(2月2日)(彩花の部屋)
「にゃんにゃん♪」
「あら。またぶりっ子?」
「今日は静香、実家の人とご飯食べに行くから来ないんだって〜」
「あらあら。じゃあ暇なわけだ」
「お姉ちゃんはニートと一緒にどっか旅に出ちゃってるしさぁ…」
「冷蔵庫にカルピスあるわよ?」
「プレミアムがいいで〜す!」
「…この2人ってのも、珍しいわよね?」
「えへへ〜?じゃあねぇ?2人の時だけのとっておきの話しちゃおうかな〜?」
「どうせ用意してきたんでしょ」
「そりゃそうだよ〜!アドリブじゃそんな話出せないよ〜」
「で、どんな話?」
「私ね〜?意外と彩花に色々影響受けてるんだよ〜?考え方とか」
「そりゃどうも」
「リアクション薄〜い!もっと嬉しがるかと思った…」
「まあ、そりゃ嬉しいですけども〜」
「昔の彩花とは比べものにならないよね〜?お姉ちゃんの部屋に居候してた頃は超ヘタレだったのに」
「あの頃の事、あなた覚えてるの?まだ今より更にガキじゃない?」
「うろ覚えだけどね〜」
「私が優と別れて、母淫作って…。最初に信者募った時にあなたがいるとは思わなかったわ」
「偶然だったけどね〜」
「ほんとに偶然?」
「だよ〜?だって、ページで名前見た時も、ハンドルネームか何かだと思ったもん。うちにいた彩花だって知ってたら行かなかった」
「なんでよ!」
「だって、ヘタレ女なの知ってたし」
「人間、変われば変わるのよ?」
「今でもヘタレですけどね〜?」
「…ほんと小憎たらしいわね…優衣菜は。どうしたら、こんな子が育つのかしら?」
「レズなんて少数派な所にいたら、損ばっかするの目に見えてるじゃん?だから、ずる賢くもなります〜♪普通の人よりバンバン得しなきゃ」
「私がこんな子の親だったら、ガッカリしてるわ。将来は安泰だけど」
「安泰じゃないよ〜?まだ結婚もできないし、子供も産めないしさぁ〜?まあ、両方興味ないけど」
「あら?子供いらない?」
「子供なんてムカつくだけです〜」
「自分を客観視して言ってるの?」
「違います〜!ぷんぷん!彩花は子供欲しいの?」
「う〜ん…。わかんない」
「お姉ちゃんとの?マディソンとの?」
「……。!…もう!一瞬想像しちゃったじゃない…!」
「レズだけど、男の人と子供産んだ人とか、精子貰って産んだ人とか、孤児を引き取って母親になった人、母淫に結構いるじゃん?話聞かないの?」
「聞くって…子供を持つってどう…とか?」
「そうそう」
「そうねぇ…。子供に対する親の接し方も、どんどん多様化してるからね…。養育費がなかったり、お金あっても忙し過ぎて全然構ってあげられなかったりとか」
「子供は親が見てない所でも、すくすく育っていくものなのです」
「私は、自分の赤ちゃんよりは、もっと広く世界中の命の単位で考えちゃうわね…。病気とかで失われていく命はまだたくさんあるから」
「彩花もエラくなったもんだ」
「エラくはないわよ?優衣菜も自分や自分達の幸せばっかり追い求めると、ロクな大人にならないわよ?」
「今の大人はそれがデフォだと思うけど」
「デフォ?」
「ネットで見た。意味は…なんとなく」
「自分達さえ得すればいいって考えてたら、貧富の差は広がる一方だわ」
「あ〜ぁ…彩花がお説教モードに入っちゃった。帰〜ろっと」
「あ、ちょっと…待ちなさいよ!」
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