(5月31日)
「今日は、ゆきえ先生から貰ったえりるいの、漫画じゃなくて小説のほうを読もう〜っと。
エロベって言ってたっけ…?誰もいないし、ちょっと声出して読んでみよぉ!」
私は愛理香。家は超お金持ちの、お嬢様ですわ。
トップクラスの成績と同時に、テニスをたしなむ優雅な学生生活を営んでいますの。
クラスでは絶大な権力を維持し、逆らう生徒なんて誰もいませんわ。
…けれど、一人だけ…
ふん!ばぁぁか!金持ちのボンボン娘め!お金でなんでも出来ると思わないでよ!べぇぇぇ!
まあ…!なんて下品な!それに汗臭い!近寄らないで下さる!?
瑠衣というクラスメートだけは、私にいつも食ってかかってきて…。
私もシャクだから言い返すんですけど…
おかげでいつしか皆さんから‘ライバル’と呼ばれるようになってしまいましたわ…
私は瑠衣が大嫌いですわ。
貧乏人らしくひがみ根性出して、それを正義みたいな顔して言いのけて…!
世の中が資本主義だって事を、思い知らせてやる必要がありますわ!

そんな、ある日…
知らなかったの、愛理香さん?
瑠衣の家、母子家庭なんだよ?凄い借金があって…
最近、お母さんも逃げ出しちゃったんだってよ…?
どうすんだろ…?小さい妹が3人もいたはずなのに…
…そ、そんなの援交でもなんでもすればいいんですわ。貧乏人は辛いですわね〜おほほほ…!
私は内心、ざまあみろという気持ちの方が大きかったですわ。けど…
「(…小説で絵がないから、愛理香の友達のルックスを、友達に置き換えて想像してしまっていた…))」
(あら…?瑠衣…?)
…っ…っ…
瑠衣が泣いているのを、見てしまいました。
…でも、私には何もできませんわ。
だから、こんなに他人事として、冷たくできますのよ?
瑠衣に、私みたいなお金持ちがお金をあげれば、もしかしたら少しは…と思いますけど、そんな事、常識的に出来るわけありません。
第一、はした金をつまらない情けであげても…私の自己満足にしかなりませんわ。
なにか、やましい事なら、たくさんのお金をあげる事もできますけど…
やましい…事…?
私は…閃いてしまいましたの。
私が瑠衣に、やましい事があれば…お金をたくさん瑠衣にあげられますわ。
でも…私も瑠衣も女ですわよ…?
上手く…いくかしら…?
私は、決意と覚悟を持って、ある日の放課後、瑠衣を校舎裏に呼びました。
ライバルだから…?情けをかけて、優越感に浸りたい…?
そんな悪意で誤魔化さないと、なんだか凄い恥ずかしくて…
(放課後の校舎裏)
…なんの用よ?
…これ。
ま…万札!?なによ…見せびらかしてるの?
違うわ。…取引したいんですの…
…なにを?
これあげるから…私と、援助交際してくれませんこと…?
へ?
だから…これあげるから、私に体売りなさいって言ってますの。
はァァァ…!?な、なんで…?
好きなの…瑠衣が。私…ずっとエッチしたくて…
!…ふ、ふざけないでよ!私はレズじゃないし…!第一、そうやってお金で愛まで買えると思ってる辺り…最低だよねアンタっ!
(だ、誰のためにこんな事してやってると思ってるんですの!?
…いいわ。アンタんちを助けるためだって…正直に…)
…ど、どうしたのよ?
(だ、ダメですわ…!それじゃ、やましい事にならないですわ。瑠衣も断ってくる!……)
…どうせ私はクズですわ。でも…私、諦めませんわよ?これから何度でも…貴女に援交を迫りますから…そのつもりでいなさい?
クズめ…。別にオッサンじゃないんだから、私が好きなら普通に告ればいいじゃない?
…れ、レズだからですわ。だから、お金に頼るしかないって…
最っ低!絶対ヤダ!
…っ…っ…
!…(な、泣いてる…!)
泣いて…ませんわ…
(そういえば…愛理香って、イケメン男子との噂も結構あったし、告ってフラれたって話もあったし…。レズなわけない…!
じゃあ、どうして…?)
…瑠衣…の…バカ…。最低なのは…貴女ですわ…!
( まさか…私に、お金をあげるために…?
大嫌いな私の事を…好きって言って…?)
「(…察し良すぎじゃね?)」
あ、あのさ…愛理香?ひょっとして…貧乏な私に、お金あげたいから、嘘ついてる…なんて事ない?
!?…ありませんわ…!
(…ばぁか。わかりやすっ…。じゃあ、愛理香は…体を張って、私を…助けてくれようとしてるの…?)
これで足りないなら、もう数万積みますわ!最低で結構よ!
…ごめん。違うわ…
え…?
(私…愛理香の気持ちに答えるために…最低な人間にならなきゃ…)
私も…最低だった…
瑠…衣…?
援交…OKだよ?エッチしてあげるから…お金頂戴?
(あの正義感が強かった瑠衣が…?…違う。きっと…私の思惑に、やっと気づいて下さったんですわ…)
くすっ…。貴女がそんな最低だったなんて…。でも…なんだか…
(不思議と親近感が湧いて…)
ほんとに…好きですわ…
愛理香…。私も好きな気がする…。お、お金くんなきゃヤんないけどね!
ええ。それは勿論…
こうして、‘史上最低のカップル’が誕生したんですわ…
以来、私達は…
あはァ!愛理香…お札、おっぱいに挟んでぇ?アナルの中に丸めて挿入てもいいよぉ?
ああっ…瑠衣ったら…ヤらし過ぎですわ。お金欲しさにこんなに裸を売って…。最高ですわぁ…!
(毎日のように私が瑠衣にお金渡して援交して、いつしか…もう、お金という嘘をつくのが辛いほど…本気で愛し合って…)
愛理香…。私の大好きな金づる…。瑠衣、もっとお股広げるから…これからもお金頂戴?
愛理香はぁ…裸のお財布なのぉ!お金あげるから…これからも、いっぱい…
「セックスして欲しいですわ…!」
「よっしゃぁ!是非是非!」
「わっ!!優衣菜…!いつの間に帰ってたの…?」
「静香の意外な才能発見。お芝居上手いんだね」
「は…恥ずかし…」
「でも、一人でエロラノベ音読してるのは、超キモいよ?」
「…大変失礼致しました」
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