8月16日
翌日。
私がプールで一人残って、泳ぎ疲れたのと、用事があったので、ポーチから携帯を取り出し、メールを打っていると…
「ん?着信…?誰だろ?」
登録されてない番号からの電話。
とると…
「はい、もしもし」
「後ろ向いて?」
「はぁ…?」
「んぅ…っ!」
「!?…んぷっ…」
なんと、背後にいつの間にか人がいて、振り向いた刹那、なんと唇を奪われてしまった!
「ぷはっ!な…なに!?死ぬほどビックリした…!」
慌てて、距離をとる私。
そこには…
「うふふっ…」
私と同い年くらいの女がいた。
しかも、全裸で。
手には、さっき私にかけたと思われる携帯電話。
女は悪戯っぽく、携帯に向けて声を出した。
「突然、犯そうとしてごめんなさい」
その声は、私の携帯から漏れた。
女は、私が目の前にいるのに、電話してきたのだ。
「だ…誰っ!?なに…!」
すると、驚きの答えが。
「私は初芝彩花。レズ宗教‘母淫’の教祖よ?」
「なっ…!?」
なんだってぇぇ!
私、一回も母淫の集まりに行った事ないのに、なんで教祖がわざわざ…!
しかも…教祖ってこんなに若いの!?
「ま、そんな堅苦しい挨拶はおいといて…」
彩花は、そう言うと、なんと自分の女性器を指で広げ始めて…
「あんっ!今日もエロいわ…」
自分の携帯カメラで、女性器の写メを撮った。
そして…
「ほぉら?よく撮れてる♪」
「う…うわっ!」
その写メを私に見せてきた。
「貴女の携帯の待ち受けにどう?」
「あ…アホかぁぁぁぁぁっ…!!」
いくらエロい私でも、そんな発想はない。
「そう?残念。なんか信者達が‘ご利益がある!’とかって騒いでたんで、どうかなーっと思って。ほら、パワースポット的な?」
的な?じゃないだろ!的なじゃ!
「秋津さん…よね?秋津さんの女性器も撮って、写メ交換しない?マン交換♪」
「な…なに上手い事言ったって顔してんだぁぁ!」
教祖とか嘘なんじゃないかと思うくらい、きさくな初芝さんは、今度は私をフェンスごしまで追いやると…
「あはぁ!ねぇ…?SEXしましょ…?セックスセックスぅ!」
裸体を押しつけて、SEXしようと言ってきた!
「ちょ…ちょっと待って下さい!私は確かにレズですけど…!」
「レズ同士なら…言葉よりもSEXで語り合った方が、解り合えるわ…」
な…なんか凄い事言ってんだけど!
「その水着…エロくてとってもそそるわ!母淫は全裸が基本なんだけど、これ…信者のみんなに着せたら面白いかも」
「し…知らないから!そんな事!」
「私達は、女性器の事…ボカして‘花びら’って言ったりするんだけど…
花びらって本当に素敵よ?女同士が解り合うために、花びらはあるの…」
そう言って、女性器を私のと擦り合わせてくる初芝さん。
女性器をイジられると基本弱い私は、抵抗する力も出ず…
「あぁん!ダメぇぇ!人が来ちゃうぅぅ…」
そう言うのがやっとだった。
「先生に見張ってて貰ってるから平気よ?」
「で、でも外だから…道路のほう、誰か通るかもしれないし…」
「そんなの…見せつけてやればいいじゃない?レズSEXは見せ物として最高なのよ…?淫靡なのに美しくて…さながら芸術ね?」
初芝さんはとんでも発言をしながらも、私のおっぱいを揉みしだき、唇を何度も重ねて…
あっという間に、私を絶頂へ導いた。
思えば、オナニーを除けば、先生以外とSEXするのは初めてだ…
「好きよ…静香。愛してる…。一緒にイキましょ…?」
「う…うん…」
し…下の名前呼ばれたら、私…急に…。
しかも、愛してるなんて…。
みず知らずの初芝さんに言われたくせに…なんで興奮しちゃうんだろ…?
