(5月25日)
「あぁ〜ぁ…。何も語らず、淡々とお散歩…」
「貴女、さっきから結構喋ってるじゃない?」
「うん。だから、まだまだだなぁ〜と思って」
「何がまだまだなのよ?」
「だって、のぞみちゃんと散歩だと、無言なんでしょ?無言でもいいって事よね?」
「そうね…。でも意志の疎通がいつも出来てるわけじゃないわよ。ただ気まずくて黙ってることもあるし」
「気まずくて?ほんとに?」
「ほんとに」
「…そうはっきり言い切れる事が幸せな気がするんだけどなぁ」
「何よ…もう。さっきから」
「川、水がきれいね〜」
「そうね」
「もっと喋って欲しいなぁ…私のときは」
「何よ。ときって」
「香織だったら、もっと喋ってくれるかもなぁ…って」
「こないだ一回付き合ってくれた時、ずっと苦笑いしてたじゃない?香織さん」
「あら、香織はいつもああいう笑い方なのよ?愛想笑いじゃないわ」
「あっそ…」
「老後のこととか、ちゃんと考えてる?」
「何よ、急に。嫌がらせ?」
「なんで?」
「…貴女みたいな将来建設できるご職業じゃありませんから」
「ふふっ…」
「…なに笑ってんのよ」
「…こんな風に、いつものぞみちゃんはブツブツ文句言って、優は聞いてあげてるのかな?と思って」
「…悪い顔して。似合わないわよ」
「笑ってる…優」
「揚げ足とらないでよ」
「案外、彩花と寄りを戻して、仲いいおばあちゃんやってたりして」
「……」
「…黙っちゃった」
「うっさいわね」
「わたしと仲よくおばあちゃんになるって選択肢はないかしら?」
「…そうね。共通の趣味を持った基調な友達だもの。大事にしなきゃね…」
「…意地悪な人」
「え?初めて素直に言ったつもりだったんだけど…」
「ばーか」
「な、なによ…もう。ふん…」
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