(4月6日)
	「へぇ〜…今日は始業式なんだ」
	「そうだよ？」
	「大人になると、そういう事って忘れちゃうのね…」
	「歳だな」
	「始業式って、なんか思い出ある？」
	「ないなぁ…。前の学校から一緒だった友達と、帰ったくらいかな…」
	「入学式のビデオを見せて貰った事あるんだけど、なんか不思議だったわ。私と彩花がまだなんの接点もなく他人だったり…」
	「あー…そういうのは解るかも。卒業する頃には、べったべたな仲良しでも、入学式の時点だと、なんで友達になれたか謎って思ったり…」
	「一生の友達がいるかもしれない反面、ほとんど一言も話さずに終わる人もいるんだよね」
	「面白いなぁ…。入学式の写真、見返してみようかなぁ」
	「学校…か」
	「なに？学校行きたいわけ？」
	「私、大学行けてないからね。この仕事が忙しくて」
	「何も大学じゃなくてもいいんじゃない？」
	「え？」
	「そう考えると、学生時代って面白いけど、チャンスは一度きりなんだなぁ」
	「そうよ。大人になったら、職種にもよるけど、友達とか作りにくくなるんだから」
	「夏井さんが友達いないのは、その性格だからでしょ？」
	「むきぃぃぃ！なによ！せっかくいい話したのに！」
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