(9月25日)
「痛いよぉ〜!畳で擦りむくなんてぇ…」
「全裸だから、怪我しやすいのはしょうがないよねー?富山の薬富山の薬〜」
「レズ萌え荘はほんと昭和だなぁ…。それって、使った分だけ払うんだっけ?」
「そっ。ええと…マキロンみたいなのあるかな…?」
「マキロンやだぁぁ!染みるぅ!」
「我慢しなさい!…あれ?なんだろこれ?」
「ん…?」
「まぁいいや。とりあえず一緒に…ひょい!」
「騒がしいわね。どうかした?」
「優衣菜が膝擦りむいちゃったの」
「あらあら。ちゃんと薬で消毒しときましょ?」
「バンソコだけでいいじゃーん!大人なんて嫌〜い」
「はいはい。嫌いでいいから…。はい、染みるよー?」
「はぅ…うぅぅ…」
「泣きそうな顔して…。いつもこんな顔なら可愛いのになぁ…」
「それ、どういう意味!?」
「よし!あとはバンソコ貼っておしまいっと」
「あら…?その薬?ガールズラブじゃない?」
「ああそれ。聞こうと思ったんだ。さっき、薬箱の横で見つけて気になったの」
「げっ…!静香、それに食いついたの…?」
「優衣菜、知ってるの?」
「媚薬だよ」
「媚薬!?」
「ガールズラブは、母淫が開発、販売してる媚薬よ」
「媚薬って…エッチの前に飲むと、エロくなれる薬か。バイアグラみたいな」
「ええ。バイアグラの女版ね。けど、ガールズラブが画期的なのは、女に対しての性欲が増すよう作られているの」
「まさにレズのための媚薬!」
「なんでガールズラブって名前にしたんだっけ?」
「ああ…。なんだっけ?」
「あんたがつけたんでしょ?真名香はもっとオシャレな名前にしたいって言ってたのに、意味が一発で伝わるからって」
「あ、お姉ちゃん。お帰りー」
「真名香って誰?」
「井荻真名香は…私の高校時代の友達で、ガールズラブを作った薬剤師よ」
「こないだ、優衣菜が具合悪くなった時に行ったお医者さんがあったでしょ?あそこの受付してた子」
「あぁ…。そういえば優が話しこんでたっけ…」
「……」
「どうしたの?難しい顔して?」
「その真名香さんがねぇ…秘密裏に作ってる新たな媚薬の事が気になってね…?」
「鬼百合のこと?」
「鬼百合が出回ってるだけでも問題だけど、それの戒(かい)っていうのの話が耳に入ってね…」
「先生!よく解りません!わかりやすく教えて!」
「池上彰さん、お願いします」
「私!?彩花でしょ?」
「いい質問ですね」
「まだなにも質問していません!」
「みんな、てきとー過ぎ」
「鬼百合っていうのは、ガールズラブとは別の媚薬よ?同じく真名香が開発したんだけど、販売はしていないわ」
「結果的に、信者の間で密かにやりとりされてしまっているの」
「ヤバい薬なの?」
「そうね…。ガールズラブと違って、鬼百合は中毒性がとても高いの。常用してると、レズじゃない人がレズになっちゃったりするわ…」
「すご〜い…」
「いいじゃん?レズの仲間が増えるんだったら。悪い副作用とかあるの?」
「ない…けど。ただ、強烈な快楽の虜になって、私は使用者の人格に影響を及ぼすと考えているわ。
「ふ〜ん…」
「鬼百合の常用者は、冷静な判断力を失う。つまりは薬欲しさに、指導者の意のままに操られるという事よ?その組織図は…将来、戦争さえ生み兼ねないと私は考えているわ」
「戦争!?そ、そんな大げさな…。使おうと思ったけどやーめた!」
「使う気だったんかい!」
「ガールズラブは、販売もしてる媚薬だから平気よ?ただ、鬼百合は…万が一手に入る事があっても、絶対に使わないでね?」
「別に媚薬なんか使わなくたって、私達は毎日楽しくエッチしてるじゃない?エッチで大切なのは、相手を愛する気持ちと、一緒に楽しくなる事よ?究極の快楽を安易に得る事じゃないわ」
「は〜い」
「ゆいな、難しい話聞いたから疲れちゃったー!」
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