デポジット法の制定を求める意見書

  「容器包装リサイクル法」が昨年四月より施行され、全国の自治体で様々な取り組みがなされています。しかしこの法律では生産者の自己回収責任についての制度化が十分でないため、リサイクルの実現とゴミの減量化には必ずしもつながっていません。また、その一方で自治体の負担も大きすぎるなど多くの問題点があるため、見直しを求める声があがっています。

 いま必要なのは、ゴミの減量化・再資源化のメカニズムを社会経済システムの中に組み込んだ資源循環型社会に転換することであり、デポジット制度の実施はそのためのきわめて有効な方策であります。

 地球環境の保護、資源の有効活用は二十一世紀を目前に控えた人類全体の課題であります。ゴミを減量化し、環境を美化し、リサイクル社会を実現していくために、生産者、流通業者、消費者のそれぞれが応分の負担を迫られています。とりわけ生産者の自己回収は強く求められなければなりません。これを促進する上でもデポジット制度は効果ある手段であり、国民の協力も得やすく、高い回収率やリターナブル容器への誘導が期待できる方法であります。

 八丈町では今年度よりアルミ缶・スチール缶・ペットボトルの飲料容器についてデポジット制度等を推進し、「クリーンアイランド」の実現を目指すため、今年の三月十六日に条例を制定しました。しかし地域を限定した制度では、対象商品の識別、地域内外価格差など多くの問題と限界があり、本自治体および住民の負担も決して少なくはありません。これらの問題を克服するためには、自治体レベルではなく、国全体における法制度化が必要不可欠であります。

 よって政府においては、容器包装廃棄物などの再利用・再資源化システムを実現するとともに、全国的にデポジット制度を導入し、その実施を生産者に義務づける「デポジット法」の早期制定を図るよう強く要請します。

 右、地方自治法第九十九条第二項の規定により意見書を提出します。

  平成十年六月十六日

     八丈町議会議長  奥山 太一

(宛先)

内閣総理大臣

環境庁長官

通商産業大臣

厚生大臣

農林水産大臣

自治大臣


添付資料

八丈町議会議員への要請文

 

八丈町町会議員各位

前略

八丈町では4月1日より「八丈町空き缶などの散乱防止環境美化条例」条例を施行し、3月議会ではデポジット実施のための予算を可決して、本年度からアルミ缶、スチール缶、ペットボトルのデポジットを実施することになりました。

デポジット制度は大量生産・大量消費・大量廃棄社会からリサイクル社会への転換に向けた大きなステップとなるものであり、わが八丈町でそれが先駆的に実施されることは大きな意義をもつと言えます。

しかしながら町では半数以上の商店をはじめとした反対運動が起こり千名にのぼる署名が集まりました。これは行政側の進め方に対する反発とともに、デポジット制度のもつ意味や八丈町で実施することの意義が十分に理解されていない結果であると考えざるを得ません。そこで、議会が率先して町民の理解を得るように努めるとともに、実施にあたっては町民の意見を十分に反映し、町民の納得できるような形で実施されることを強く望みます。

また八丈町は離島であるなどデポジット制を実験的に実施するには絶好の場でありますが、デポジットの大きな柱であるべきメーカーの自己回収責任を実現するには限界があります。メーカーを巻き込んだシステムを作るには一自治体だけではなく、国全体における法制度化が必要であることは疑う余地がありません。

八丈町は町や町民が大きな負担をしながらデポジット制度を実施しようとしているわけですから、ぜひ政府に対してデポジットの法制度化を早期に実現するよう強く働きかけていただきたいと思います。

以上のような趣旨で、「デポジット法の制定を求める意見書」の提出を求める請願書を6月議会に提出いたしますので、ぜひご理解の上、紹介議員などの形でご協力をお願いします。

なおこの手紙は町会議員の方全員に出しました。こちらから改めて連絡をいたしますので、お返事をお聞かせ下さい。それではどうぞよろしくお願いします。

 

八丈町のゴミと環境を考える会 

八丈町三根1618 小宮山建 (印)

 平成10年5月25日