銃には怯えないわよ?マディソンは私を殺せない…。私を失ってまで、マディソンはガールズアースを進めようとは思わないはずよ?」
「私はマディソンじゃない…。私は貴女を撃てる…。それが世界のためならば…」
「(な…なんの話してるんだろ…?とにかく怖っ!あれ、本物なら銃刀法違反じゃん!)」
「(のぞみめぇ…。マディソンの操り人形のくせに!)」
「…解ったわ。何が望み?」
「マディソンの元で、共にガールズアースを目指す同志になって。
貴女には、アバターゼロの地位を与えるから…」
「…なるほど。もう私よりマディソンの方が偉いわけか」
「違う…。マディソンは貴女に指導者として返り咲いて欲しいと願っている…。
けど、私はマディソンこそが指導者にふさわしいと思う…。
貴女は、マディソンのそばで、ただお気に入りを演じていればいい…」
「なるほど…。低く見積もったのはマディソンじゃなく、貴女なわけね?」
「気安く貴女とか言わないで…俗物。死にたくなかったら、言う通りにして…?」
「やぁだ」
「じゃあ、死んで…」
「そんな事言うんなら…ほっ!」
「!?」
「う…うわぁぁぁ!」
「き…きゃああああっ!」
彩花が私の元へ移動してきて…
「この子を盾にしちゃうわよ?」
「ち…ちょっと!?無理無理!」
何考えてんだ、この人は!?
「くだらない…。1人殺すも2人殺すも一緒だし…」
「違うわね?貴女は、憎しみの力がないと引き金を引けないタイプよ。
憎しみも何もない彼女を巻き込むなんて、そんな見境ない事できないはずだわ…」
「そう…?」
……。
長い沈黙。
銃を向けられたまま…
永遠かと思うくらい、長い沈黙。
「…最低」
「銃を下ろして?貴女には似合わないわ…のぞみ」
「知った風な口聞かないで…」
去っていくのぞみ。
「…生きる目的なんて重苦しいもの、さっさと捨てちゃいなさい、のぞみ…?」
「…私はこの世界になんの希望も持てない。そんな世界で生きる目的を捨てて…する事なんてないから」
1階に帰っていったようだ。
「ごめんね?恐い思いさせちゃって」
「お…オシッコちびりそうだったぁぁ…!」
「それはない」
「まあ…物騒なもの持ってるけど、さっきも言った通り、私以外へ引き金はひけないと思うから、安心して友達になってあげて」
「なるか!」
「どういう事か、そもそも説明してよ!?」
「彩花…油断し過ぎだよ?彩花が死んだら母淫はどうなるの?私、教祖なんてやりたくないよ?」
「う〜ん…。まあ、今はなんとも言えないかな…?」
「なにそれ!?」
「聞きたかったら、のぞみの方に聞いてみなさい?きっと、喜んで話してくれるわ。貴女を同志にしたいでしょうから…」
そう言って、部屋から締め出されてしまった。
仕方なく、1階に戻ると…
「……」
「うわっ!」
さっきのがまだいたーっ!
「さっきは…悪かったわ」
「え…?」
「怖がらせてしまって…」
「こ…怖かったぁ!本気で怖かったぁ!」
謝られて気が緩んだのか、つい怖かったと連呼してしまう。
「お詫びに…」
「ひぃっ!」
まだ銃を持ってた!
しかも、私の裸につきつけてきた!
「今、彩花を見限り、私の同志になってくれたら、アバターファイブの地位を与えてもいいわ」
な、なんのことやら…
「なんの事だか知らないけど…さっきの流れを見る限り、私は初芝さん…彩花を見限れない!
銃つきつけられて、私だけ屈するなんてヤダよ!怖いけど…!」
「私にマディソンやのぞみの配下になれって言うの…?ふん!べぇぇぇぇぇぇだ!」
「そう…残念ね」
のぞみは、銃を私の胸あたりから下へ下ろし…あ、アソコに!?
「あぁっ!そ…そこは…!」
「罰として、世界一怖いSEXを味あわせてあげる…」
「あぁん!なんでこんな目にぃ…!」
「許して!ねぇ…許して!」
全裸で四つん這い。仲良く尻を突き出す私達の女性器に、のぞみは交互に銃をつきつけ…
「嫌ぁぁぁぁぁ!許してぇ!ひぁ…!冷たい!」
挿入てくる!
「銃口が花びらに刺さって、気持ちいい…?」
「や…やぁだぁ!怖い…怖い!」
「女は、死ぬと解った時、いっぱい愛液を出すんだって…。子孫を残そうって、体が反応するみたい…」
た、確かに…いつもよりいっぱい…愛液が出てるかも…
「あんっ!凄いぃ!女性器に銃つきつけられて、私…興奮してるんだ…。最低…」
「し…死んじゃう前に静香、キスしよ…?」
「んぅ…っ…」
「ちゅ…っ…」
どさくさにまぎれてキスされる。
「こ…こんな格好で、最期はSEXして死ぬなんて…やぁだぁぁ…!」
「…死ぬ前にイッたら?2人とも…もうぐしょぐしょ…」
「静香!一緒にイこ…?あぁん…静香…愛ちてるぅ!優衣菜イクイク…!イッちゃぅぅぅぅぅ!」
「ゆ…優衣菜ちゃん!わ…私も…愛してる…!あはぁん!イキそぉ…!イク…!イックゥゥゥゥゥゥゥゥ!」
果てた。
「ハァ…ハァ…」
「静香ぁ…私の静香ぁ…」
「…また勧誘してあげるから。じゃあ、おやすみ…」
のぞみは去っていった。
「も…もうやだぁ!超怖かったぁ…」
「のぞみ…。なんで銃なんか…。何者?」
「のぞみは、母淫のタカ派、マディソン・テーラーの片腕なんだよ?」
「タカ派?」
「過激な人達の事。マディソンは私と同じ、母淫設立当初からのメンバーで、彩花からの信頼も厚い人だったの」
「ふぅん…。でも、なんでそれが彩花を見限るとか言ってたの…?」
「それは…」
「私が答える」
「わっ!また出たぁ!」
「なにしに来たのよ…ニート女!」
「歯を磨きに…」
「普通だな」
「マディソンと彩花は、ガールズアースという計画の是非で上手く言っていない。
ガールズアースは元々、彩花が同志を集めるためにうたっていた確約だったけど…途中で彩花は反対にまわったの。
…で、ガールズアースに惹かれたマディソンや私は取り残され、仕方なく独自の組織を作った」
「ふぅん…。それだけ聞くと、なんか彩花が悪いみたいだね?」
「騙されちゃダメだよ、静香。ガールズアースの計画は…とんでもないものなんだから…」
「…優衣菜だって、母淫設立当初は賛成だったじゃない…?」
「あれは…まだ私が善悪の区別がつかない子供だったから!今なら絶対に反対!」
「その…ガールズアースっていうのはなんなの?」
「…今日はもう眠いわ…。明後日、マディソンが来るから、その時説明する」
「は〜い…」
「世界に平和をもたらすために…最善な方法よ。貴女もきっと…同志になってくれるわ…」
と言って、のぞみは歯を磨きに行ってしまった。
…っていうか、台所で磨くんなら、私達んとこ寄る必要なかったのに…
「…いいよ。もう寝よ?くっだらない…。私、育ちざかりなんだから、寝不足やぁだ…」
「う、うん…」
何か釈然としないまま、私は再び眠りについた。
ガールズアースってなんなんだろ…?
のぞみは…悪人なの?
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