(8月4日)
Utakoだけど?
私とかってー、冬華んとこと違って、親超やべぇじゃん?
娘が強姦されたっつってんのに、信じてくんねーとかさ…マジありえなくね?
ほんと、殺されかけてっから、私!オッサンに!
なのに、私をウソつきって目で見てさ…
チャラチャラした格好してんのが悪い、的な…
もう超ありえないよね?
ギャルにだって人権あんべ?
よくわかんねーけど。
で、マジ凹むじゃん?
でも、リスカとかちげーと思ってたし、男子と遊んだり、彼氏作ったりすんのも、ちょっと信じらんなかったーつぅか。


(昔)
そん時に、聖子さんいんじゃん?
当時からババアって呼んでたけど!
ババアと一緒にカラオケ行ったわけ。
オールしよっつって。
そしたら、あん人私んちの親にちょっと歳ちけーじゃん?
話しちゃってさ…強姦のこと。
「Utakoちゃん…」
「マジひどくね…っ!強姦されたってのは、私も油断してたし…もうしょうがなかったわけよ…?
でも、死ぬほど怖ぇじゃん…?なのに、親信じてくんねぇとか…マジ鬼…っ!やべぇから…!もう誰も信じる気なれねぇから!特に男…!」
私、気づいたら超マジ泣きしてて…
言ったのも親以外で初めてだし…超みっともねぇ…
「ねぇ…?今から私んち、来ない?もっと超壮絶なのあるから。私の…」
聖子さん、私が泣いてんのを優しく髪撫でながら聞いてくれて…
私が「信じる?」って何度も聞いて、「信じる」って言ってくれて、私が「ぜってぇ信じてねぇし」って言ったら、「絶対信じてる」って言ってくれて…。
私、友達で聖子さんいてよかったわぁ…と思って。
ギャル仲間には冬華とかもいたけどー、話すの無理じゃん?ひかれんのヤダし。
で、車ん中で聖子さんの話聞かされて…
あんまよく分かんなかったんだけど、とりあえず壮絶で、テレビとかでやってる壮絶人生みたいなのに出りゃいいじゃん?とか言うしかなかった。

「!?…」
「ただいま。今日はお友達連れてきちゃった」
聖子さんちついて、マジ心の闇やべぇって思ったのは、散々トラウマまみれにさせられてきた娘さん…瑞希。
「んぅーっ!んぅーっ!」
リビングのソファーの上にいた瑞希さんは、全裸で手や足を縄できつく縛られていて、口にはギャグボールされて、アソコとケツの穴にはぶっといバイブが刺さっていた。
ひくとかそういうレベルじゃなくて、やべぇと思って速攻トイレ借りた。
これ、私殺されんじゃねぇの…?と思って。
聖子さん、何考えてたんだよ…
「瑞希からのDVがひどくて」
「あぁ…。そういえば最初会った時とかヤバかったじゃん」
しょっちゅう傷だらけで、旦那さんの暴力かと思ってたんだけど、娘からのだったのか。
「で、とうとう瑞希が私を殺そうとしたの。殺そうとしてるのは前から分かってたから…。でも、瑞希を殺人者にさせるのだけは、絶対に避けたかったから…」
「…そうっすね」
「菜々子にも協力して貰って、瑞希をなんとか取り押さえたの」
「菜々子さん、いたんすか?」
菜々子さんって、私達と仲いいギャルママね。
「…瑞希、喋る?」
「ぷはっ…」
瑞希のギャグボールが取れた。
正直、まともに見んの恥ずかしい格好してる…
「こいつ、誰?」
「ギャル仲間のUtakoちゃん」
「ははっ…。唄子?マジ騙されんなよ?こいつ、お前のこと犯す気だぜ?」
「マジ…っ?」
「こいつ、人間じゃねぇから…。悪魔なんだよ…?見ろよ、私の格好…?今死ねんなら死にてぇ!超死にてぇ…」
こいつ…私じゃん。
私と同じ…
親を凄ぇ憎んでる…
「…瑞希を助けてあげてほしいの、唄子…」
「へ?私…?」
助けるって…苦しめてんのは聖子じゃねぇのかよ…
「気をつけな、唄子。こいつレズだから」
「レズじゃないわ。男がもう信じられなくて…恐いだけ。瑞希もでしょ…?」
「…私のは、100パーお前のせいだろ。
おめぇの裸は、昔から見飽きてるんだよ?超キモい…」
瑞希をこんな風に両手両足塞いだ後は、そのままの格好でご飯食べさせたりしているらしい。
でも、何で瑞希にエロいことしてんの…?
「私が…瑞希を愛してるから…」
「親が子にする愛し方じゃねーだろ」
「あなたからの暴力だって、私は愛情と受け止めたわ」
「暴力は暴力だよ。愛なわけねーだろ?お前が憎すぎて、殺そうとしただけ」
「それでも、私は愛だと思わなきゃいけなかったの…。暴力振るうのが、娘の瑞希だから…」
「だからって、なんで犯すんだよ?変態が」
「だって、私と貴女なんて、性的に繋がるしか道はないじゃない…?変態同士なんだから」
「お前が私を変態にしたんだろ!ババア!」
「ええ。だから、私が責任を持ってド変態になるわ。瑞希のために…」
「意味わかんね…わぷっ!」
「あぁん…!」
聖子が、瑞希に股間を押しつけた。
瑞希の股間では、バイブがシュールに音を立てていて、汁がたくさん垂れてるのが見えた。
「…ヤバいっすね」
「ごめんね、気持ち悪いもの見せちゃって…。縁切ってもいいから」
「…つーか、心中とかしないっすよね?」
「…私はしないけど、瑞希が私を殺そうとするのなら…」
「んぱっ…!ぜってぇ殺す…!覚えてろ…!」
「私は殺されてもいいわ。でも、瑞希を幸せにしなきゃ…死んでも死にきれない」
「あぁん!」
聖子が瑞希のバイブを引き抜き、娘の女性器をためらいなく舐め始めた。
「瑞希の女性器は、世界最高の味よ…?」
「てめえのコーマンは世界最低だよ。ガキの頃の私の前で、色んな男にぶち込まれて…。トラウマなんだよ」
「でも…!女は愛されなきゃ、生きていけないわ…!」
「愛される前に、私を愛せよ!もっと昔から!ちゃんと!こんな形じゃなくてさっ…!」
瑞希が涙声になってるのがヤバくて、いたたまれなくなった私は、聖子さんちを後にした。
「マジやべぇ…!ほんとやべぇんだけど…!」
気がつくとスマホを取り出してたんだけど、何にもできない。
友達にも相談できねーし、ポリスとかはなぁ…私達、あんまいい思い出ないし。
どうせ言っても信じて貰えない…。
そう思って、いつもは電池切れ間近のスマホをバックに入れて、電車の中では目をつむっていた。
スマホいじったり、電話したり、化粧したり、電車ん中では必ず何かしらしてる私が、何にもしてないのはきっと初めてだった。
まるで、携帯すらないガキの頃みたい…
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