(12月17日)
「迷える子羊よ」
「はい…」
「あなたの特技は?」
「大学で美姫!って声かけられても、廊下の模様見るのに夢中…という体でガン無視決め込む事ができます」
「それ特技か?人見知りなだけじゃん」
「そもそも静香が、笑う妖精とか始めるからいけないんだよ〜?」
「ドンマイ。で、美姫はなんでレズ萌え荘に来ちゃったの?」
「和奏さんに騙されまして…」
「またあいつか」
「どんな感じに?」
「廃品を無理やり回収されまくって、後で高額請求されたとか?」
「あ〜それ、うちのまわりもよく来る〜!明らかに胡散臭いおっちゃんが運転してるんだよね?ご用心ご用心」
「特におじいちゃんおばあちゃんは気をつけて!」
「おじいちゃんおばあちゃんが見てないでしょ、これ」
「あの…私の話す番だったと思うんだけど…」
「はい、また横道反れてたー」
「よくあるよくある」
「和奏さんは大学のゼミの先輩でした。ある日、私がマリみてを読んでたら、それなに?って声をかけられて…」
「マリみて?」
「ライトノベルです。百合系の」
「百合?」
「彩花がこないだ言ってたじゃん?ヲタクの人はレズじゃなくて、百合って言うんだって」
「ああー、言ってた言ってた。確か、なんかもっと上品なんだよね?エッチとかなしで、恋愛未満とか」
「はい。で、百合に興味あるの?って聞かれたから、はいと答えたら、私と百合な関係にならない?って誘われまして…」
「随分話がぶっ飛んでるな」
「で、OKしちゃったの?」
「はい…。和奏さんは美人で勉強もできて、憧れてたんで…夢のようでした」
「学校じゃ皮被ってんだなーあいつ」
「昔は、ただのデブだったくせにー」
「マリみてには、姉妹(スール)という制度があるんですが、それの真似事とかして、当時は凄く楽しかったです」
「当時はねー」
「いつから歯車が狂いだしたの?」
「段々、和奏さんが…肉体関係を迫ってくるようになったんです。
お断りしてたんですが、そうすると和奏さんは不機嫌になって…。
それが嫌で、私はとうとう、一度だけ体を許したんです」
「キターーー!」
「で?で?」
「和奏さんは、もう…初めての私を食いつぶすように、味わいつくして…。
もう、何十時間と行為をさせられて、最終的には、レズ萌え荘に拉致られてきました…」
「ひどいやつだ」
「人間のクズだね」
「お二人とも…イケイケな感じで聞いてませんでした?さっき」
「気のせい」
「とにかく…レズ萌え荘うぇるか〜む!」
「しゅん…」
戻る