(12月16日)
「う〜ん…」
「どうしたの、佳奈?今日の食費について?」
「違うわよ。彩花がレズ萌え荘をやってる理由」
「ああ…。レズ萌え荘って…。私には解んないなぁ。伊藤は解る〜?」
「わかんな〜い」
「ま、どうでもよくない?それよりさ、イオンに買い出し行かないと」
「待ってよ。私は、時期母淫の教祖になる女なのよ?初芝彩花ごときの考えも読めないようじゃ、まだまだだわ」
「また始まったよ…。ねぇ、美沙も一緒に考えて〜」
「はいはい」
「仮説その一。家族に憧れた」
「ほう?」
「初芝彩花は、幼い頃に父親から虐待を受けているわ。今は絶縁。だから、家族なんて否定していたんだけど、無いものねだりをしたくなった…」
「なるほど。レズじゃ、結婚する事さえできないから、戸籍上の家族は一切作れないものね?」
「だから、家族ごっこをしたくなったわけ」
「確かに、優衣菜ちゃんみたいな幼い子から、ニートがいて元気なのがいて、元カノがいて…。確かに家族っぽいわね」
「家族って、いる人にとっては当たり前のようにいるけど、縁切らなきゃいけないような環境の人もいるからね…」
「私私。佳奈も」
「で、仮説その2。何らかの意味があって、あのメンバーが集められた」
「それはないでしょ…。秋津さんなんて、会ったけどフツーのいい人だったわよ」
「あら…。じゃ、これは違う…」
「諦めるの早っ!」
「ちゃんと、ある程度試行錯誤してから出した方がいいと思うよ…佳奈」
「どんまい」
「どんまいじゃねーよ」
「ひそひそ…。佳奈って、家出する前はそこそこお嬢様だったのよね…?」
「らしいよ?あくまでらしいだけ」
「仮説その3。対立するマディソン派に対抗する派閥を作りたかった」
「あ、それっしょそれ」
「純。もうどうでもよくなってない…?」
「でも、あってんじゃね?マディソン派に四天王みんなついちゃってるし、心細かったんでしょ?」
「でも派閥を形成するっていうには、フツーっぽい人ばっかりよね…やっぱり」
「はぁ〜ぁ…わかんないなぁ…。私をもってしても解んないなんて…」
「私達じゃ無理無理」
「イオン行きますか」
「そうだそうだ。佳奈も行く?」
「行きます行きます。考え過ぎて、少し疲れたわ」
「…なんだかなぁ」
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