(3月19日)
「はぁ〜ぁ…。今日は晩ご飯作れる人がいませんでした〜」
「夏井さん、なんでいないの?料理だけが取り柄なのに」
「あの日だから、しばらくは実家だって」
「あらら…。って、私もそうだから人の事言えないけど」
「何食べる?適当でいい?」
「今日は泳いできたから、ガッツリいきたいなぁ」
「もう…。人のお金だと思って」
「ゴチで〜す!」
「中華にしますか」
「お、中華屋を前に決意」
「お腹空いたぁ」
「ガラガラ〜」
「あら?あれって…」
「冬木さんじゃん」
「……」
「嫌そうな顔しないでよ?相席しましょ」
「……」
「そっかぁ。今日、優もいないもんね〜」
「のぞみもご飯作れないダメダメ女子仲間でした〜」
「…今日、殺すわ。彩花。マディソンのために」
「優が悲しむわよ?」
「悲しまない」
「…ご馳走してあげないわよ」
「…今日は生かしておいてあげる」
「なんだこの会話は…。冬木さん、マジだと思うと結構ゾッとする」
「ゾッとしてくれて構わないわ」
「ま、いいからいいから。私達も注文しなきゃ。静香」
「私、味噌バターラーメンと餃子!」
「早っ!メニュー見なさいよ!」
「私、味噌バターラーメンがあったら、問答無用で味噌バターラーメンな人なんです」
「どんな人よ…。私…じゃあ、チャーハンと生姜焼きで」
「ありゃ。ラーメン行かないんだ」
「静香はさ…ラーメン屋さんってよく行く?」
「そんなに行かないかなぁ。あれでしょ?つけ麺とかそういう…」
「そうそう」
「普通…かなぁ。たまに。兄貴が好きで、奢ってやるからって言われて、よく食べたなぁ。あ、行列とか並んでまでは食べないよ」
「なるほどね〜」
「彩花は行くの?」
「結構。マディソンがさぁ…ラーメン大好きなのよね。よく付き合わされるわ」
「へぇ〜意外」
「ラーメンほど、日本人がみんな凝りに凝ってて、マニアックに進化した食べ物はないって絶賛してるの」
「確かに、最近は色々あるよね…。濃厚!とか魚介!とか白湯スープ!とか」
「なんか日本人って、そういうマニアックに進化したものを珍しいとか凄いって思う意識がないのかなぁ…と思って。私を含めて」
「確かに…色んなバリエーションあるものは面白いかも。あ、もう来た?」
「のぞみのでしょ?…って、カレーライス?」
「そう」
「中華屋でカレーとはマニアックな…」
「優が教えてくれたの…」
「あ〜…でも確かに、普通のカレーじゃない」
「どこが?よく、蕎麦屋さんのカレーは美味しいって言うよね。そばつよのだしが入ってて」
「それ言ってたの、静香じゃなかった?」
「忘れた」
「多分、玉ねぎとお肉を炒めて、カレーソースを絡めてるのね」
「…むぐむぐ」
「結構ドロッとしてるね」
「…美味しい?」
「…貴女達に言う必要はないわ」
「それって旨いってことじゃないの…?」
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