あぁ…イカされる…
「気持ちいい…!超気持ちいい…!私…イクっ!イックぅぅぅぅぅぅぅっ!!」
いきなり、意味も解らずイカされた私だったけど、初芝さんは冷静に、私にペットボトルを差し出してきた。
「エッチの後は喉が渇くでしょ?」
中は麦茶だった。
飲みまくる私。
「ぷはぁっ!」
「じゃあ私も…」
同じペットボトルを、今度は初芝さんが飲む。
「えへっ!間接キスしちゃった♪」
「いや…。間接じゃなくて、さっきまで直接しまくってたじゃん!」
ツッコミ所の多い人だ…。
まあ、悪い人じゃないけど…ノリが凄い。
「こほん!…実はね?私がやってきたのは他でもない…」
「…今から本題とは」
「私が住む‘レズ萌え荘’に、一緒に来てほしいの!」
……?
「…私に?」
「そう。貴女に!」
「レズ萌え荘って、そもそもなに?」
「母淫での暮らしのコンパクト版モデルみたいなものかしら…?一応、貴女と私と、あと4人の女の子で一緒に住むわ。家賃はタダ!」
「いや…。急にそんな事言われても…」
「敷金タダ!礼金タダ!東京の一等地!」
「いや、論点はそこじゃないでしょ?」
私が、考え込む…というか、何を考えていいのかそもそも悩んでいると
「これ、日時と場所だから。あと、私の携帯番号これね?必ず来る事!いいわね?」
そう言い残すと、スタスタ去っていこうとする。
「行かないかもしれないよ!?」
私は大きな声で呼び止めた。
「貴女がレズなら、必ず来なさい?初芝彩花の名にかけて、損はさせないわ!」
初芝さんは胸を張って、去っていった。
私は、しばしボーっとした後、帰ろうと思って、更衣室へ行くと…
「んぱぁ…!先生、素敵ぃ…」
「あぁん!彩花さま…!お前…ガキのくせに…!あはぁん!」
「…まだいんじゃん」
初芝さんは、先生とSEXしていた。
結局、初芝さんとすぐ再会してしまったので、私はレズ萌え荘の件を、とりあえずOKしてしまった。
親に、今日は友達の家に泊まるから…とメールを送る。
「うんうん。秋津さんならOKしてくれると思ってたよ!」
「まさか、これからすぐ行くとは…」
初芝さんの前で、私は何故か恥ずかしくてドキドキしていた。
自分自身の了承なしのエッチを初めてした相手だから…というのもあるけど、
なんだかんだ言って先生と以外誰ともエッチした事ないくせに、
自分を「ぶっちぎりでエッチな子」とか自信満々に思ってて、そこが恥ずかしかった。
初芝さんなんて…レズ宗教の教祖なんだから、きっと何10何100の女の人とエッチした事があるんだろう。
そこ、競うとこじゃないって解ってるんだけど…ちょっとね?
「せっかくだから、手繋いでいかない?私を恋人だと思って」
「えぇっ…!?」
「…嫌なの?私じゃ不満かしら?」
「いや、だから論点はそこじゃないよ…」
エッチは経験済みでも、恋人はゼロの私は、勿論こんな経験はゼロだった。
物凄く恥ずかしそう…
「じゃあ…繋ぐわね?」
「…うわっ!」
全身が震えた。
「大丈夫よ?大概の人は、仲のいい友達同士としか思わないわ。でも、私達の心の中だけで‘ばっきゃろー!恋人同士だ!’って笑ってやればいいのよ?ね?」
「う、うん…」
恋人ごっこ。
こんなに恥ずかしいなんて…。
そのまま目的地まで、初芝さんはずっと手を繋いだままでいてくれた。
だんだん慣れていったけど…人の視線にガラでもなくビビってしまった。
「さあ、着いたわよー!」
「ボロっ!」
レズ萌え荘は、東京の一等地にあったのだけど、建物自体は超ボロかった。
団地かなんか
「あがる時は全裸になってね〜♪」
ひょいひょい服を脱いでく初芝さん。
「あ…ご、ごめん。なんか飲み物ある?」
「麦茶ならあるわよ?」
「甘いのとかは…?」
「甘いのはないわね…。ごめん」
「ち…ちょっと買ってきていいかな…?」
「いいわよ。そこ左出て真っ直ぐ行くと、左手コンビニだから」
「ありがと。じゃあ、ちょっと行ってきます!」
家を出た私。
「ふぅぅ…」
思わず、大きなため息をついた。
本当は、甘いものがそんなに飲みたかったわけじゃなく…ただ…
「このまま…流されちゃっていいのかな…?」
レズ萌え荘から少し離れる度に、私は冷静になっていく。
今なら、まだ引き返せるんじゃないかと。
すなわち…
「レズ萌え荘…。今なら逃げられるよね…?」
初芝さんの強引な勧誘でここまで流されちゃったけど…
レズ萌え荘って、初芝さんのやってる母淫って宗教の信者ばっかり集まるんじゃないの…?
