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第7回 御蔵百聞くらぶのおしらせ

今回の百聞くらぶは、女優の「丹下セツ子さん」をお迎えします。
できるだけご予約の上お越し下さい。たくさんのご来場をお待ちしています。

御蔵百聞くらぶは、神戸市長田区御蔵通6丁目にある、古民家を移築して建てた自治会館を会場に、2005年から開催しています。語り手と同じ目線で話が聞ける、小さな講演会です。今後の生き方のヒントになるお話をおねがいしています。

●日時
2006年11月26日(日)
  13時30分開場 14時開演

●場所
御蔵通5・6・7丁目自治会館(御蔵通6丁目)

●テーマ
「インターナショナル旅役者」

●語り手
丹下セツ子(女優)

・プロフィール
女優・タレントの丹下キヨ子の長女として東京に生まれる。憧れていた女剣劇の不二洋子に入門して役者修業。その後、タレントとして日劇などで活躍する。1965年、母の誘いでブラジルに渡る。10年後に念願の丹下セツ子劇団を旗上げし、ブラジル国内は元より南米各国を巡業。その舞台を見るために熱狂的ファンが5千キロ、1万キロをいとわず駆けつけるという、約150万人いるブラジル日系人社会のスーパー・スター。

◎「あっぱれ役者列伝」(演劇グラフ 2006年6月号)より抜粋

 「あんたのママは度胸がいい」って、清川(虹子)のママがいつも言うの。「私だったら自分の娘を地球の裏側のブラジルに一人置いて帰ってくるなんて、そんなことできない」、そう考えるのが、ふつうの親の情だと思う。母は私を旅役者にしたくなかったからブラジルに呼んで、40年前、ブラジルに捨てたんだと思う。母が日本に帰った時、一銭もおいてくれなかった。苦労しましたよ。

 日本にいる時は我儘で、好き嫌いが激しく、厭なことはぜったい厭で妥協しなかった。でも、ブラジルで一人になって教えてもらいましたよ。人間は努力したら変わります。一番苦しかった時に助けてくれたのが小野リサ(サンバ歌手)の両親。ブラジル人相手のナイトクラブをやっていて、しばらく働かせてもらった。お金になる所はいっぱいあったけど、芸人の最低限のプライドは守りたかった。

 ブラジルに渡って10年目、ようやく劇団を旗上げした。そしたら母が「日本へ帰って来い」と言ってきたの。すったもんだでやりとりした揚句、「お客が入らなかったら、日本に帰る」と啖呵をきったの。そしたら敵もさる者、見届け人として妹を木戸番に寄こした。

 劇団の旗上げ公演は入った。入って、入って入って、気狂いみたいに入っちゃった。それがブラジルで一番うれしかったことね。で、コロニア(日系人社会)の人たちがこれほどまで私を必要としてくれるなら、ブラジルで骨を埋めようと決心したの。

 旗上げ当時の劇団員というのは、みんな浪曲語りだったの。私の行く前のスターだね。それぞれに人気をとり、各地を回っていた人たちが齢をとってサンパウロ市に居つき、芝居の座長もやっていたの。で、私が劇団をやりたいと言ったら、自分たちの劇団をやめて、私のところに来てくれたの。なかなか達者で、ちゃんと芝居ができるのは20名いた。

 私たちがよばれていくのは移住地の設立50周年とか、学校ができたお祝いとかで、だいたい一興行は10日から2週間で5、6ヵ所の会場を回る。会場は移住地の集会場、学校の講堂が主で、野外でやったこともある。ブラジル国内の移住地の大半は回ったと思う。公演毎にとんでもないトラブルがおこるけど、終演後、「よかった」「うれしかった」と泣きながらしがみついてくるの。「セッちゃん、死なないで待っているから、もう一度、必ず来てね」、こう言われたら、銭金じゃないよね。

●入場料
 1,000円(座布団席・いす席共、自由席)
 ※定員となり次第締め切らせていただきます。ご了承ください。
 
●主催
 まち・コミュニケーション

●お問い合わせ・お申し込み
まち・コミュニケーション
Tel:078-578-1100 Fax:078-576-7961
e-mail:m-comi@bj.wakwak.com

たくさんの方のご参加をお待ちしております。