(9月27日)
「あ〜ぁ…私一人か…。早く来すぎたかな。彩花や和奏までいないなんて…。レズ萌え荘に私だけって、初めてじゃないかな?」
ピンポン
「げっ…人来ちゃった。また服着なきゃダメかなぁ…。は〜い…」
「秋津さん?私、白庭クリニックの…」
「あ、どうもどうも〜こないだは。じゃ、裸でいいや。こんばんは〜」
「おっ!やっぱ裸なのね…?ふむ…極めて健康的」
「見ただけで解るんですか?」
「ちょっとだけね。とりあえず健康優良児って感じ」
「ま、どうぞどうぞ。どうせ誰もいないんで〜」
「じゃ、私も裸になった方がいいわね」
「あ、ここに置いて下さい。床だと汚れちゃうから…」
「今日は、魔法の薬を持ってきてあげたの」
「魔法の薬?」
「私が作ったの」
「すご〜い!」
「これ…。鬼百合・戒って言うの」
「あ…!それ…」
「やっぱり彩花さまが問題視してた?」
「そう…ですね…」
「単なる精力増強剤の域をはるかに超えた、鬼百合・戒…。その強さは、何度か飲ませればレズじゃない人をレズにできる…」
「彩花は、人の人生を薬で無理やり変えてしまうなんて恐ろしい、って言ってました」
「ええ。でも、この薬は私達レズにとって悲願なのよ?だから、膨大な研究費も頂けたし…」
「なんで悲願なんですか?」
「一つは、この薬が広まれば、レズはもう世間において少数派じゃなくなるわ。
そうすれば、不自由な思いはほとんどなくなるし、例えば社会に影響力がある女性一人をレズにするだけでも、
私達は相当やれる事が広がるし、利益も得られる」
「少数派じゃなくなる…か」
「普通の人は、レズの気持ちなんて解らないし、興味もないでしょ?だから、無視されてきたわ。だけど、自分がレズになったらもう無視はできない…」
「言ってる事は解りますけど…。確かにみんな関心ないから辛いんだっていうのは、私も経験あるし…」
「でしょ?そしてもう一つはね…?レズだったら誰でも一度はした事ある、失恋…」
「ないよ、私」
「え…?うそっ?」
「だって私の初恋は、兄貴の部屋のエロ本に出てた先生だもん。今でも別れてないよ」
「あ…秋津さんはそうかもしれないけど…!母淫で前やったアンケートでは、80%以上の人が失恋を経験してるわ。レズだから」
「レズだから失恋?なんで?」
「相手がレズじゃないからよ?」
「…あ、そっか」
「レズじゃない普通の女の子に告白して、成功した確率…わずか3%ってデータがあるわ」
「確かに、レズじゃない子に女の私と付き合ってくれ!って言ったって無理があるよね…。私もレズになる前なら無理って言ってたと思う」
「そう。だから、レズの私達は今までずっと悔しく思いをしてきたわ。だって、自分がどうこうの前にまず性別が理由で交際を断られてるんだもの」
「…恋するって大変だね」
「だから、簡単に恋人ができる男女に嫉妬したりして、昔は暗い人が多かったのよ、レズって。そこは母淫が変えてくれたんだけどね」
「なるほどなぁ…」
「だけど、そんな辛い思いも今日で終わりよ。鬼百合・戒を好きな相手に飲ませれば、その子はレズになってしまうわ。そうすれば…もうこんな悔しい失恋をする事はないのよ!」
「で、でも…!飲まされた相手は…人生変わっちゃうじゃん!」
「いいじゃない?私達レズは母淫のおかげで、ほとんど不自由なく幸せに暮らしていけるわ。薬でレズにされても…それもまた運命なのよ」
「でも、自分勝手な気がするなぁ…」
「ちなみに、秋津さんは鬼百合・戒によってレズにされてしまった人と、もう逢っているのよ?」
「えっ!誰…!?」
「私とか」
「真名香さん、そうなの…!?あんなにレズについて熱く語っていたのに…!」
「私は、当時親の知り合いだった亜希子先生がレズだって聞いて、お金欲しさで援交したの。だから、レズじゃないわ」
「え…援交!?ヤンチャだったんですね…」
「毎日SEXして、ガールズラブって媚薬も飲まされるから、段々先生じゃないとダメな体になっていって…。
医者の先生についていけば一生安泰かな…と思って、今でも愛人やっているの」
「レズで援交って初めて聞きました…」
「私は、作った薬の効果をまず自分で試すから、鬼百合や鬼百合・戒の開発で、完全なレズになっちゃったわね。で、香織や明日奈も実はレズじゃないの。知ってた?」
「えぇっ!?香織さんと明日奈さん…!すっごいラブラブに見えたのに…」
「香織と私は腐れ縁でね…?まず香織が、私が渡した鬼百合を自分で飲んだの。初代とはいえ試作品だから、効果は相当あったのに」
「なんで飲んじゃったんですか…?」
「香織って昔は、すっごいプライド高くて高飛車なヤな女だったんだけど、幼なじみの明日奈の純粋で天然な所に惹かれてて、
明日奈に対する自分の気持ちがなんなのか解らなくて、鬼百合を飲んでしまったのよ。薬で答えを作ってしまったの…。レズという答えを」
「どう…なったんですか?」
「毎晩のように、私んちにSEXしに来てたわ。女なら誰でもいいってくらいに欲情してた。私、当時香織嫌いだったから、いい気味で…」
「性格悪いなぁ」
「今は好きよ?で、香織はとうとう明日奈に鬼百合を飲ませてしまうの。紅茶に混ぜて…1ヶ月間も」
「そ、そんなに入れて大丈夫なんですか…?」
「普通、4〜5回も飲ませれば充分だったんだけど…。おかげで、明日奈はずっと我慢してたみたいで、ある日爆発して香織を夜這いしたの。それはもう、凄い性欲だったらしいわ」
「ほへぇ…」
「あの時、大学生だったけど、香織と明日奈、5日間くらい休んでたもの。ずっとSEXしてたみたい」
「あの明日奈さんが…。エッチとは無縁そうなのに…」
「明日奈は相当エッチよ。医院内でも香織とSEXしてるの何度も見かけるし、香織と同棲してるから夜とかそれはもう…」
「エロ〜い」
「ローラ・リシャールって知らない?あの四六時中エロいお嬢様」
「いや、初めて聞きました…」
「そのローラが、エロいって認めるくらいエロいからね、明日奈は。あの24時間エロの事考えてるローラが言うんだから、絶対ヤバい」
「へぇ〜…。あ、麦茶おかわりいります?」
「あ…ありがとう。でも、もうおいとまするから大丈夫よ?」
「えっ?じゃあ、誰かに用があるんじゃなかったの?」
「私は幸せを届けにきたの。相手は、母淫の人なら誰でもいいわ。秋津さん…失恋経験ないって言ってたけど、せっかくだからあげるわ。鬼百合・戒」
「い…いらないって!」
「今はよくても、将来好きになる人がレズじゃないかもしれないでしょ?使いたくなければ使わなきゃいいんだから、ね?持ってて」
「は…は〜い」
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