(11月26日)
「なるほど…。それでアンケート、提出延期覚悟してまで、なんて書くかを探してるのね」
「はい…。でも私、一人で考えるのって苦手で…。みんなの意見を聞いたほうが、それだーっ!って感じで閃くかなぁ〜って」
「それで、私達がなんて書いたのか聞きにきたんだ。わざわざ東京から…」
「あ、学校が横浜なんでレズ萌え荘の途中に寄ったんです」
「メールで聞いてくれたら簡単に応えたのに。私、レヅイッターもやってるのよ」
「失礼かな、と思って…」
「エラい!エラいぞ〜。ね、香織?」
「あのねぇ…。私、仕事があるんだけど」
「ウソウソ。香織、本当は今日仕事早く終わらせて、明日奈とデートしたかったんだよね〜?」
「おぉ〜!」
「…行きたい店があったのよ。デパートの中だから、そんなに遅くまでやってないから、なかなか行けなくて…」
「なんのお店?」
「フレンチトースト専門店」
「超行きた〜い!」
「食いついた!食いついた!」
「あのねぇ…」
「はいはい。デートの邪魔しないでほしいんでしょ?やなやつ〜」
「やなやつ〜」
「ああっ、もう!解ったわよ!明日奈が戻ってきたら4人で行きましょ?それでいい?」
「よっしゃあ!」
「なんで私に、そういうお店教えてくれないかなぁ…。情報共有しようよ〜?」
「ふん…」
「あ、じゃあパパッと聞いちゃいます!ずばり、あなたにとって‘レズとは?’」
「なんて書いて出したかって事ね?明日奈、なに書いたか知ってる?」
「……」
「知ってるわね」
「…直接、明日奈から聞けば?」
「今、いないし。ねぇ、なんて書いたんですか?」
「‘幸せ’だって」
「おぉ〜!どストレート!」
「私と付き合えて嬉しいみたいよ。満面の笑みで喜んでたわ」
「?…宮前さん、なんで嬉しそうにしないんですか?」
「色々あるのよ、香織は」
「貴女が言わないでよ…」
「私が2人の恋のキューピットなのに?」
「…ふん」
「真名香っちは?」
「私は‘発展’かな。レズの世界がもっと発展しますように〜って」
「…腹黒女」
「香織がさっきから、ぼそぼそひとり言言う〜。暗〜い」
「宮前さんは?」
「…意味は聞かないでくれるなら、言うわ」
「はい。解りました」
「…‘罪’よ」
「罪…。レズが罪…?」
「明日奈、帰ってきたみたいよ?」
「ただいま〜!あ、秋津さん。ご無沙汰ね〜」
「ちわっす!元気なのに来ちゃいました」
「明日奈が‘レズとは?’でなんて書いたか、香織がバラしちゃったよ〜」
「ご…ごめんなさい、明日奈…」
「‘幸せ’でしょ?全然言っていいわよ。だって私、今とっても幸せだから…」
「明日奈…」
「ひゅ〜!すげー!恥ずかしげもなく言ったよ、明日奈さん」
「だって、香織ったら私がいくら幸せって言っても、なかなか信じてくれてないんだもの」
「!…あ…」
「なんかどこかに憂いがあるみたいで…。浮気でもしてるの?」
「してま〜す。私と」
「ち…違うわ!…さ、さあ…早くデパート行かないとお店閉まっちゃうわ。行きましょ!」
「大人って、なんか私と世界が違うなぁ。空気が違うというか…。なんでだろう?」
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