(3月23日)
「卒業シーズンね…」
「黄昏てるのが似合うな、ババア」
「お仕置きするわよ?」
「ひぃぃ!」
「まだ先だけど、優衣菜は卒業式に何歌いたいの?」
「卒業ソングって事…?う〜ん…道とか好きかな。EXILEの」
「シャレてるなぁ…今の子は」
「私の卒業式の時はコブクロの桜だったよ」
「あぁ…コブクロも定番よね」
「優の高校の時の卒業式はどうだったかしら?」
「…来てたでしょ、ママ。レミオロメンの3月9日だったわ」
「お母さん、新しい歌解んないのよ…」
「ママの卒業式の時は何を歌ったの?」
「私の頃は、卒業式ってまだ固かったから、仰げば尊しだったわね」
「あぁ…。でも、私は先生にお世話になったから泣けるわ…」
「当時歌いたかったのは、贈る言葉とか卒業写真ね」
「世代ねぇ…。でも、知ってるわよ。卒業ソングって世代を超えるわね」
「お前が懐メロ好きなだけじゃないのか…?」
「‘旅立ちの日に’は、今音楽の授業でやってるよ〜」
「それ、私の世代は知らないのよね…。合唱曲なのに」
「あれは、埼玉の教員の人が、自分の学校用に作った歌なのよ。作られたのも90年に入ってからだから、知らないんじゃない?」
「それ、テレビでやってた!深イイ話なんだよね〜」
「はぁ〜ぁ…。みんなが早く卒業してくれれば、お母さん楽になるのに」
「充分楽してるだろ、お前」
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