(1月14日) (母淫本部)
「はぁぁ…。あのクソガキどもが帰ったのはいいけど、彩花さままでお帰りになってしまったわ…」
「貴女も帰ればいいじゃない?金魚のフン」
「きぃぃぃ!私、マディソン嫌い!」
「あらあら、嫌われちゃった。寄付金泥棒さんに」
「なっ…!?」
「蛇に睨まれた蛙…って感じよ」
「ジョークよ」
「マディソン。日本人はあまり挑発的なジョークは好みません…」
「ここまでの道のりが遠くて…。紗都摩が電車で行こうなんて言うから…」
「マディソンも、母国にいた頃は列車の旅がお好きだと言っていたので…」
「通勤電車は解るけど…。田舎を行く時は、もっと長い編成の豪華な列車をイメージしてたのよ。
それが1両で小さな電車なんて…。日本って変わってるわね。なんで車にしないの?」
「小さいものの良さと、昔から向き合ってきたんです。日本は」
「本当に憎たらしいわ、マディソン…。貴女、そもそもなんで母淫の活動拠点を日本にしたの?日本を見下してるからなんじゃないのっ?」
「そんな事ないわよ…」
「けど、アメリカのほうが同性婚が認められている州もあるし、レズの人も多いんじゃ…」
「オランダみたいに国単位で同性婚を認めてる国もあるのに…」
「う〜ん…。まあ、色々あるんだけど…」
「きっと…彩花さまに気に入られたいから、日本にしたんだわ!この女!」
「はははっ!ねぇ、なにそれ?」
「私に同意を求めないで下さい…」
「まあ…手の内をさらすのは信用おける人だけにしてるんだけど…貴女達を特別に信用するから、話すわね?」
「は…はい!」
「確かにアメリカは自由の国だけど、宗教によるしがらみが大きかったの。キリスト教の一部には、同性愛者を認めない州派も結構多いから」
「日本は他国と比べ、皆が信じる宗教がない無宗教国家だ。だから、宗教に最初抵抗感はあるだろうが、改宗する必要はない。ここが大きいんだ」
「はぁ〜確かに」
「もう一つ。私は同性婚とか実はどうでもよく思ってるのよ。彩花もね」
「えぇっ!ウソをつきなさい!」
「本当よ。確かに結婚出来れば、世間に認められて生きやすくなるかもしれない。けど、まだ子供は産めないでしょ?
そういう、ハンデを埋めていくような活動に興味がなかったの。もっと自由がいいなって」
「マディソンは、親族絡みの事で、結婚という制度があるおかげで皆が幸せが得にくくなったと考えている」
「えぇっ!ほんとに…」
「私にしてみれば、日本こそ真の自由の国だわ。何かに鬱屈し、押さえつけられているような環境だからこそ、
有り得ないものが流行り、文化を形成する。そこに国単位の宗教の影響はない。
日本は自由を生み出し、商売にしていくのに最適な土壌なのよ」
「誉められてるような、ムカつくこと言われているような…」
「ふふっ…。外から見なきゃ解らないのよ、貴女達は。日本人がいかに変人の集まりかって事がね」
「和奏は、凡人変人どちらかしらね?」
「どっちでもないわよ!失礼しちゃう!」
「…軍人かもね?」
「あら、懐かしい」
「むきぃぃぃぃ!」
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