(1月8日)
「なるほどね…。友情も恋愛も、優にとっては世間から借りてきた言葉なのね」
「形の中にハマらないと生きられないわけじゃないから…。ま、生きにくいけど」
「…お正月、何してた?」
「別になにも。のぞみは大丈夫だった?」
「…あら、冷たい。私よりのぞみが大事なの?」
「ええ」
「しゅん…」
「貴女はもう充分幸せでしょ?」
「優がそばにいるから幸せなの」
「…まあ、たまには褒めてあげるけど、彩花のおかげで幸せになれた人は多いわよね。レズの人とか」
「どうかしら?まだ10年は恐れ多い言葉ね」
「私は、昔彩花で今はのぞみ…。一人の人を幸せじゃないまでも…ちょっとマシにする程度しかできないけど、彩花は組織を作って大勢の人へ確実に幸せを与えてる」
「…ほんのちょっとね。みんな一人一人違うものだから、実際はそれぞれが幸せになれるかもしれない可能性を秘めた土台を作ってあげてる程度よ」
「でも、エラいわよ。これからも頑張って」
「私は、優を幸せにしてあげる事できない?」
「…私は幸せいらないから。あと、今の彩花は私を幸せにできないし、しなくていい」
「嫌われたわ…」
「違うわよ。付き合い長いんだから解るでしょ」
「…初詣行かない?今更だけど」
「あらあら。普段は神社なんか行かないくせに、形にハマるのね」
「神様にいつ感謝したっていいじゃない?精一杯形を外したつもり」
「…貴女と2人で出かけるの、悪くないわね…」
「それ毎回言ってる」
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