(3月15日)
「ありがとうございます。わざわざハウスシェア先にまでお邪魔しちゃって…」
「いいのよ。どうせ貴女も帰り道だったんでしょ?」
「途中までは…はい」
「埼玉来たの初めて?」
「あんまりないですね…」
「神奈川はハイソだから、田舎に見える?」
「いえ…。むしろうちの近所より全然新しい…」
「あらあら」
「ここですか?」
「そう」
「誰もいないんですか?」
「ううん。ささらがいたと思う」
「ささら…さん?漫画家ですか?」
「グラドルよ。グラビアアイドル」
「おぉっ!私、グラドル大好き!」
「あら、そうだったの?ほんと、男の子みたい」
「ヤング誌のグラビアとかつい立ち読みしちゃうし…。きっかけは、兄貴の部屋にあったグラドルのDVD…」
「貴女、きっかけは兄貴兄貴ってよく言うけど、ここまで引きずってるのは、全然貴女のせいなのわかってる?もう子供って言い訳できない歳だし」
「はぁ〜い…。あ、ちなみに前はセブンとかでグラドルのDVDつい買っちゃってたんだけど、
最近は知り合いのうち行って、思う存分貸して貰えるようになって、おこづかいが浮きました!」
「…それって、麻衣って子じゃない?メガネの」
「あ、なんで分かったんですか」
「某イベントで私と会って話した事があるのよ。彼女は二次元より三次元のほうが好きみたいだけど」
「次元…?」
「あの子は確か母淫内にオナニー好きを集めたサークルやってるくらいだから、落とすと大きいんだけどねぇ…。あ、ごめんなさい。こっちの話だから気にしないで」
「あ、ここですか」
「うん。ごめんね…鍵探すのに手間どっちゃって…」
「鍵あるんですか?」
「一応ね。…もう、めんどくさいからピンポーン」
「最初からピンポーンでよかったような気が…」
「いらっしゃ〜い」
「ををっ!紐ビキニ!」
「あ!貴女、知ってるわよ?レズ萌え荘の秋津静香さんでしょ?エロ水着の跡がトレードマークの」
「おお。私を知ってる人なんて初めてだ」
「なんかグラドル意識してるのかなぁ〜と思って」
「結構ガチで憧れてま〜す」
「佐智子、遅いぞ〜!練乳ヨーグルト買ってきてくれた?」
「ないわよ、ばーか」
「ふーざーけー!」
「あれ?なんで怜ちゃんがここに…?ていうか、怜ちゃんまで紐ビキニ…」
「私、着エロやってるジュニアアイドルなんだよ。知らなかったの?」
「あぁー!着エロのジュニアアイドルって知ってる!DVD屋で見た事ある!」
「ふふん」
「ダメです!そんなこと子供にさせちゃ!可哀想過ぎる!佐智子さん、いくらエロ漫画家だからってそういう発想はダメです!」
「レズはいいのに?」
「レズだって本当はダメです!肉体関係を持つのは大人になってから!」
「こいつ、めんどくさ〜い!確かに親が強引にやらせるのはよくないかもしれないけど、私は自分の意志でやってるからいいの!将来、成長の記憶として見るんだから」
「せ、成長の記憶であんなエロい事してていいのか…。大人になったら自己嫌悪になるかもよ!」
「うるせうるせ〜」
「怜ちゃんは筋金入りの自分大好きっ子だから問題ないわよ」
「あ、あの…ささらさん?」
「あ、やっぱり気になった?」
「はい。失礼ですけど…」
「歳でしょ?35歳よ」
「さ…35歳でグラドル!?」
「ほら、ささら。ババアとっとと引退しろよって顔されてる」
「ち…違います!」
「引退もなにも、私グラドル始めたの30歳からよ?」
「えぇーっ!マジっすか…」
「普通は10代後半から20代くらいよね、グラドルって。けど、母淫だと需要はもっと広がってるのよ」
「日本の男って、みんなロリコンでしょ?だから、女は歳を取る事に不安しか持てないし、若い子に嫉妬しちゃう。
そんな流れを断ち切るために、私みたいなのがいるのよ」
「女の人には意外と、ささらくらいの歳の人のほうが人気なのよ?女は男みたいにロリコンってわけじゃないしね」
「確かに…」
「ロリコンになってくれないと、私が人気になれなくて困るんですけど。ヤダなぁ…ババアどもの既得権益なんて」
「どこでそんな難しい言葉覚えたのよ…?」
「あんたがいつも散々言ってるじゃん?私が意味も分からないのに、愚痴の中に入れて…」
「あ、あれはお酒が入っていたから…」
「だ、ダメな親…」
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