私、宗教とか正直嫌だし…
微妙だなぁ…
上手くやっていく自信ないなぁ…
「ごくごく…うめっ!」
考え事してる間に、コンビニでスコールを買う。
今はまだ、初芝さんを裏切る行動はしていない。
でも…
「あれ…地下鉄の入口だよね?」
あの地下鉄の入口にかけこめば、もう引き返せない。
…私の人生的には引き返した事になるけど、初芝さんに嘘をつき、裏切った事になる。
「どうすっかなぁー…」
このコーラが、早くなくならず、いつまでも残っていてくれたらいいのに。
けど、私は喉がリアルに渇いていたらしく、すぐなくなってしまった。
「ゴミ箱は…と」
飲み終えて、ペットボトルをゴミ箱に捨てる。
さあ、選択の時間だ。
猶予は…きっと、もうない。
「…やっぱダメだ。観念するかぁ…」
私は、レズ萌え荘に戻る道を歩き出した。
振り返ると、地下鉄の入口があったけど…やっぱり無理。
流され屋というか…人裏切ったりできないというか…
なんか自分で自分を笑いたかった。
レズ萌え荘の戸を再び開ける。
「お邪魔しまぁ〜す」
え…?
目の前には、素っ裸の女の子がいた。
しかも…
「…きゃぁぁぁぁっ!」
「な、な、な…ち…チビっ子だぁ?」
小さっ!
なんでこんな子までレズ萌え荘に…!
初芝さん…犯罪ですよ、これ…
「エッチ!」
「いきなり全裸でいる方が悪いんだろ…?」
このチビっ子は生意気で、私はつい口げんかしてしまうが…
「…お姉さん、裸になってくれる…?」
「えぇっ!こ…ここ、玄関だよ…?」
「お姉さんも母淫の人なんでしょ!だったら出来るはずだよ!」
はっきりした口調に弱い私は、反論せずに観念して脱ぎ始めた。
…見てろよ。これでも自称ぶっちぎりでエッチな子!
こうなったら、潔く全裸になってやる!
「お名前は?」
「秋津静香」
「春日優衣菜だよ。よろしくね、えへへっ♪」
こいつ、何今更可愛い子ぶってんだ?
「な、なったよ?全裸に…」
優衣菜ちゃんは、私の裸をポーっと、頬を赤らめながら見ていた。
そっか…。この子もレズなんだから、私の裸もそういう欲の対象なのかもしれないな…
「優衣菜ちゃん…?」
「好みかも!」
「ハァ…?」
ほら来た!
「優衣菜とお付き合いして下さい!」
「や…やだ!無理!」
「えぇ〜!なんでぇ!?」
「私、ロリコンじゃないもん!」
「うぅ…差別だぁ…。すぐ大きくなるもん…」
さすがに、こんな小さい子はなぁ…。
ん?レズでも犯罪なのか?
「ああ、ごめんごめん!屋上の掃除してた!」
階段をドタバタと降りて、ドアを開けて入ってきたのは、全裸の初芝さん。
「おっ!優衣菜、よく来た」
「えっへん!」
「秋津さんも…やっぱり来てくれたのね?」
「し…しょうがないじゃん!あれで無視するなんて…なんかバツが悪かったしさ…」
まるで、初芝さんは私をここへ初めて来たかのような言い方をした。
自分の意志で…という事だろう。
私が迷って、逃げようとしていたのは見抜かれていたんだと、なんとなく解った。
初芝さんに、凄いという気持ちと同時に、恐さを感じて身震いした。
「ありがとう。とりあえず…今日から私達三人はここ、レズ萌え荘で一緒に暮らします」
「は〜い」
「母淫の共同生活と変わらないけど…一応言っとくと、私達は今日から…?はい、優衣菜?」
「友達兼家族兼恋人です!」
「よくできました〜」
な…なんじゃそりゃぁ!欲張り過ぎだろ!
「か…家族で恋人だぁ…?無茶苦茶な…」
「大丈夫!裸でエッチ三昧で暮らしていれば、自然と築けている関係なのです!」
「嘘でしょ…?」
そんな訳で、私は今日からレズ萌え荘で暮らす事になりました。
果たして、どうなる事やら…
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