(7月12日)
「今日は〜秋津さんとガキ連れて〜ギャルママんとこにだべりに行くんだけど、ぶっちゃけ昔仲よかったわけじゃないんで〜マジ憂うつ」
「はっきり言うなよ」
「唄子、バイトなんだもん〜!ハァ…ラブラブしてぇ」
「とりあえず、電車の中でお化粧すんのは止めて下さい」
「優衣菜、他人のふりし過ぎ」
「しょ〜がねーじゃん?家での時間、超貴重なの」
「あと、携帯電車ん中で喋るのもダメ」
「えぇ?オッサンとかのほうが超デカい声で長々と喋ってんだけど」
「まあ、それはいる」
「で、注意してくるジジイとかババアに限って、自分達のほうがモラルなってなくね?」
「確かに、大声で友達と喋ってるのがよくて、携帯はダメっていうのはよく分かんないかも」
「道にツバ吐くようなジジイに注意されるいわれはねぇし」
「でも、だからって自分もモラル守らなきゃ、そういう年寄りに文句も言えないでしょ」
「文句なんか誰も言えてねぇじゃん?いい大人がみんな見て見ぬふりして。私達にはドヤ顔で注意するくせにさ?」
「まあ、私もそれはあるな…。学生とか女とかって弱いから、そういう説教したがる奴に狙われる」
「もう注意しても治らないくらい、プライドだけ高くなっちゃった人達だから、みんな無視なんだよ?哀れだよね」
「おっ、ガキ。冷静じゃん」
「しょうもない老害の国なんです、日本は。歳とっただけでエラいと思い込んでる人を、優衣菜は尊敬しません」
「すげ〜じゃん!やべー、見直したかも!」
「てへっ…」
「意気投合すんなよ」
「渡辺さんも、そういうしょうもない奴に目くじら立てられる事するより、もっと賢く生きた方が得だよ?」
「ちげぇんだなぁ、それが。私達は、新たなモラルを作るんだよ。みんながやれば、それが古いモラルを押し流して、新たなモラルになる。自然とみんな変わっていくんだよ」
「でも、通話と化粧はとりあえず私達と一緒の時はやめてね?しょうもない爺さんの説教のとばっちり、くらいたくないし」
「は〜い。すみませ〜ん」
「ギャルも大変だな…」
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