(7月24日) | |
それからというもの。 私は春江の家に居候するようになった。 |
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「あぁん!春江ぇ!少しも我慢できねぇのかよ…?あはぁん!」 | |
「だって…友恵ちゃん、全裸なんだもの…。女性器もおっぱいも丸出しにして…絶対誘ってるから」 | |
「あんたが服着るなって言うから裸なんだろ!ほんと、こんなに毎日セックスセックス…」 | |
「でも…大切にしてあげてるでしょ?女同士って繋がれないから、何度も何度もセックスして、愛を伝えるしかないじゃない?」 | |
「あんっ!春江ぇ…!春江も脱げよ…?春江の裸、欲しいんだよ…結構…」 | |
「今はだぁめ。もうすぐ宅急便来るから」 | |
私は結局、仕事中に倒れて迷惑をかけた事から気まずいと思って、会社を辞めた。 春江は「辞める理由が日本人らし過ぎる」って呆れてたけど…ホッとしてくれてるようでもあった。 今は、同じ宅急便屋だけどバイトとして入り直した。 バイトなら、シフト自由に決められるし、正社員ほどの責任はないから、そんなに疲れていない。 いつでも辞められるし。 |
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「今はどう?死ぬとか、まだどうでもいい?」 | |
あの頃と比べて、考える余裕ができた。 昔は考える時間が嫌だから、その時間も働こうとしていたけど… |
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「…春江がいるから、そんな事ねーよ…とりあえず」 | |
今は考え悩んでも、春江に言うことができる。 春江に大切にされているのが解るから、無茶はしない。 何が一番大事なのか。 私は仕事が一番大事だったけど、それはどんなに仲間のため家族のため、生活のため…と言っても、それと労働内容の過酷さは別問題なんだと知らされた。 恐いけど、自分の命を守るためには、いつだって仕事を選ぶための選択肢はあると思っていたほうがいい。 命を失ってからでは遅い。 たとえ命がどうでもいいと思っても、それは今の自分がそうなだけで、未来の自分もそう思ってるとは限らないんだ。 |
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「ほら!私、そろそろバイト行くから!…また帰ったらな?」 | |
「うん。あ…ちょっと待ってて」 | |
春江はあの日以来、亡くなった旦那さんや息子さんの話を私にしない。 理由は解らないけど、「一つの戦いが終わった」 とつぶやいていた。 これは私の推測だけど…言いたくて仕方なかったのかもしれない。 過労死から誰かを救いたくて仕方なかった。 私と出会い、救うまで春江はずっと自分と戦い続けてたのかもしれない。 |
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「これ、塩飴よ?水分だけじゃなくて、塩分も取らないと熱中症になるから」 | |
「サンキュ。…って」 | |
「私の口にあるから、持っていってぇ?宅配屋さん?」 | |
「…ばーか。んぅ…ちゅ…」 | |
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