8月20日
そんな訳で、とりあえずレズ萌え荘での生活が始まりました。
「このテレビ古〜い!いつの?」
「よく地デジに対応できたもんだ」
「レズ萌え荘の影のテーマは、当たり前のものがない生活なの。2人とも、携帯は使っちゃダメよ?」
「えぇ〜!困る〜!」
「私はそんなに使ってないけど…親とかとは連絡とりたいな」
「いえ電使いなさい?」
「うわっ!古!なにこれ?どうやるの?」
「ガチャガチャって、一つずつ回すんだよ、確か…」
「不便…」
「お!ラジオがあるじゃん!私、これもーらいっ!」
「あら。秋津さんはラジオが好きなの?」
「うん。私の部屋、テレビなかったからさ。ラジオが相棒だった」
「パソコンでテレビって見れるのに…」
「パソコンもないよ!うち、お父さんの部屋にすらなかったもん…」
「だっさ〜い」
「お前が恵まれ過ぎなんだよ!クソガキ!」
「痛ぁっ!ぶったぁ〜」
「とにかく、私は優衣菜とチャンネル争いする気はないよ!家の二の舞はごめんだ」
「でも、テレビもラジオもつけるとうるさいかもね…。部屋、狭いから」
「じゃあ私、ベランダで聞く」
「い、いいの!?近所迷惑じゃない?」
「この団地は私達以外誰も住んでないけど…夜だから音は響くかもね?」
「ボリューム下げて、耳澄まして聴くよ〜?どうせクーラーないんじゃ、中も外も変わりないし。寝そべって聞こうーっと」
「汚いわよ…」
「どうせクーラーないんじゃ、中も外も変わりないじゃん。その板んとこで寝そべって聞こうーっと」
「おじさんみたいね…」
「静香…優しいなぁ。同じ部屋に住むんだから、もっとモメると思ってたのに…」
「子供相手にワガママ言ってもしょうがないからね?全部譲るよ」
「私…ワガママかな…?」
「違う違う。ていうか、子供はワガママでいいの!
大人になったらワガママなんて出来ないし、大人なのにワガママな奴は最低だって、よくうちの母さんがボヤいてたから」
「静香…」
「…惚れたでしょ、優衣菜?顔に出てるわ」
「え…?ち、違うもん…!」
「いつも、子供扱いされると怒るじゃない?どうして今のは怒らなかったの?」
「わ…わかんない…」
「いくら小っちゃくても、優衣菜も女ね?優しくされると弱いなんて。耳たぶ真っ赤よ?」
「う…うるさいっ!彩花のバカ!」
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