(3月8日)
「ふぅ〜。やっぱり渋谷は人が多いわね。疲れちゃったわ…」
「車で来ても良かったのではないですか?これから満員電車ともなると、おっくうでは…」
「都心の道路はいつも混んでるもの。電車のほうが確実でいいわ。副都心線の入口はどこかしら?」
「はい。地図のアプリで調べてみます…。えっと…現在地は…」
「ハチ公前ね」
「ですね。…あ、そう言えば今日は忠犬ハチ公が亡くなった日なんですよ?」
「へぇぇ…。ご主人を待ち続けた末に…って事?」
「はい」
「忠臣の鏡ね。私もそんな風に慕ってくれる部下が欲しいわ」
「…はい」
「冗談よ?紗都摩、貴女を超える忠臣はきっと生涯現れないわ」
「!…べ、別に気にしてたわけでは…」
「気にしてたでしょ?…キスで元気をつけてあげる」
「こ…こんな所で…!?んぅ…っ…」
「んぷっ……どう?元気出た?」
「し…知りません!バカ!帰ります!」
「きゃっ!ちょっと待ってよ…!置いていかれたって解んないってば!」
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